急速なデジタル化を背景に、短納期かつ高セキュリティが求められる案件が
増加するものの、対応できる術が少なく機会損失が発生していた
貴社事業で課題に感じていたことを教えてください。
官公庁や金融系のお客様から、今すぐにでもWebサイトの制作やシステム構築に対応してほしい、といったスピード感を重視したご相談をいただくことが多くなりました。この背景には、国が推進しているデジタル化やキャッシュレス事業へ対応するため、各種受付サイトやシステム、キャンペーンサイトを期日までに構築したいというお客様の事情があります。
また、官公庁や金融系のシステムではエンドユーザーの個人情報を取り扱うため、高いレベルのセキュリティ対策も求められました。お客様にとって価値あるソリューションをご提供するため、弊社のBPOサービスと組み合わせてシステム構築できるプラットフォームを探していました。
SPIRAL® 導入以前は、お客様からのシステム構築のご依頼にはどのように対応していたのでしょうか。
SPIRAL® のような開発プラットフォームを導入する以前は、お客様のご要望にあわせてフルスクラッチで開発、構築していました。とはいえ、弊社の開発リソースも限られており、繁忙期にはお客様からのご依頼をお断りせざるを得ない場合もあったのです。当然、弊社にとっては大きな機会損失になります。
弊社はBPOを事業の柱としており、これまで紙媒体の内容をデータ化し、そのデータを整形してお客様の基幹システムに納入するといったサービスも手掛けてきました。
しかし昨今はデジタル化が進み、Web上からデータを取り込んでいくことも増えているため、オンラインでお問い合わせや各種申請を受け付けられるプラットフォームを開発し、副次的なサービスとしてご提供できないかと考えていました。
BPOサービスを遂行するうえで、どのようなニーズにも対応できる便利なツールとしての開発プラットフォームを求めていたのです。
40社を超える官公庁や金融系のお客様に、メール配信機能や画像アップロード機能をフル活用した受付管理システムをSPIRAL® で高速開発
ツールの導入にあたって、他社との比較検討は行いましたか。
SPIRAL® を導入した2014年当時は、比較対象となるようなローコードで開発の手間が掛からない他社ツールはなかったと記憶しています。
多くの開発プラットフォームはローコード開発ではなく、開発スケジュールが1年ほど掛かるような中長期・大規模案件向けサービスが中心でした。弊社の場合、システムを構築、納品するだけでなく、メインのBPOサービスと組み合わせてスピーディーに対応する必要があったため、ミスマッチだったのです。
ツールの導入にあたって、どのような要素を重視しましたか。
弊社のBPOサービスと組み合わせる案件では、実際に業務を担当するスタッフが利用しやすいことが重要です。
アプリケーションから各種データを取り出すために必要な機能が揃っていたこと、テキストデータだけでなく、画像データも取り込めることに魅力を感じました。エンドユーザーから送られてくるテキストデータや申込書の写真を確認、整理できるという点は、開発プラットフォームの中でも高い機能性を有していると思います。
また、パイプドビッツ社はSPIRAL® を国内で自社開発していることもあり、レスポンスが良く、細かくサポートいただける安心感がありました。
トライアルとしてSDP会員に入会させていただき、お客様へのご提案にもマッチしたので、SPIRAL® の導入を決定しました。
これまでお客様にご提供してきたサービスの一例をお聞かせください。
これまでの実績として、4~5年間でおおよそ40社との取り組みでSPIRAL® を活用してきました。ほとんどの案件で、エンドユーザー向けの受付管理システムを構築しています。
官公庁のお客様では、給付金の申請状況や申請内容を市民がオンラインで確認できるシステムを構築しています。金融系のサービスでは、キャッシュレス推進事業の加盟店様向けに、キャッシュバックの受付管理システムをSPIRAL® で構築しました。
弊社が構築した受付管理システムの特徴は、申請に必要な書類の画像データをアップロードしていただくと、弊社のBPOサービスでデータを入力し直す工程を組んでいることです。
本来はエンドユーザーがさまざまな項目を手入力する必要があるのですが、フォームへの入力の手間を減らすことで、申請画面での離脱を防ぐことができました。
また、エンドユーザーのなかには申請条件に当てはまらない書類のイメージデータを提出される方もいらっしゃいます。そうした方へはBPOのコール部門からお電話にて、申請までの流れをサポートするといったサービスを提供した実績もあります。
SPIRAL® で特に活用されている機能をお聞かせください。
メール配信機能をよく活用していますね。BPOサービスを提供する一環で、対象のセグメントに向けてご案内メールを配信することが多々あります。受信者の属性やステータスに合わせたメールマーケティングを実施できる点は便利だと思います。
強固なセキュリティを担保したBPOサービスと受付管理システムの立ち上げを短納期で実現。当該サービスの売上成長は2倍に
SPIRAL® やSDPプログラムへのご感想をお聞かせください。
SPIRAL® 導入当初に、活用セミナーに参加させていただいたことを覚えています。それだけでなく、メールや電話でのお問い合わせにも、いつも非常に親切に対応いただいています。
ツール自体の操作も比較的わかりやすいため、一度使いこなせるようになれば操作に迷うことはありません。新しく入社した社員にはSPIRAL® の使用方法をレクチャーしていますが、そこでも大きな問題は起きていません。
導入後の成果をお聞かせください。
以前の忙しい時期は、お客様からのご依頼をお断りせざるを得ない場合もありましたが、SPIRAL® 導入後は開発に掛かるリソースを削減できたことで、案件を確実に受注できるようになりました。
その結果、BPOサービスに組み合わせて受付管理システムの構築をお客様に提供できるようになり、私が担当するマーケティングサポートBPOサービスとしては、売上規模が2倍になっています。もちろん、SPIRAL® の導入以外の要因も寄与していますが、SPIRAL® で構築した受付管理システムの保守運用やデータ収集といったサービスオプションがあることは、間違いなくビジネスに好影響を与えています。
エンドユーザーとのコミュニケーションが円滑になったり、エンドユーザーの満足度が向上したりといったメリットは、お客様も感じているのではないでしょうか。また、システムやWebサイトの実装までのリードタイムが縮んだことで、プロジェクトが円滑に進むようになりました。
緊急性のあるご依頼案件のなかには、官公庁の市民向けシステムの構築といった社会的意義の大きな案件もあり、SPIRAL® を活用して無事に業務終了できたことに経営陣も安心したと聞きました。
今後の事業展開についてお聞かせください。
弊社はデジタル(IT)技術を駆使したBPOサービスにより、お客様のDX推進をサポートしていきたいと考えています。弊社の「人」によるBPOサービスとSPIRAL® の「IT」を掛け合わせてお客様のDXを支援し、その先にいるエンドユーザーの負荷を今後も減らしていきたいですね。
ぜひ今後も、SDP会員としてパートナーシップを強化させていただき、お客様の課題解決に一緒に取り組んでいきたいと考えています。