大学院の出願システムに掛かる運用コストに課題感。
毎年の改修費用を抑え、内製化したい
SPIRAL® 導入の背景をお聞かせください。
亜細亜大学大学院の出願システムに掛かっていた運用コストを抑えたかったことがきっかけです。以前は亜細亜大学の学部が利用していた出願システムを利用していたのですが、出願を受け付ける窓口やデータベースが別々であったため、学部とは別に追加契約、導入していました。
出願システムは大手入試用に開発されたプラットフォームを利用しており、特にシステムの改修費用が負担になっていたのです。基幹部分はほぼ改修する必要はなかったのですが、入試日程、研究テーマごとに大学院生の指導を行なう指導教員の選択といった項目が毎年変わってきます。
年間出願者が100名ほどである大学院の出願に、年間200万円ものコストは限られた予算の中でも特に高すぎるのではと入試部内で課題感を持っていました。
以前のツールの場合は、ツール内に入学検定料の決済システムが組み込まれており、操作感も特別不満はなかったもののコストには見合っていなかったのです。そこでよりシンプルで必要項目だけに抑えられている出願システムを探すことになりました。
SPIRAL® 導入の決め手をお聞かせください。
実はSPIRAL® は以前、学外の方に向けたメールを一斉送信するシステムとして、2004年から2019年までの15年間利用していました。月に2本前後のメルマガを配信し続けており、SPIRAL® というツールに対する理解があったことから、今回お問い合わせさせていただきました。
なお、他社の開発プラットフォームとも比較検討を行なっていますが、コストが見合わなかったことから見送っています。
出願処理に必要な機能だけをシンプルにまとめて構築。
決済システム連携や志願票の印刷画面も
SPIRAL® でどのように出願システムを構築されたのでしょうか。
導入のスケジュールとしては、2021年秋(2022年新入生募集)からの稼働を予定していたため、2021年の3月にご相談しましたが、必要な機能でコストを抑えてくれると提案していただいたので3月中にすぐ契約しました。そこから8月のリリースを目指して開発が始まり、必要な機能に絞って実装を行いました。
まずは出願処理に必要な最低限のデータをダウンロードできるように設定しています。具体的には、フォームに入力された出願データから、どの試験を受けるのか、どこの研究科に所属したいのか、学歴や職歴、そして個人情報を一括ダウンロードできる仕組みです。
また、出願から入学検定料の支払いまでをシステム化することも重要でした。今回、入学検定料の決済システムはSPIRAL® と外部の決済システムを組み合わせて構築しました。目的であるコスト削減と利用者の利便性を考え、クレジットカードとPay-easyの支払い機能を実装しています。どの試験を受けるか選択いただいた後に決済方法が選べるようになっており、Pay-easyの支払いを選択いただいた場合は、Pay-easy用の支払い番号が表示される仕組みです。
その他の開発時の工夫としては、郵送で出願する際に必要となる書類の印刷画面を表示しやすくなったことが挙げられます。以前から使用している書類のフォーマットがあり、そのレイアウトに沿った印刷画面を制作していただきました。
出願者視点では、どのような出願システムに変わったのでしょうか。
基本的な流れに大きな変更はありません。出願者が登録フォームから入力すると、出願用のマイページが作成されます。その後、マイページ内で受験したい試験を選択、情報を入力することで出願が完了します。出願完了後には、外部の決済システムへのリンクが表示されますので、そのままシームレスに入学検定料の決済まで完了できるというフローです。
出願後はマイページ内にて志願票をHTML形式で表示できますので、それを印刷して郵送するだけとなっています。
年間外注コストを大幅に削減!
毎年の更新が必要な出願システムをほぼ内製化へ
導入後の成果をお聞かせください。
一番の成果は、年間200万も掛かっていた出願システムの固定費用と改修費用が、100万近くまで抑えられたことです。今年度は、SPIRAL® の導入費用が掛かっていたので、来年度以降はより一層のコスト削減を見込んでいます。
また、以前のシステムの場合は、わざわざツールの担当者にお願いをして修正していたために時間も費用も掛かっていました。
SPIRAL® を導入したことによって私一人で修正できる箇所が増え、修正時間と費用が削減されています。出願システムの柔軟性が高くなったことで、細かい登録情報の修正がやりやすくなり、通常業務と並行してメンテナンスができていることもポイントです。
加えて、設定方法でわからない点があっても、パイプドビッツ社のご担当の方にすぐ相談できるので、安心感があります。
決済システムに関しては、Pay-easyの支払い履歴を出願情報と突合させる手作業こそ増えましたが、年間100人ほどの出願者数ということを考えると、トータルではコスト削減に繋がっています。
今後の展望についてお聞かせください。
規模が小さくて予算が限られている教育機関にとっても、SPIRAL® であれば低コストで出願システムを構築できますので、おすすめできるかと思います。
今回はスモールスタートで実装したこともあり、次年度は管理機能のブラッシュアップを行っていきたいです。その際にも、パイプドビッツ社のご担当者にご相談させていただきますね。