(2024年01月11日掲載)
※企業情報・肩書などを含め、本事例ページに記載された内容は取材当時のものです。
導入事例
CUSTOMERSSPIRAL® で一元管理できる多言語問い合わせフォームを内製。オペレーションの課題も解決し、問い合わせ対応時間を90%削減!
インタビュー
INTERVIEWマテリアルハンドリングの専業メーカーとして、コンサルティングから設計、施工、アフターサービスまで一気通貫で行う株式会社ダイフク。同社は以前より、広報部にかかる問い合わせ対応の負担や、問い合わせフォームを多言語化できていないことに課題を感じていました。これらの課題を解決すべく、SPIRAL® によって問い合わせ管理システムを内製した同社広報部広報グループ 川村勇貴様に、SPIRAL® 導入の経緯と効果を伺います。
問い合わせメールの振り分け業務を広報部がすべて対応。
業務負荷が大きいだけでなく、返信までのリードタイム長期化にも
つながっていた
SPIRAL® を導入する前の課題を教えてください。
当社では、以前から問い合わせ対応について2つの課題を持っていました。
1つ目は、問い合わせに対応する広報部の負担が大きくなっていた点です。以前は問い合わせメールの確認から担当部署への振り分け、取り次ぎまで、すべて広報部が対応していました。そのため、問い合わせの数が多いときには振り分け作業が追いつかず、大きな負担になっていたのです。結果、担当部署への展開に時間がかかってしまい、返信へのリードタイムも長期化していました。
2つ目は、問い合わせフォームの多言語対応ができていなかった点です。当社はグローバルにビジネスを展開しており、世界各地から問い合わせが届きます。以前は日本語・英語以外のユーザーがフォームで離脱しやすい傾向が見られ、「問い合わせフォームの多言語化ができていないために、リードを取りこぼしているのではないか」という不安もありました。
問い合わせメール管理は、コーポレートサイト運用に利用していたCMSの機能を活用していましたが、当時に進んでいたサイトリニューアル計画の中でCMSリプレイスが決まり、ほかのシステムを探す必要が出てきました。そこで、抱えていた2つの課題もあわせて解決するべく、問い合わせシステム構築の話が動き出しました。
SPIRAL® ver.2を導入し、多言語対応の問い合わせ管理システムを内製。
異なる言語の問い合わせも同じデータベースで一元管理できるように
SPIRAL® を導入するに至った経緯を教えてください。
前述のコーポレートサイトのリニューアル計画では、具体的な改善ポイントとしてデジタルマーケティングの加速と顧客・ステークホルダーとの接点強化が掲げられていました。広報部でも、問い合わせシステム刷新による業務負荷の削減は必然と考え、課題であった問い合わせ対応時間の短縮化や、問い合わせフォームの多言語対応に向けた検討をおこないました。
最初はベンダーへの外注も検討しましたが、リニューアル計画の目的を達成するためには、刻一刻と変わる状況に対応するスピード感が必要だと考えました。そこで、臨機応変にシステム変更できるよう、外注ではなく内製でシステムを構築することにしたのです。
その後、システム刷新について相談していた日経BPコンサルティングの推薦もあり、SPIRAL® の導入を決定しました。
システム構築はどのように進めたのでしょうか。
最初にSPIRAL® で作成したのは、日経BPコンサルティングと共同で用意した「製品」、「製品以外」、「アフターサービス」の問い合わせフォームです。これを皮切りに、SPIRAL® 利用に関するトレーニングを社内で実施して内製の幅を拡げ、システムの構築を進めました。
問い合わせフォームの多言語化については、翻訳システム「WOVN.io」と連携し、ひとつのフォームで7言語に対応できるようにしました。問い合わせ内容のデータベース管理などバックエンドはSPIRAL® 、フロントエンドはWOVN.ioをそれぞれ活用することで、複数言語の問い合わせでも一元管理できる状態を実現したのです。
さらに、問い合わせ対応効率化のための細かなカスタマイズもおこないました。例えば、問い合わせ情報に地域・国の属性を持たせ、適切な現地法人・部署にメールを自動転送できるようにしました。また、対応ステータスのパラメータも追加し、問い合わせごとに最新のステータスを確認できるようにもしています。加えて、ユーザーへのフォローのため、フォームの入力内容に応じて、サンクスメールや通知メールの配信先・文面を細かく条件分岐できる機能も実装しました。
なお、現在はメルマガ会員サイトやオウンドメディアのアンケートフォームなども構築・運用しており、さまざまなシステムを内製化しています。
SPIRAL® で内製したシステムにより、問い合わせ対応・管理の効率化に成功。
問い合わせ対応にかかる時間を90%削減
SPIRAL® 導入による効果を教えてください。
まず、問い合わせ対応にかかる広報部の負担を削減できたことが大きな効果です。
メールの自動振り分け機能で、担当部署に直接問い合わせ内容を転送可能になったため、広報部による取り次ぎ業務が不要になりました。加えて、対応ステータスのパラメータ実装により、対応漏れの確認や進捗管理業務なども担当部署に移譲できています。
SPIRAL® 導入後、広報部が問い合わせ対応にかかっていた時間を約90%削減でき、大きな成果をあげたとして社内でも評価されています。
また、全社的な業務効率化の効果もありました。問い合わせのログをひとつのデータベースにまとめたことで、メールを一覧表示したり、分析したりが容易になったのです。「いつ、誰が、どのような対応をしたのか」というデータが手軽に参照できますし、リストのエクスポートもできるので、役員への報告資料作成などにおいても助かっています。
現在は問い合わせ内容がスムーズに担当部署へ伝わるので、返信までのリードタイム長期化も解消されています。サンクスメールや通知メールの配信先・文面を調整する機能とあわせ、ステークホルダーとの接点強化に大きく貢献できていると思います。
フォームの多言語対応による効果はいかがですか。
日本語・英語以外の言語に対応していなかった頃は、言語の壁によりフォームから離脱されているケースが Google Analytics の解析結果にも表れていましたので、その打ち手として多言語対応したことは離脱率低下につながっていると思います。また、SPIRAL® ver.2のデータベースが多言語に対応しているので、さまざまな言語の問い合わせに対しても、トラブルなくログを蓄積・一元管理できています。結果として、データ管理にかかる時間やコストを圧縮できました。
SPIRAL® のデータベースは高いセキュリティで守られているので、情報を管理するうえでも安心感を得られています。
SPIRAL® への率直な評価を教えてください。
システムの内製化も進み、当初に実現したかったことは現時点でほぼすべて達成できています。SPIRAL® のカスタマーサポートの方に支援していただいたおかげです。
複雑な条件でのアラート通知など、実装が難しい機能もサポートを受けつつ内製できました。自分で手を動かして開発したことで、システムそのものに対する知識が深められたので、改善施策の検討や実装に対するハードルが大きく下がりました。今では要件定義から実装まで自走できるようになったこともあり、社内で挙がる要望に対しても、認識のずれを抑えつつスピード感を持って対応できています。
運用と保守を担当する者としては、SPIRAL® には満足しています。
今後の展望を教えてください。
現状、社内でSPIRAL® の運用は私を中心に行っていますが、今後さらに活用するためには、体制を強化することが必要と考えています。 SPIRAL® は、ある程度のリテラシーがあれば直感的な操作でシステムを作れます。今後も優れたサポートを頼りつつ、持続性のある体制を構築していきたいですね。