顧客対応・サポートの記事
ARTICLE~エピソード10~【事例紹介】行政DXを推進!BPO事業を円滑に進める「給付金申請管理システム」とは?
掲載日:2024年4月22日更新日:2024年5月29日
私の名前は渦真木(うずまき)。港区にあるIT企業、スパイラル株式会社に勤める27歳の会社員だ。「顧客接点DX調査班」という、社内外を問わずDXに関するギモンに答えるというプロジェクトに参画しており、毎日、さまざまな業界のDXについて調査をしている。
2024年4月某日、朝8:30。
4月も半ばを過ぎ、気候も気持ちの良い日が続いている。新年度を迎え、新しくDXの担当になった方や、今年こそDXを始めよう、と思っている方のためにも、しっかり調査を行っていこう!…。などと考えながら会社に到着し、PCを開くと、ボスからの指令が届いていた。
班長
渦真木さん、おはよう!今回の指令はBPO事業の事例ね。ここ数年で当社にもたくさん相談があったよね。
渦真木
はい。IT人材の不足や働き方改革などもあって、行政分野のBPO事業の市場は拡大しているようです。当社でも自治体支援業務の相談が多くありましたね。
班長
そうだね。コロナ禍でさまざまな自治体の給付金支援などがオンライン化されたものね。
渦真木
はい。利用する住民がオンライン申請を体験したことで、現在はオンライン対応がされていないと不便に感じるようになってしまったという背景は大きいですよね。
班長
行政でも住民に利便性を感じていただけたことで、住民向けのサービス向上の取り組みとして、各種申請のオンライン化が進んでいるみたいだよ。
渦真木
では行政DXを推進するBPO事業の事例について早速調査してきます!
株式会社フルキャスト様の「自治体給付金申請管理システム」の事例
渦真木
班長!ちょうどいい事例がありました。株式会社フルキャスト様の自治体給付金申請管理システムについて紹介します。フルキャスト様は人材派遣・業務請負をメインに、BPO事業などの多様なサービスを提供しているのですが、その中で自治体の給付金事業を支援する際に、当社のSPIRAL®でシステムを構築されたそうです。
班長
フルキャスト様は、SPIRAL®を導入する前は、別のシステムを利用していたのよね?
渦真木
そうなんです。申請データの管理にはあるオフィスソフトを利用していたのですが、使い続けるうちにキャッシュがたまって処理時間が長期化したり、データの呼び出しに失敗したり…とその性能と利便性に課題を感じていたそうです。
班長
多くの人が使い慣れたオフィスソフトも、キャパシティの限界があるからね。規模が大きくなってくると、問題が出てくるよね。
渦真木
構築のポイントとしては、システムを利用するオペレーターが迷わず扱える操作性を念頭に、シンプルな設計にし、誰にとっても分かりやすいシステムにしたことです。これにより研修やマニュアル作成などの実務作業が軽減できたとのことです。
班長
オペレーターの使いやすさへの配慮は、人為的なミスの軽減にもつながるので、こだわりたいところだよね。
渦真木
もちろん誤入金や二重振込などの人為的ミスを予防するための対策にもこだわっています。具体的には給付対象となる申請者のデータを書き出す際は、抽出条件が分かるように画面上に表示する、出力済みデータは再度抽出できないようにする、進捗ステータスを分かりやすくする、など、自社の業務プロセスを想定して、必要な機能を搭載して構築したことが、サービス開始後の安定した運用につながったようです。
班長
導入先の自治体からも好評だったとのこと!このシステムをベースに、他のBPO案件にも転用・活用して頂くことで、BPO事業拡大の一助となれば当社としても大変嬉しいね。
自治体の業務をスムーズに支援するポイントは?
螺旋
オホン。申請受付のような自治体支援業務の入札案件は、公示から提案、受注後に実際稼働するまでの期間が短いことが多いですよね。
渦真木
確かに。電話で案件の相談をいただいた時に、できれば当日に見積もりが欲しいと言われることも多いみたいです。先日、私の同期も大慌てで見積もりを作っていました。
螺旋
ちょっと前の事例ですが、株式会社JTB浜松支店様の休業要請協力金支給システムはかなり短期間の対応でした。コロナ禍だったこともありシステムのリリースも緊急を要しており、2週間でシステムを構築した、という事例です。
班長
当時の状況は特別だったと思うけど、今でも自治体支援業務は急ぎのものが多い印象はあるよね。
螺旋
株式会社JTB浜松支店様の事例は当社でシステム構築の依頼を受けて特急開発をした、というものですが、スピード感を持ってBPO案件に対応していくには、フルキャスト様の担当者が今後の展望で言われていたように、完成済みのシステムをベースに必要な箇所だけ更新をして別案件用に横展開する方法だと利便性が高いかもしれません。
班長
うんうん。2つ目のシステムからは、複製や一部をカスタマイズするなどで、BPO事業者の方が自分で構築できるようにすることで構築期間やコストの削減も可能になるものね。
螺旋
また自治体支援業務はサービス開始後に、当初想定していなかった課題が発覚することも多いのです!
班長
例えば…?
螺旋
オホン!例えば予想以上のアクセスが集中してしまったり、最近だとGmail等ガイドラインの変更などで、メールへの到達率が問題になってしまったり、ということがあります。ですので、こういった課題に柔軟に対応できるように非機能要件をしっかりと確認しておくことがとても重要となります!
班長
非機能要件って機能以外の要件のことだよね?
螺旋
はい。一般的には性能・拡張性、保守・運用性、可用性、セキュリティなどがあげられます。様々な機能が備わっていても、処理速度が遅ければ業務の遅延をまねいてしまいますよね。事前に具体的なサービスの利用を想定した上で、先にあげたような非機能要件の観点を考慮したシステム構築をすることが、安定運用につながるのです!オホン!
班長
なるほど。まとめると自治体支援業務を含むBPO事業のシステム構築では、自社の業務プロセスに合った機能を組み込むことでミスを削減し管理業務を効率化することや、他の事業や業務に横展開できるような拡張性の高さが大切だね。更にはサービス開始後の安定した運用のためには、非機能要件を事前にしっかり押さえておくことが最重要になるね!2人とも今回もありがとう! あとでポイントをしっかりまとめて調査報告書を提出してね!
というわけで、今回の調査も無事に終わった。また来月も頑張ろう!
参考事例
(※本コンテンツの登場人物、部署等はフィクションです。)