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電子申請とは?システムでできること・導入手順や事例を紹介

掲載日:2021年7月29日更新日:2024年2月21日

自治体などで導入が進みつつある電子申請システムを利用したことはありますか。システムを導入すると、一体どんなことができるのでしょうか。電子申請システムでできること、よくある悩みと解決方法、導入手順や注意点について説明します。

電子申請とは?

電子申請とは?

電子申請とは何か、電子申請システムでできることについて説明します。

電子申請とは何か

電子申請とは、これまで行政機関などの窓口まで行き、紙媒体の申請用紙に記入して書面によって行っていた申請や届け出の手続きを、インターネット上で会社や自宅のPCやタブレットやスマートフォンから行うことです。また、地方公共団体でも、さまざまな申請・届け出・申込み手続きが電子申請で行えるところもあります。行政機関への電子申請の実施方法には、政府が運営する行政情報ポータルサイトであるe-Govによる申請と、外部連携API対応ソフトによる申請の二種類があります。

e-Govによる申請の場合は、e-GovのWebサイトから直接入力することで申請が可能です。ただし、Webサイト上で1件ずつデータを入力しなければならない手間が発生してしまいます。個人的に申請するようなケースではよいのですが、会社の業務として数多くの件数を申請するときの労力はとても大きくなります。

一方で、外部連携API対応ソフトを利用する場合は、申請データ作成と申請業務をすべてソフトウェア上で行えます。入力フォームも使いやすいように設計されています。しかも、すでに社内のデータベースでデータ化されている情報を活用して申請業務を行える利点がありますので、e-Govによる申請と比べると業務を効率化できます。また、クラウド型の会員管理システムを提供しているASPサービスを利用して、企業や団体独自の電子申請システムを構築する方法もあります。

電子申請システムでできること

電子申請システムでできることは、厚生労働省、国土交通省、金融庁、経済産業省などが所管するさまざまな行政手続きです。たとえば、登記、国税、労働保険、社会保険などの手続きがインターネット上で行えます。電子申請が利用可能な手続きは増加してきていますが、すべての手続きに対応しているわけではありません。どの申請手続きが電子申請に対応しているのかを確認した上で申請する必要があります。

また、地方自治体などが開催するイベントの申し込み、健康診断の申し込み、各種住民アンケートの回答、公共図書館で購入希望の本のリクエストなどが行える場合もあります。

電子申請とは?メリット・デメリット、活用のコツや注意点を解説

電子申請システムを導入する必要性

電子申請システムを導入する必要性

電子申請システムを導入する必要性について説明します。

業務効率化

電子申請システムを導入する必要性の1点目は、業務効率化です。

第一に、行政の窓口に出向く必要がなくなるため、移動時間も待ち時間もなくなります。そのため、人件費や交通費が削減できます。会社や自宅や遠隔地などどこにいても申請が可能です。

第二に、行政の窓口対応時間を気にせず、いつでも申請することが可能になります。夜間や休日でも手続ができるので便利です。

第三に、書類作成の手間が少なくなります。書類を手書きし押印するのではなく、PC入力で完結できます。

第四に、申請後に、申請の処理状況、提出機関からの通知などをWeb上で確認できます。

第五に、申請した管理情報を社内で共有できるため、業務の引き継ぎがしやすくなります。このようにさまざまな点において業務効率化が進みますので、現在電子申請が義務化されていない中小企業においても、電子申請を導入することにはメリットがあります。

リモート化の推進

電子申請システムを導入する必要性の2点目は、政府によるリモート化、電子政府の推進です。この流れの中で、2020年4月から、投資法人、相互会社、特定目的会社、資本金1億円以上の大規模法人の社会保険電子申請が義務化されました。

具体的には、健康保険・厚生年金保険の被保険者報酬月額算定基礎届など、雇用保険の被保険者資格取得届や育児休業給付支給申請など、労働保険の年度更新に関する申告書などの一部の手続きは電子申請をしなければなりません。また、行政が合理化、効率化、透明性の向上、国民の利便性の向上を推進しているため、今後、中小企業にも電子申請の義務化が適用されていく可能性があります。

申請受付業務でよくある悩み

申請受付業務でよくある悩み

申請受付業務の現場において、よくある悩みについて説明します。

応募受付の手間

申請受付業務においては、申請や応募を受付する手間がかかります。まず、窓口では、申請者を受付番号順に呼び出さなければなりません。呼び出しても来ない人もいます。時には、間違った窓口に提出しようとしている人もいますから、その場合には正しい窓口を教えます。次に、提出された申請書を確認します。記入漏れや書類の不備を確認し、申請者に伝えます。必要に応じてその場で訂正してもらいます。また、手書きの書類なので判読できない場合もあり、書き直してもらいます。申請書が確認できたら、行政のデータ管理システムで本人のデータを確認し、申請の内容を入力しなければなりません。

さらに、受け付けた書類を保管・管理します。申請書が郵送されてきた場合は開封し、同様に確認・入力・保管・管理しなければなりません。また、アンケート調査を行い、その回収受け付けを担当している場合は、まず、アンケートが正しく記入されているかどうかを確認します。

その上で、回答項目や回答者の属性をPCに入力していきます。自由回答欄があるアンケートならば、記入されている文言も入力しなければなりません。アンケート内容をデータ化できて初めて、集計・分析に取り掛かれます。

申請に不備のあった場合の再提出

提出された申請に不備があった場合は、再提出を求めなければなりません。窓口で受け付けた場合には、その場で訂正してもらいます。しかし、添付書類に不備があった場合などは、再提出してもらわなければなりません。再提出の手順を申請者に伝えます。郵送されてきた申請書に不備があった場合は、さらに手間がかかります。

まず、申請者に電話連絡をして、書類に不備があったことを伝えます。その際も、電話が繋がるとは限りません。連絡が取れるまで、何度もかけ直さなければなりません。連絡が取れたら、どのような点に不備があったのか、その不備をどう直して、いつまでに再提出しなければならないのかを説明します。その際に申請者から質問があれば対応しなければなりません。以上の手順をすべての案件に対して行います。

個人情報管理のセキュリティ

申請受付業務において万全を期さなければならないのは、個人情報管理のセキュリティです。申請書には個人情報が記載されているので、取り扱いには注意が必要です。

まず、申請書をデータ化するときに、入力ミスのないようにしなければなりません。入力後は行政のデータ管理システム内でのセキュリティが重要です。さらに、書類としての申請書の管理・保管にもセキュリティ対策が必要です。業務に必要な担当者が必要時だけ手に取れるようにして、それ以外は、不特定の人物がアクセスできないよう厳重に管理しておかなければなりません。データ上のセキュリティと、紙媒体の書類の物理的セキュリティという、二重の個人情報管理セキュリティが必要です。

申請受付業務でよくある悩みの解決事例

申請受付業務でよくある悩みの解決事例

申請受付業務でよくある悩みを電子申請システムによって解決できた事例を紹介します。

解決事例 その1 アンケート調査・申込管理

アンケート調査・申込管理の業務における悩みを、電子申請システムによって解決できた事例を紹介します。

多数の企業を顧客会員として抱えているある財団法人では、顧客ニーズの把握のためのアンケート調査を、郵便やFAXなどオフラインで行っていました。アンケートをアンケートを実施してから回答が届くまでのタイムラグもあり、調査結果が届いてからも、データ入力・集計業務に時間がかかっていました。しかも、調査内容によっては、集計ができた頃には情報が古くなっていることすらありました。そこで外部委託を試みたところ費用がかさみ、しかも些細な修正にも時間を要し、結局調査回数を減らすことになってしまいました。

また、交流会や説明会の参加者情報の確認も同様にオフラインにて行っていましたが、やはりコストと手間がかかっていました。そこで、情報セキュリティの管理体制のしっかりとしたクラウドサービスを顧客の情報管理ツールとして導入することにしました。新しいシステムでは、まず、顧客への一斉メール配信を行います。その文面には、交流会への申し込みフォームのURLが記載されています。

申し込みの結果は、交流会出欠管理データベースと連動しています。交流会終了後には、参加者に対してアンケートフォームのURLを記載したメールを配信します。その回答結果もデータベースに蓄積されます。今までは郵送やFAXで届いた情報を、PCに手入力してデータ登録していました。

しかし、もともと電子データとして情報が届いて一元管理できるようになりましたので、手間はかなり削減されました。また、Webアンケートは自前で作成するので、アンケート項目も柔軟に追加や削除が行えます。しかも、アンケート結果をリアルタイムで確認できるので情報が新鮮な内に、業務の改善に繋げられるようになりました。

解決事例 その2 Web投票・審査

Web投票・審査の業務における悩みを、電子申請システムによって解決できた事例を紹介します。

ある小売業の大手企業では、クリエイターを発掘するための作品公募イベントを開催していました。これまでは、作品の応募はWebフォームから受け付けしていましたが、投票は投票用紙を回収して行っていましたそのため、回収・集計に大きな手間がかかっていました。Web投票を実施したところ、投票フォームと連動したデータベースの活用により、集計や審査もスムーズに進められました。また、SNS発信による情報拡散も要因となり、投票数が増加しました。審査もオンラインで行ったため、遠隔地の社内スタッフも参加できました。

解決事例 その3 申込書・願書

申込書・願書の業務における悩みを、電子申請システムによって解決できた事例を紹介します。

ある大学では、学生の海外研修プログラムのための申込書や奨学金の願書を手書きの書類で受け付けていました。添付される志望理由書なども手書きでした。管理・運用のためにそれらのデータをすべてPCに入力しており、1回の募集に対する作業に3日間を費やしていました。さらに、手書きであるため文字を判別するのが難しい場合がよくありました。その度に、学生に電話をかけて確認を取る手間が発生していました。

また、申込書や願書を提出するタイミングで記入漏れやミスが見つかった場合には、学生を呼び出し、手直しをしてもらわなければなりませんでした。そこで、申し込みのためのWebフォームを構築し、オンラインで参加申込書と奨学金願書を入力できるようにしました。入力完了画面では、入力した内容をPDF帳票で出力できるので、学生が自分で内容のチェックができるようになりました。

フォーム入力後でも不備や入力ミスを見つけた場合に、一定期間までは学生側で修正できるようにしました。オンライン化したことによって、大学側も学生側も手間がかなり削減されるようになりました。申し込み受け付け後の大学事務局の手入力はなくなり、入力ミスやチェック作業もなくなりました。

その結果、紙ベースの頃は3日程度かかっていた作業時間が、フォームデータをダウンロードするための10分程度へと短縮できました。さらに、海外研修プログラム終了後の学生からの報告書提出についても紙ベースから電子化に移行したので、回収の手間もなくなり、学生も長期休暇期間中に大学に出向いて書類を提出する必要がなくなりました。

電子申請システムの導入手順

電子申請システムの導入手順

電子申請システムの導入手順について説明します。

電子申請システムのサービスを選択

政府が運営する行政情報ポータルサイトであるe-Govによる申請の場合は、e-GovのWebサイトから直接入力することで申請が可能です。外部連携API対応ソフトを利用する場合は、ソフトウェアを選択しなければなりません。また、クラウド型の会員管理システムを提供しているASPサービスを利用して、企業や団体独自の電子申請システムを構築する場合は、ASPサービスを選択します。その際には、ASPサービスによって機能やセキュリティが異なる点に注意しましょう。

電子申請システムの利用契約

外部連携API対応ソフトやクラウド型の会員管理システムを提供しているASPサービスを選択したら、利用契約を行います。あとはそれぞれに定められた手順に従い、電子申請システムを構築していきます。カスタマイズが可能である場合は、利用する目的に応じてシステムを最適化します。

電子申請システムの構築

電子申請システムの構築のポイントは、データベースとどのように連携させるかです。申請者の個人情報や申請内容をデータベース化し、場合によっては次回の申請時にも活用します。また、アンケートであればその回答結果を集計・分析するために、やはりデータベース化が必要です。申請受け付け業務の効率化だけではなく、受け付け後のデータ処理まで見据えたシステムを構築するべきです。

電子申請システム導入時の注意点

電子申請システム導入時の注意点

電子申請システム導入時の注意点について説明します。

導入の目的を明確にする

電子申請システムを導入する場合、導入の目的を明確にしておかなければなりません。業務のどの作業を効率化したいのかを整理し、そのために最適なシステムを構築していきます。導入することそのものが目的と化してしまわないよう注意が必要です。

入力者と受付者の利便性を整理する

入力者と受付者の利便性を整理することも重要です。申請者が、入力・申請を行いやすい、シンプルなシステムであることが必要です。また、プルダウンや入力ミスチェックなどの入力を支援する機能の付加も検討しましょう。受付者の立場からは、申請された事項を集計・処理しやすいこと、システムが安定していること、盤石なサーバであることも必要です。さらに、入力者と受付者の双方に必要なのは個人情報を漏洩させない強固なセキュリティです。

セキュリティを確認

電子申請システムでは個人情報を扱うので、不正アクセス・情報漏洩を防ぐ、万全のセキュリティが必要です。データセンターには、防火対策、防水対策、耐震対策、電源対策、空調対策などに加えて、侵入者を防ぐ物理的な防犯対策、24時間体制のサイバー攻撃対策などの安全対策が必須です。そのほかにも、バックアップ体制、暗号化などを確認して、セキュリティ対策がしっかりとしたサービスを選びましょう。

システムの安定性が必要

電子申請は、短期間に多数の申請が集中してしまうケースがあります。そのため、システムの安定性が求められます。また、容量を超えるアクセスの集中が発生した場合に、アクセスをコントロールしてシステムダウンを防ぐ対策があれば万全です。

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まとめ

電子申請とは、これまで行政機関などの窓口まで行き、紙媒体の申請用紙に記入して書面によって行っていた申請や届け出の手続きを、インターネット上で会社や自宅のPCやタブレットやスマートフォンから行うことです。電子申請システムを導入する必要性は、業務効率化と政府によるリモート化の推進です。申請受付業務でよくある悩みは、応募受付の手間がかかること、申請に不備のあった場合の再提出が必要なこと、個人情報管理のセキュリティです。それらの悩みを電子申請システムによって解決できた事例があります。

電子申請システムの導入手順は、電子申請システムのサービスを選択、電子申請システムの利用契約、電子申請システムの構築です。電子申請システム導入時の注意点は、導入の目的を明確にすること、入力者と受付者の利便性を整理すること、セキュリティの確認、システムの安定性です。電子申請システムを導入して、業務効率化を進めましょう。

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