海外からの交換留学生やサマースクール生が提出する願書データが、
事務局内で共有化されていなかった
SPIRAL® で利用している大学のプログラム概要を教えてください。
当大学では学生に対して、オーストラリアやフランス、中国、台湾、韓国といった海外協定校に1年以内の留学をする交換留学制度を実施しています。交換留学生というからには、海外の協定校からも留学生を受け入れることになります。
また、主に英語圏の大学との交換留学の拡充とキャンパスの国際化を目的とした短期受け入れプログラム「サマースクール」も実施しています。
これらの交換留学生、サマースクール生が当大学へ訪れる際、事前に願書を提出してもらっています。その提出方法をSPIRAL® で構築したWebフォームへの入力に変更することで、業務効率を改善することができました。
以前の願書のやりとりでは、どのような課題があったのでしょうか?
基本的には、Excelの入力シートを海外提携校の担当者やサマースクール希望者へメール添付で送付し、そのシートに入力して返送してもらうというフローです。併せて願書の原本を国際郵便でも送付してもらっていました。
このように、部分的には電子化されていたのですが、願書を添付したメールが担当者にしか届かないため、願書データが国際化推進センター内で共有化されないこと、書類のやり取りに時間がかかるというのが課題でした。
また、留学ビザを取得するにあたっては、在留資格認定証明書(CoE)を大学側が代理申請します。留学希望者には法務省の定める申請様式(Excelフォーマット)をメールで送り、必要事項を入力してもらっていたのですが、間違えて入力したり、勝手にフォーマットを作成して入力してくるなどのケースが多発し、それを修正するためのやりとりにも大きな労力がかかっていました。
願書提出用のWebフォームを用意したことで、
交換留学生、サマースクール生ともに申し込みの電子化が実現
課題解決のために、SPIRAL® でどのようなシステムを構築しましたか?
交換留学生とサマースクール生を受け付けるための電子化を実現させました。具体的には、サマースクール生に対して専用のWebフォームを用意することで、Excelのシートに入力することなく願書に直接入力できるように構築。また、海外協定校に専用のマイページを用意して、IDとパスワードの入力で出願できるようにしています。
さらに、大学側の事務局にも、提出された願書をPDFとして出力できる機能を用意しました。これによって国際化推進センター内におけるデータ共有や、願書出願学生の検索が容易になったのです。
また、「CoE」に必要な情報を海外提携校側やサマースクール生側に別途入力させることはせず、すべての情報入力をWebフォーマットに集約。国際化推進センター側で、Webフォーマットに入力された情報を見ながら、「CoE」のフォーマットを作成できます。
導入後の事務局業務の負荷は、どのくらい軽減されましたか?
これまで日常茶飯事だった「CoE」の入力ミスがなくなったことで、事務局側の作業は大変楽になりました。また、これは負荷の軽減ではありませんが、SPIRAL® はすでに海外英語研修プログラムの電子化で導入していたため、新規のサービスを導入するよりもコスト面でメリットがあったという点も大きかったですね。
願書の提出を統一のWebフォームで実現したことで、
留学生に関わる
事務局側の業務効率が大幅に改善
SPIRAL® を導入した結果、どのような成果がありましたか?
交換留学生、サマースクール生に関わる業務を電子化できたことです。交換留学生とサマースクール生で入力する項目が異なりますが、それを一つのWebフォームで実現することで、留学生に関わる事務局側の業務効率が大きく改善しました。
また願書には顔写真の貼付が必須となりますが、これまでは写真の添付忘れなどで催促する手間も発生していました。しかし、Webフォームには写真投稿機能が実装されているので、「添付忘れで写真を催促する」といった作業の負荷も無くなっています。
導入に際し、工夫された点、こだわった点などがあれば教えてください。
交換留学やサマースクールを希望する海外の学生には必ず志望動機を提出してもらっていますが、Webフォームの入力項目にあえて含まず、Webフォーム上のファイル添付機能で送付してもらうようにしました。現在は、留学生の志望理由は日本語で書いてもらっているのですが、そもそも日本語入力ができないパソコンを使っている可能性があれば、入力方法がわからないことも考えられます。そこで、手書きの日本語をスキャンしたものでも受け付けられるようにしているのです。
今後、このサービスをどのように発展させていこうとお考えですか?
当大学では更なる国際化を進めるため、今後は更に多様な受入れプログラムを実施することを検討しています。新たな受入れプログラムにも対応できるようなWebフォーマットにしてありますので、うまく汎用性を持たせることができたのではないかと考えています。今後も国際化を推進する上で、グローバルの学生が登録しやすいWebフォームシステムを考えていきたいと思います。