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Web完結とは|金融機関の顧客接点における導入メリットや注意点を解説

掲載日:2021年7月26日更新日:2024年2月22日

「Web完結」は、主に金融関連のサービスで用いられる用語です。店舗で対面で行っていた手続きを不要にし、文字通りWebで完結できるため、導入する企業は増えてきています。そこで今回はWeb完結の定義から、メリットやデメリット、具体的な導入手順と注意点について解説していきます。

Web完結とは?

Web完結とは?

最近よく耳にするWeb完結。一体Web完結とは何なのでしょうか。Web完結の定義と、近い言葉との違いを解説していきます

来店不要でWebのみで申し込める手法

Web完結とは、ローン契約等における申し込みから契約締結に至るまでをインターネット上でおこなうことを指しています。

申し込み、信用情報の審査、身分証明書などの書類提出、契約手続きまで、すべてオンラインで完結し、ユーザーがお店まで足を運ぶ必要がありません。多くの銀行や消費者金融などで採用されています。ただし一部の銀行のWeb完結では「来店不要で契約」できることのみを指す場合があります。

Web完結で利便性があがるユーザー層

Web完結が便利であることに間違いはありません。具体的にどのようなユーザー層がWeb完結を好むのかを把握する必要があるため、解説していきます。

まず、すぐにでも申し込みをしたいと考えているユーザーです。緊急性がある場合、スピーディーに処理が完了するWeb完結は非常に便利です。また、パソコンやスマートフォンを難なく使用でき、ゆっくり自分のペースやタイミングで申し込みを進めたいユーザーにとってWeb完結は利便性が高いものです

また、家族など身内に知られずに申し込みをしたいユーザーも対象に挙げられます。家族に話したくない事情がある方にとっては、郵送や来店などが不要で申し込みが行えるWeb完結は重宝する手段になります。

Web完結の導入のメリット

Web完結の導入の必要性

書面からWeb上での契約に切り替えを行った場合、契約更新の確認漏れ、リモートワーク対応、受付〜契約締結までの作業効率化など考えられます。そこで今回は特に大きな変化を与える2点に関して、以下説明していきます。Web完結の導入のメリットはどういったものがあるのでしょうか。

事務作業の効率化が図れる

Web上での完結にした場合、契約書をデータとして保管することが可能です。また、データとして保存することで、検索性が向上し、契約書類の閲覧も容易になります。

一方、紙の契約書の場合、原本をファイリングし、保管するスペースが必要です。また、紙媒体であるため、保管スペースの入退室管理やアクセス制限など情報漏洩の対策が必要となります。

印紙代などコストの削減

収入印紙を貼るコストと労力を削減できます。印紙代は契約内容や契約金によって異なりますが、最大数十万円かかることもあります。多くの契約を結ぶ企業ほど大きな負担になることは間違いありません。電子契約に切り替えれば、契約書は「課税物件に掲げる文書」ではなくなるため、印紙税が不要になります。

また収入印紙の貼り忘れを防ぎ、過怠税として印紙税額の3倍の金額を払わなくてはならないリスクを回避することもできます。また、契約書の印刷や印紙の貼付、封入、郵便まで一連の工数を削減できます。

電話やメールなどのやり取りの必要なし

電話やメールでの連絡が基本的に不要です。ユーザー目線で見ると、電話連絡やメールの確認などは後回しにされてしまいがちなため、Web完結を導入すればユーザーの手間を大きく削減できます。

Web完結の導入デメリットと対策

Web完結のデメリット

メリットをお伝えしてきた一方で、デメリットも当然存在します。以下解説していきます。

ユーザーが自力で手続きを行う必要がある

Web上ですべて進めていくので、ユーザーが手続き中に金融機関に対して直接質問などをすることができません。記入事項が何度もエラーになってしまったり、どうしても聞いてから進みたい重要なことがあったりした場合でも、ユーザーが自力で解決して進めるしかありません。基本的には説明を読めばわかりますが、万が一わからない事項がある場合もあります。

手続きをスムーズに行えるよう、使いやすい申し込みフォームの構築やヘルプページの用意、電話問い合わせ窓口の設置などが対策として考えられます。

Web完結に関わる法改正

Web完結の借入までの流れ

近年、Web完結の重要な要素である本人確認などについて定めている犯収法の改正により、Web上で行える取引の範囲が変化しています。以下にて詳しく解説します。

「犯収法」とは

犯収法とは「犯罪による収益の移転防止に関する法律」のことを指しており、マネー・ローンダリングやテロ資金供与防止を目的として、特定の事業者が取引する際の本人確認等について定められている、2007年3月に定められた法律です。

対象の事業者は?

法令の対象となる特定の事業者は、金融機関のほかにも、宝石・貴金属取扱事業者や、電話受付代行業者、弁護士など多岐に渡ります。また金融業界の中でも下記の3つの特定の事業者で犯収法が適用されています。

・金融機関等(第1号から第37号までに掲げる者)
・ファイナンスリース事業者(第38号に掲げる者)
・クレジットカード事業者(第39号に掲げる者)

直近の数年間で2度の改正

平成30年11月30日と令和2年4月1日に犯収法が改正され、非対面での自然人の本人確認方法が大幅に変更されました。

・平成30年11月30日「オンライン完結の本人確認方法が追加」
・令和2年4月1日「本人確認方法の一部厳格化 他」

それぞれ詳しく見ていきます。

平成30年11月30日の改正内容

eKYC(以下、electronic Know Your Customer)と呼ばれる、オンライン上で完結する本人確認方法が認められるようになりました。「eKYC」を知る前にまずは「KYC」を知る必要があります。

KYC自体は銀行口座開設などで必要になる本人確認手続きの総称として使われていました。その言葉に更に「electronic」が付くことによってeKYCが生まれ、「電子(オンライン)での本人確認」という意味になります。

平成30年11月30日の改正内容をもう少し詳しく説明すると「ソフトウェアを使用し、顧客が画像やIC情報を送信する方法」が可能となり、オンライン上で完結する本人確認方法が認められるようになった、と捉えていただければ問題ありません。

令和2年4月1日の改正内容

令和2年から一部の本人確認方法が厳しくなりました。利用ユーザーの目線として口座開設時に提出する書類が増えましたが、オンライン完結自体は引き続き利用可能となっておりこのトレンドは続いています。

これらの改正により、ローン申し込み等の契約に関わるやり取りのほぼ全てがオンライン上で完結できるようになったことが、ここ数年の大きな変化です。

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まとめ

Web完結とは、金融機関のローン申し込み等における契約を申し込み〜締結までインターネット上で完結させることです。金融機関によって多少の違いはありますが、効率化を図れることや、税金を含めたコストや事務作業の削減につながります。また利用ユーザーが享受できるメリットも多くあります。

Web完結の導入によって、企業側・ユーザー側双方の利便性向上と効率化を図れます。未導入の金融機関の方は導入を検討してみてください。

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