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システム開発プロジェクトにおける、クラウド化のメリットは?

掲載日:2017年5月12日更新日:2024年2月21日

Web開発・制作会社、SIerへのクライアント及び広告代理店からのニーズとして、スピード感が求められるようになってきています。

また、顧客の各種データを利用するため、複雑なデータの連携・行動に合わせてリーチできる仕組みなど、提供するシステムも複雑化してきております。

こうしたニーズに対応するためのキーワードが「クラウド化」です。 インターネット経由で必要なWebサービスをオンデマンドの形で調達したり、外部システムと連携したりすることで、ニーズに合わせたシステム開発がやりやすくなっています。

ここでは、システム開発における課題やクラウド化の影響(メリット)を中心に、クラウドについてご説明します。特に、従来のシステムを表現する「オンプレミス」と比較する形で述べていきます。

システム開発とクラウド化の関係

クラウド化とは、一言で言うと「クラウドサービスを利用すること」です。 クラウドサービスとは、ネットワーク経由でITインフラや開発環境(プラットフォーム)、あるいはソフトウェア(アプリケーション)を利用することです。

従来の情報システムは「オンプレミス」と呼ばれています。企業で言うと、かつては自社オフィスの中にコンピューターやサーバー、ストレージなどの設備を設置して運用することが当たり前でした。

Webサービスを利用したければ、まずは環境整備に巨額の費用とかなりの期間(数か月以上)を要していました。

クラウド化とは、要するに「オンプレミス」のシステムを刷新し、クラウド経由で利用するようにすることを指しています。サービスは、一般的なWebブラウザで簡単に使用できます。

極端な話ですが、シンプルなコンピューターを利用するだけであれば数分から数日で対応可能です。IT投資のスピード感が、劇的に変わっているのです。 こうした動きを背景として、システム開発もクラウド化によって大きな影響を受けています。

たとえば、クラウドのサーバーやプラットフォームを導入すると、安定した開発環境を低コストかつオンデマンドで活用できるようになります。

オンプレミス vs. クラウド

しばしば、クラウドはオンプレミスと対比して説明されます。 オンプレミス型のシステム環境では、サーバー構築一つにしても多大な手間とコストがかかります。

利用規模や必要なデータ量を見積もり、見積もったニーズや予算などの制約を考慮しつつサーバーを考慮し、サーバーを設置するためのフロアを用意し、サーバー冷却など必要な付属設備を準備し、サーバーを設置して運用する必要があります。

オンプレミス型システムの問題点は、コストや導入までの期間だけではありません。企業経営から見ると、オンプレミス型のシステムは資産ではありますが、毎月サーバー運営費が固定費としてかかります。また、万が一障害や災害が発生したときも、自社内で何とか対応しなければなりません。専門的なノウハウと迅速な対応が求められます。 もちろん、オンプレミスにはメリットもあります。自社で構築するので、ニーズに応じてカスタマイズが容易です。

一方、クラウド型のシステム環境は、システムを開発した外部企業(ベンダー)のサービスをネットワーク経由で利用することになります。導入コストや期間が少なくて済むのが、最大のメリットです。

サーバー運営のためのフロアや人員も必要ないので、ランニングコストはベンダーに支払う月額料金だけです。 障害や災害が発生したときも、ベンダーが復旧作業を行います。自社で作業する必要はありません。

インターネットや電話などで復旧を待っているだけでOKです。 一方、オンプレミス型よりカスタマイズ性に欠ける点はあります。すでに構築されたサービスを利用しますので、自社のニーズに合わせて自由にシステムを組み替えるのは難しい面があります。

ただ、「IaaS」と呼ばれるインフラサービス利用型のクラウドであれば、自由度が上がります。 こうしてみるとクラウド化した方がよいように思えますが、あくまで自社の状況を踏まえて判断するべきです。特に、現状のシステムがあまりに複雑で自社に極度に最適化されている場合は、クラウド化が難しいことも多いです。規模の大きな企業であればあるほど、クラウド化の判断は難しくなります。

細分化・恒常的な変化を続ける消費者ニーズ

クラウド化を後押しするのは、単にシステム的な要件だけではありません。消費者ニーズの移り変わりも、システム開発におけるクラウド化を促しています。 消費者の得られる情報が膨大に増えたことで、商品に対するニーズも高度化していきました。

特に、スマートフォンの普及によって自宅やオフィスのみならず、どこでもいつでもコンピューターを利用できるようになったことが大きいです。

スマートフォンの普及率が2015年末で72.0%(平成28年版情報通信白書)。Twitter、LINE、FacebookなどのSNS利用者の増加により、消費者自身が情報を発信し、SNS内のコミュニティで自分が欲しい情報を取得しやすい環境ができあがってきました。

高度化する消費者ニーズに対応するためには、企業のマーケティング施策にもスピード感が求められます。自ずとWeb開発にもスピードが必要となる中で、高いコストと長い期間を必要とするオンプレミス型には、困難な面が出てきています。

進化する広告手法と課題

その中で、アドテクノロジーの向上により各サービスプロバイダーから最新のツールが登場し、有益に利用することでone to oneマーケティングで成功を収める企業も増えてきています。

しかし、旧来のシステム開発方法では、壮大な戦略を「企画」し、会社に企画と予算を「申請・承認」をもらい、ベンダーと「詳細設計」ののちに、フルスクラッチで「構築」しなければならず、時間と予算を大きく使うことになる上に、完成したらすでに古い手法になっていたなんて話もよくあります。

さらに、オンプレミス型のシステムとなると、他社ツールとの連携にも大変な工数を必要とします。 そのため、スピード開発・各種ツールの連携による、あるものを有効活用するクラウド連携が近年増加してきています。

ビジネスから見たクラウド化のメリットとは?

消費者ニーズの変化を踏まえ、ビジネス面からクラウド化のメリットを再吟味してみると、やはりスピード感や連携性ということになります。 クラウド化することで、システムのスピード感もビジネスのスピード感もグッと向上します。

インフラや開発環境を導入するときだけではなく、運営に際してもスピード感が向上します。一時的に必要となるデータ量が増えても、クラウドであれば大きな問題はありません。

サーバー増強のような対応を考えなくてよいのはメリットでしょう。MA(マーケティングオートメーション)やCRM、SFAなどインターネットを活用する形で顧客情報を収集し、マーケティングや営業の生産性を高める施策が多くなっています。

ビジネス面でも、状況に合わせて柔軟に対応できます。 外部システムとの連携という意味でも、クラウド化にはメリットがあります。

オンプレミスだと、同一ネットワークで接続された社内システムとの連携は容易であるものの、他社システムやツールなどと簡単に連携することはできません。

ビジネス的に明らかなシナジーが望める他社システムであっても、連携するより類似したシステムを社内で新規開発した方がよい可能性すらあります。

クラウド化すると、他社システムとの連携がしやすいです。ニーズに合わせて、他社の力を自社システムに取り込む戦略が、現実的に可能となります。

クラウド連携の鍵は?

連携に際しては、システム選定が重要です。

たとえば、

  • 中心となるデータベースを持つシステムの自由度が高い
  • 連携するためのAPIなどが公開されている
  • ベンダーロックインに陥っていない

などの条件が挙げられます。

データベースの自由度が高いことで、自社のデータ要件に合わせたデータベース構成をしやすいです。またAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)が公開されていると、外部から利用しやすくなります。

「ベンダーロックイン」とは、特定ベンダーの独自仕様に大きく依存することです。この状態に陥っていると、ユーザー側としてはリスクがあると言えるでしょう。

サーバー環境構築も必要なく、最低限の開発を行い、すでにあるサービスと連携し、短期間でサービス提供が可能です。

こうしたクラウド化のメリットを最大限享受するためには、自社のビジネスに適したシステム選びが必要となります。 スパイラル®もクラウドサービスの一つですが、やはり導入が短期間で済みます。

データベースやWebツールなどもすぐ使えるようになります。クラウド化のメリットを享受することで、実際に顧客や開発パートナーが増加・短納期を実現しています。

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