紙ベースの願書からExcelシートへ、3日かけて手入力。
事務局の負担を軽減するためにはどうすればいいのか?
SPIRAL® で利用している大学のプログラム概要を教えてください。
当大学ではグローバル人材を育てていくための多彩な留学制度を設けています。その中の一つとして、海外英語研修プログラムがあります。このプログラムは毎年春期と夏期に実施しているのですが、毎年180名に奨学金20万円、全員に奨学金5万円を支給していることもあり、学生に人気のプログラムです。
SPIRAL® を導入する前にはどのような課題があったのでしょうか?
これまで海外英語研修プログラムに申し込む学生数は、人気がある夏期でも30名程度でした。しかし、当大学の国際化計画がスタートしてから、徐々に申し込みが増加。現在では1回の募集に対して100名を超えることもあり、年間では200名以上の申し込みがあります。一方で、研修の申込書や奨学金の願書、志望理由書などの学生から提出される書類は、手書きによる紙ベースのままでした。管理や運用の観点から、それらの提出書類をデータ化して保管するためにExcelへと手入力する必要があり、一人のスタッフが3日程度も費やして作業をこなしていました。そうなるとスタッフの時間も労力もその入力作業に取られることになり、膨大なロスが発生します。
また、学生の手書きによる記入の場合、文字を判別するのが難しい場合が頻繁にあります。メールアドレスや住所に使う数字やアルファベットが読み取れないことも多く、学生に電話をして確認を取らなければなりません。そこにもスタッフの時間と労力が取られていました。
それだけでなく、申込書や願書を提出するタイミングで記入漏れや記入ミスが見つかった場合には、学生に手直しをしてもらう手間も生じていました。
願書を入力するWebフォームをSPIRAL® で構築。
不備やミスが見つかっても、学生自身で修正できるように。
課題を解決するために、SPIRAL® をどのように活用しましたか?
SPIRAL® を導入してWebフォームを構築しました。そして、そのフォーム上から海外英語研修プログラムへの参加申込書と奨学金願書を入力できるようにしました。また、入力完了画面では、入力内容をPDF帳票で出力できるので、学生自身で内容のチェックができます。
同時に、フォーム入力後でも内容の不備やミスを見つけた場合に、一定期間までは学生側で修正できるようにしています。これらによって、大学側と学生側、双方の負荷の軽減を実現しました。
SPIRAL® を選んだ理由はなんでしょう?
まずは有名大学をはじめ、金融機関、官公庁での採用実績があることへの信頼ですね。「大規模なエンターテイメントの投票システムで、大量アクセスに耐えたプラットフォームもSPIRAL® が担当していた」というところにも興味を惹かれました。
また、フォーム機能で各種受付画面や情報変更画面を簡単に作成できることや、強力なデータベース機能で検索、編集加工、登録などの管理の手間が削減できることが選定の決め手となりました。
SPIRAL® の導入はスムーズにいきましたか?
パイプドビッツに相談を持ちかけたのが2015年11月のことです。「個人情報を外部に預けて大丈夫か?」といった声が学内でもありましたが、国立情報学研究所が作成したクラウドサービスチェックリストに対して明確な回答をいただき、堅牢なセキュリティがあることを理解してもらえたことで、2016年3月に導入が決まりました。
Excelシートにデータを手入力する手間が省けたことで、
事務局の業務効率が大幅に改善。
SPIRAL® を導入した結果、どのような成果がありましたか?
手入力がなくなったことによる業務効率の向上が最大の成果だと思っています。これまでは手書きの申込書や願書を手作業で再入力していくため、ヒューマンエラーが発生していました。それに加えて、手入力してデータ化した後にも入念なチェック作業が求められます。
現在も学生がWebフォームに入力したデータを一度はチェックする必要はありますが、二度手間、三度手間がなくなったことは大きいですね。具体的にどれくらい効率化したかといいますと、紙ベースの頃は3日程度かかっていた作業時間が、SPIRAL® による電子化に移行した後は、フォームデータをダウンロードするだけですから10分程度へと短縮することができました。
そのほか、海外英語研修プログラム終了後に学生からの報告書提出を義務付けていましたが、それも以前は紙ベースだったために回収に手間取っていました。今回、こちらも併せて電子化したことで、学生が長期休暇期間中にわざわざ大学に出向いて書類を提出する必要がなくなるというメリットも実現できています。
今後、このサービスをどのように発展させていこうとお考えですか?
申込書や願書などの提出の電子化というのは“業務効率化”を主な目的としてスタートしたものですが、今後は収集したデータをSPIRAL® で上手に活用して、今後の海外英語研修プログラム内容や募集方法の改善などへとつなげていきたいと考えています。