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ARTICLE共通鍵
読み:キョウツウカギ
英語名:Common key
共通鍵暗号方式の暗号化と復号化に用いる鍵。暗号化と復号化に同じ鍵を使用することから共通鍵暗号方式と呼ばれる。同じ鍵を共有する必要があるため、「共有鍵暗号」「秘密鍵暗号」とも呼ばれる。公開鍵暗号方式が登場した時、公開鍵暗号方式と区別する為に公開鍵暗号方式では無い暗号方式を秘密鍵暗号方式と呼ぶようになった。後に「秘密鍵暗号」と呼ぶ代わりに「共通鍵暗号」という言葉を使うようになった。
扱いが簡単で、処理速度が速いが、相手先ごとに固有の鍵を作成しなければならないこと、暗号文を送受信する前にあらかじめ安全な経路を使って秘密の鍵を共有する必要があることから、限られた特定の相手とのやり取りに向いている。
また自分のパソコンにデータを暗号化して保存する場合などにも有効。
共通鍵暗号については、現在64ビット ブロック暗号のTriple DESやストリーム暗号のRC4が多くの製品やサービスで利用されている。しかし、安全性を向上させる観点から、さらに安全性が高く処理性能も優れている128ビット ブロック暗号に移行していくことが国際的に推奨されている。今後、デファクトスタンダードとして128ビット ブロック暗号になっていく流れにある。
例えば、米国商務省国立標準技術研究所(NIST)は2005年5月に米国政府標準暗号をAESに事実上一本化、新規システムにおいてはAESを採用するように促進している。
また、CRYPTRECでも、電子政府推奨暗号リストにおいて、「新たな電子政府用システムを構築する場合、より長いブロック長の暗号が使用できるのであれば、128ビット ブロック暗号を選択することが望ましい」と表記している。
ISO/IEC国際標準暗号やインターネット標準暗号に選定された128ビット ブロック暗号であるAES、Camellia、SEEDが、Triple DESやRC4に替わって今後、主流の共通鍵暗号となる可能性が高まっている。