顧客対応・サポートの記事

ARTICLE
顧客対応・サポート

~エピソード1~顧客接点業務のDXとは?

掲載日:2023年4月25日更新日:2024年2月21日

私の名前は渦真木(うずまき)。東京都港区のIT企業、スパイラル株式会社に勤める27歳の会社員だ。
突然「顧客接点DX調査班」という特命プロジェクトにアサインされ、班長にレクチャーを受けているところだが-。

もう一人の調査班メンバー、螺旋(らせん)くん登場!

渦真木
顧客接点業務についてはなんとなくイメージがわいてきました。で、このプロジェクトチームは「顧客接点DX」を調査するんですよね?

と、その時ドアを開ける音が。ガチャッ

螺旋
班長!お疲れ様です、戻りました。
班長
あぁ、螺旋さん、お帰りなさい。
螺旋
あれ?そちらの方は?
班長
彼は渦真木さんよ。今日からこのプロジェクトチームにアサインされたの。
螺旋
今日から?ということは、この班は3名になる、ということですか?
班長
そうね、渦真木さんは社歴も螺旋さんより長いし、頼りになるはずよ!二人とも仲良くね。
螺旋
(むっ)社歴の長さよりも、仕事ができるかどうかが重要かと思いますけどね。まぁ、とりあえずよろしくお願いします、先輩。
渦真木
(あれ、嫌味言われてるのかな…。)はい!よろしくお願いします!
班長
ちょうど今、渦真木さんに顧客接点DXとは、という話をしようと思っていたの。
螺旋
ふーん、そうなんですね?ちなみに渦真木さん、デジタル化とDXの違いはご存知ですか?
渦真木
えっ?デジタル化とDX?えー、えーっと。
螺旋
ご存知ないようなので簡単にご説明しますと、
螺旋
ということですね。あ、言っている意味、わかります?
渦真木
あ、えっとえっと。つ、つまりデジタル化というのはDXの前提、ということですかね?
螺旋
まぁ、そんな感じです。コロナ禍で急速に広がったのがデジタル化ですね、結構これがピンキリでして、それまで紙でやり取りしていたものをPDFにすることもデジタル化ですし、予約を受け付けていた電話をメールに切り替えるのもデジタル化と言えます。一般的なイメージとしては何らかのシステムを導入することと考えられがちですが、システムの導入がゴールではないということですよ。重要なのはデジタル化、あるいはシステム導入した先に、業務・ビジネスが変革した、と言えるような成果が出るかどうかですね。

顧客接点業務DXの課題

班長
螺旋さん、ありがとう。私からも補足するけど、もちろんシステム導入する意味がないわけではなく、業務改善につながることは事実ね。また「社内業務」については、システム導入で成果が出やすい領域と言われているよ。勤怠登録や経費精算といった業務はどの組織や企業でも業務としては共通点が多く、パッケージ化しやすいんだよね。だから多くのSaaS企業が社内業務、バックオフィス向けのサービスを数多く出しているわけ。
渦真木
確かに、バックオフィス系のSaaSはよくTVCMでも見かけますね。例えばそれまで3人がかりで対応していた業務が1人で事足りるようになって、他の2人が新しい業務を手掛けられるようになったとか、出社前提だったワークフローがオンライン化されてリモートワークが可能になったとか・・・そういうのがDXと言えるのでしょうね。
班長
それに対して、顧客接点業務は、それぞれの企業・組織によって業務フローが異なるため、なかなかパッケージ化しにくいという事情があるの。業界特性もあるし、自社のニーズにピッタリなシステムを探すのが難しい、と言われているよ。
螺旋
そうですね。仮に要望に近いパッケージサービスを見つけたとしても、カスタマイズが必要になったりしますね。顧客接点業務でDXを推進したい、となった場合にはスクラッチ開発で1からシステムを構築する場合が多いのではないでしょうか。でもまぁ当然金額もそれなりにしますし、時間もかかります、ということです。
渦真木
なるほど、顧客接点DXの課題としては、『パッケージで探そうとしてもピッタリなものがない、でもスクラッチで作ろうとすると高くて時間がかかる』ということになりますかね?
班長
そうね!さすが渦真木さんは鋭いわね。
螺旋
(むっ!)えー、確かに渦真木さんのおっしゃる通りですが、1つ重要な視点を忘れていますね。
渦真木
他にも課題になりそうなところがあるんですか?
螺旋
渦真木さんは今日配属されたばかりということもありますので、特別に教えて差し上げましょう。
班長
いや、このチーム自体先週立ち上がったばかりだし…。
螺旋
オホン。それはズバリ「セキュリティ」です。
渦真木
セキュリティ?それはシステム全般に言えるのでは?
螺旋
もちろんそうです。ただ、社内業務の場合、社内のIPアドレスからしか接続できないようにするなど、制限を設けることである程度のセキュリティ対策が可能です。ただ、顧客接点業務については、社外・組織外の方が使うことが前提になるので、広くWeb上に公開された状態でセキュリティを担保しなければいけないのです。
班長
その通りね。例えば自社のWebサイト上からサービス利用申込を行えるようにしたとしましょう。当然、Webサイトは全世界に公開されているオープンな状態なので、逆に言えば悪意ある攻撃や不正アクセスの対象になることを意味するよね。特に顧客接点業務は個人情報を含むデータのやり取りが発生することがほとんどなので、セキュリティは当然強固にする必要があります。仮に業務用のシステムが不正アクセスの被害を受け、個人情報が漏洩してしまった・・・なんて事故が起きたら大変よね。ここが、顧客接点業務のDXを検討する上で大きなポイントと言えるかな。
渦真木
なるほど!よくわかりました(螺旋さん、なかなかの上からキャラだな…。怒らせないように気を付けようっと。)
班長
さて、説明はこのぐらいにしましょうかね。顧客接点業務はどのような業務か、顧客接点業務のDXを進めようとする際の課題としてどんなものがあるか、大体わかったかな?
渦真木
はい、大体ですけど…。
班長
大体でOKよ!あとはボスからの依頼を調査していきながら、渦真木さん自身が顧客接点DXについて学んで、徐々に、社内・社外からの相談に応えられるようになればいいからね。
渦真木
わかりました、なんとかやってみます!
螺旋
というわけで、今後力を合わせてやっていきましょう。わからないことがあれば気軽に聞いてくださいね。社歴は渦真木さんより短いけど知見はあると思いますので。
渦真木
あ、はい!私も頑張ります!(強烈キャラにすでに負けそうだけど…。)

こうして顧客接点DX調査班の初日が無事に終わった。
でも班長や螺旋さんの話はよく分ったし、実際に調査依頼が来たら頑張って調べていこう!
が、班長も螺旋さんもとても話が長かったので、ポイントをまとめておこうっと!

(※本コンテンツの登場人物、部署等はフィクションです。)