BPO事業の一環で自治体の給付金事業を支援するも、
申請データを管理するオフィスソフトのパフォーマンスと利便性の低さに課題を感じていた
SPIRAL®︎導入前はどのような課題がありましたか?
当社では、全国を拠点にさまざまな企業様や自治体様の業務をお手伝いさせていただくBPO事業を展開しています。私は、主に人手不足が顕著な地方自治体様において、市職員の方々の業務をサポートさせていただいているのですが、そのひとつに給付金事業に関する支援業務があります。この業務ではもともと、申請データの管理にあるオフィスソフトを利用していたのですが、その性能と利便性に課題を感じていました。
具体的には、使い続けるうちにキャッシュがたまって処理が長期化したり、データの呼び出しに失敗したりといった事象が起きていました。キャッシュはクリアしても再びたまるため、たびたび同じ現象が発生し、ときには10分以上もデータが呼び出せないこともあったほどです。なかなかスムーズに業務を進められず悩んでいました。
利用していたオフィスソフトはもともと多数の同時アクセスを想定したツールではないため、複数の人間が同じタイミングで利用し、数万件に及ぶデータの処理に耐えられるものではありません。給付金事業は比較的スケジュールがタイトなことも多く、また今後、さらに人口が多い自治体様からのご依頼が増えることを想定すると、現状のツールで対応し続けることは難しいと思っていました。
SPIRAL®︎ ver.1を用いて給付金申請管理システムを開発。スパイラル社の開発担当と共同で要件定義を進め、誰でも扱える操作性の高いシステムを構築した
SPIRAL®︎を導入したきっかけや、決め手を教えてください。
SPIRAL®︎をすでに導入している取引先から勧められたことがきっかけです。
SPIRAL®︎は、実現したいことに合わせて、さまざまなシステムに組み替えられるという拡張性の高さが特徴です。SPIRAL®︎なら、悩まされていた給付金の申請管理業務を改善できるのみならず、ほかの業務や事業への活用・転用ができる点に大きな魅力を感じました。
決め手となったのは、スパイラル社の担当者への安心感です。初めてお顔を合わせてご相談させていただいた際、こちらが話す内容やその意図をすぐに理解して回答してくれたことがとても印象的で。対応可否の判断もスピーディーで、担当者の応対への安心感でほとんど導入を決めたといっても過言ではありません。
システムの要件定義については、開発担当の方も含めて打ち合わせをしていただいたおかげで、1回のやり取りで8~9割内容が詰められました。設計を相談する場では、営業担当の方が予算に合わせて機能の足し引きや調整をしてくださいました。当社とスパイラル社間で、的確なキャッチボールをしながら設計を進められたおかげで、必要機能を備えたシステムを想定内の費用で導入することができたと思います。
SPIRAL®︎でどのようなシステムを構築しましたか?
自治体の住民から届く給付金申請情報をWeb上で閲覧・更新できる、給付金申請管理システムを構築しました。

開発に際しては、システムを利用する当社のオペレーターが迷わず扱える操作性を念頭に、余計な機能はできるだけ省いたシンプルなシステムになるよう意識して設計しました。
また、併せてこだわったのが、誤入金や二重振込などにつながる人為的ミスを予防するための対策です。例えば、給付対象となる申請者のデータを書き出す際は、どのような条件で出力しようとしているのかがわかるように、画面上にフィルターを表示するように設定しています。これにより、抽出時のミスを減らせるほか、仮にミスが発生しても経緯や原因を突き止めることが可能です。ほかにも、二重振込を防ぐために、一度出力したデータは再度抽出できないようにしたり、進捗のステータスを誰でもわかるようにしたりといった仕様も組み込みました。
こうした、当社の業務プロセスを想定して必要な機能や仕様に落とし込めるのは、SPIRAL®︎ならではだと思いますね。
新システムで給付金管理をスムーズに完遂。自治体からも喜びの声が寄せられた。
今後はさらにSPIRAL®︎を活用し、BPO事業の拡大を通して自治体のDX推進に貢献したい
SPIRAL®︎を導入して、どのような効果がありましたか?
当初に想定していたとおり、給付金の管理作業は滞りなく、スムーズに進みました。給付金申請管理システムは順調に稼働し、大きなトラブルもなく最後まで給付金管理を遂行し、導入先の自治体からも大変好評で安心しました。
また、誰にとってもわかりやすいシステムを構築できた点にも満足しています。このおかげで、改めて研修をおこなったり、マニュアルを作成したりする必要もなく、給付金管理の実務作業における教育コストも抑えられました。
加えてスパイラル社という、気軽にシステムの相談ができるパートナーがいてくれるのもありがたいですね。普段は私ひとりでシステムの検討や運用をしているので、いろいろなシステムを構築してきた開発担当の方に意見をもらえるのはとても心強いです。現在もいくつかご相談させていただいている事案がありますが、相変わらず親身になって並走してくれている感覚があります。スパイラル社と共同でシステム運用などの仕事に取り組むのは、気持ちの面で楽に感じますね。
今後、BPO事業でSPIRAL®︎をどう活用していきたいですか?
SPIRAL®︎を活用して取り組んでみたいこととして、大きく2つあります。
1つ目は、今回開発したシステムをほかの給付金事業にも横展開していくことです。アプリとしてそのまま移管もできるでしょうし、自治体様ごとや給付金の種類ごとにカスタマイズすることもできるので、汎用性高く活用することができると考えています。既存のシステムをベースにすれば、一から開発するよりも時間もコストも抑えられますしね。
2つ目は、ふるさと納税を取りまとめるシステムの構築です。SPIRAL®︎を使えば、異なるサイトからの申込データを一元管理するなど、煩雑化しやすいふるさと納税の受注業務を効率化するシステムが作れるのではと考えています。
今後の展望をお聞かせください。
自治体様のDX推進に、より一層貢献したいです。
現在はどの自治体様も、DX化に熱心に取り組んでいる印象があります。それに合わせて、我々が展開するBPO事業もさらに充実・拡大させていく必要があると考えています。今回導入したSPIRAL®︎は、高い可用性を備えつつ、スピーディーなシステム開発ができるので、行政向け支援事業との相性の良さを感じています。今まで以上に活用することで、より多くの自治体様のDX推進に貢献していきたいと思います。