セミナー・イベント管理の記事
ARTICLEセミナー運営で押さえるべきポイントとは。自社運営や代行の選択
最近、顧客開拓のためにセミナーを開催する企業が増えています。しかし、セミナー運営で効率よく成果を出すことは簡単ではありません。では、どうすれば効果的なセミナーができるか、セミナー運営で押さえるべきポイントを解説します。
セミナー運営の流れ
まずは、セミナーの開催から終了後まで、全体の流れについて把握しておきましょう。事前準備からアフターケアまでの流れを解説します。
集客やコンテンツなど準備
セミナーを開催するにあたって、事前準備はとても重要です。魅力的なコンテンツの打ち出しをしっかり行っていかないと、人が集まらない可能性もあります。
用意すべきコンテンツは、セミナー用の資料や動画、文章です。さらに、セミナーが行われたことを周囲に告知するためのSNSやブログ、終了後のフォローメールなども必要になるでしょう。
また、集客のための告知もしなければなりません。宣伝方法は、会社の公式サイトやブログだけに留まらず、SNSやウェブ告知、イベントサイトなどさまざまです。予算や想定集客数に応じて選択してみると良いでしょう。
当日の運営
当日にもっとも気を付けたいのは、タイムマネジメントです。そのため、当日は余裕を持って会場入りしておきましょう。
マイクやカメラ、プロジェクターなどの機材や資料のチェックは、事前に済ませておくべきです。受付から講演者の誘導までを、円滑に行えるように努めます。運営側は、前日までに当日の打ち合わせをしておくと、より連携が取りやすいかもしれません。
ひとたびセミナーが始まれば、司会担当者もしくはタイムキーパーの役割がとても重要になります。講演者の話が長引く、質問者とのやりとりなどで時間が押してしまうのは、よくある事態だからです。
このときにそのままセミナー時間を延長するか、他のプログラムを巻いていくのかの判断が求められます。
完了後に行うこと
セミナー完了後には、出席者へのフォローをしましょう。
まずは、出席者に対しメールや電話でお礼の連絡をします。メールにアンケートを添付するのも良いアイデアです。アンケートによって回答者のニーズを調査し、その後のナーチャリングやマーケティングオートメーションに活かします。
欠席者に対して、今後のセミナー予定などを告知するフォローがあっても良いかもしれません。
これらのフォローは、できるだけ迅速に行う必要があります。当日中から翌日までの間に、素早く行いましょう。
セミナー運営に専用のシステムがあると作業効率が向上します。詳しくは「セミナーは管理システムを使うとスムーズ?機能や選び方を紹介」をご一読ください。
セミナー企画のポイント
セミナーを開催しようという話が出たら、まず、企画立案をしなければなりません。
セミナー企画を考える際に、どういった点を意識すれば良いか、ポイントについて解説します。
目的を明確にする
まずは、セミナーを行う目的を明確にしましょう。セミナーの目的には、以下のようなものが考えられます。
- 新規客の獲得
- 自社製品やサービスへの理解を深めてもらう
- 既存顧客へのフォロー
目的を明確化することで、セミナーの開催規模やターゲティング、フォローの仕方なども変わってきます。コンセプトを明確にすることで、その後の運営方針を立てやすくすることがポイントです。
概要を考える
目的が定まったら、企画概要を考えましょう。主に次の項目について戦略を立てていきます。
- セミナーのタイトル
- セミナーのコンセプト
- 開催日時や時間
- 参加対象者や参加人数
- 参加費
- 主催や共催、登壇者
- プログラム
セミナーのコンセプトについては、300字程度でまとめましょう。どんなことを話すか、どんな商品を紹介していくか等を記載します。
ここで概要をきちんとまとめておかないと、後々の予算決めの段階になって無理が出てくる場合もあるのです。実現可能なプランを考え、スタッフ内でイメージの共有化を図ることが大切と言えます。
逆算して成果につながるかを考える
セミナーを開催する目的は販促をし、自社利益につなげることです。セミナーにかかるコストが、売上額を上回ってしまうようでは、セミナーは失敗と言わざるをえません。
セミナーを開催することで、最終的にどの程度の顧客を増やし、売上につなげていくのか、それを考えたうえでコストの見積もりをしましょう。
そこから会場の準備や参加人数の調整、講師などかかる費用を細かく調整していきます。
セミナーの企画立案から運営までのコツは、「セミナーの企画から運営まで。失敗しないためのポイントを解説」をご一読ください。
セミナー運営にかかるコスト
セミナーは集客性や販促など、多くの成果が期待できる反面、開催するには一定のコストがかかります。
どういった部分にコストがかかるのか、事前に把握して見積もりを立てる必要があるのです。
会場費や広告費
まずかかるのが、セミナーを開催する設備費用です。会場の使用料や、プロジェクターや音響装置、参加者が座るための倚子などのレンタル費用がかかります。
会場のレンタル費用は、規模や場所によって大きく異なるため、どの程度の人数を入れるつもりなのか、事前にしっかり把握しておきましょう。
また、人を集めるためには、事前に広告を打つ必要があります。セミナーのチラシの作成や案内状、ポータルサイトへの登録などの費用がかかります。SNS等も利用して、コストパフォーマンスの良い宣伝を行いましょう。
人件費
人件費は、ゲストの出演料だけではなく、開催を手伝ってくれる社内スタッフにかかる費用も考慮する必要があります。
事前に参加者の対応をする事務スタッフや、設営を手伝ってくれるインベントスタッフ、当日の受付スタッフなどです。大きなセミナーを開催する場合は、自社の慣れないスタッフだけではなく、専用スタッフを雇うというケースも考えられます。
利益の考え方について
セミナーの利益は、目的と深く関わってきます。
例えば、技術や資格の指導を目的とするセミナーでは、セミナー自体で利益を出す必要があるでしょう。参加費とコストを照らし合わせてプラスになるように調整しなければなりません。
新サービスや商品の宣伝、新規顧客の開拓などにおいては、成果が出るのは今後の売買成立やリピーターの増加などと、後になって現れるものです。
どういった利益をもたらすために行うのかは、開催者としてはきちんと精査しなければなりません。
セミナー開催にあたって運用コストの詳細は、「セミナー運営にかかる主な費用。料金体系の例と忘れがちなポイント」をご一読ください。
自社運営とアウトソーシングの選択ポイント
セミナーを開催する場合に、自社で運営するのか、外部のリソースに頼ったアウトソーシングで行うのかの選択も非常に重要です。
セミナーを開催するためにどちらを選べば良いのか、規模と頻度の観点から見ていきましょう。
規模
まず考えるのは、自社で賄える開催規模であるかという点です。
10~20人程度の小規模なセミナーであれば、社内で運営することも十分可能でしょう。しかし、100人規模のセミナーになれば、会場の準備から当日の運営、アフターフォローを、自社内のリソースだけで賄うのは難しくなります。
アウトソーシングを用いる最大のメリットは、セミナー運営に対してノウハウを持っているという点です。運営費用はかかりますが、セミナーの効果を高められれば、それだけ利益につながります。
外部雇用費を上回るだけの利益が得られるのであれば、積極的に利用を検討していきましょう。
頻度
小規模でも、週に複数回開催するような頻度の多いセミナーであれば、外部に一任した方がうまくいく場合もあります。
セミナーの頻度によっては、社内スタッフの本来の業務に支障をきたしてしまうかもしれません。スタッフの業務負担になる場合は、外部に協力を仰ぐのも選択肢の1つでしょう。
また、アウトソーシングを使うことによって、セミナー運営に関するノウハウを入手し、今後のセミナー運営に活かせるというメリットもあります。
セミナー運営の委託に関して詳しくは、「セミナー運営を委託する流れとメリット。注意するポイントは?」をご一読ください。
自社運営の場合のポイント
外部のリソースを使わずに自社で運営するとなった場合、どういった点に気を付ければ、より効果的なセミナーが開催できるのでしょうか?ポイントについて解説していきます。
集客や告知方法
セミナー開催にあたって、まずは集客や告知方法について知っておきましょう。集客方法を大別すると『オンライン集客』と『オフライン集客』に分けられます。
オフライン集客は、電話や訪問、ダイレクトメールなど、インターネットを使わず告知する方法です。手間はかかりますが、より興味を持っていそうな顧客や潜在顧客に対して、丁寧なアプローチができます。
オンライン集客は、SNSやホームページ、ポータルサイトなどの、インターネットを使った告知です。興味を持ってくれそうな人に、より広く宣伝できる効果があります。
告知時期に関しては、イベントの規模によって変わりますが、なるべく早くから告知するようにしましょう。初期にはより興味の強い顧客に対して、中期では興味を持つターゲットへ、そして後期では最終決定を一押しするため顧客に対し行います。
動きなどのマニュアル化
事前準備からアフターフォローの間まで、スタッフがどう動くのかをマニュアルにしておきましょう。規模が大きくなるほどに、スタッフ間で統制された動きが必要になります。
事前告知から機材チェック、当日の講演者の対応や参加者の受付、終了後の連絡などやることは山積みです。どのスタッフが何をやるのかを、事前にきっちりと決めておく必要があります。
マニュアル化しておくことで、次に活かしやすくもなるでしょう。当日のスタッフの動きなど、反省点が明確になります。どんどん更新を重ねていけば、スタッフの動きもより効率化できます。
イレギュラーへの準備も
何事もなくセミナーが完了するのが1番ですが、ちょっとしたイレギュラーが発生することは、よくあることです。イレギュラーに対する準備もしておきましょう。
あらかじめ想定されるイレギュラーとしては、次のようなものがあります。
- 参加証の忘れや本人確認ができない
- 代理や飛び入り参加
- 途中退席や急病人が発生した場合について
- その他の要望など
こういった参加者への対応はあらかじめマニュアルにしておきましょう。スタッフによって対応が違うと、クレームになる場合もあり、会社の信用問題になりかねません。起こったことは次に活かすためにも報告を徹底するようにしましょう。
セミナー運営のコツについては、「セミナー運営で押さえるべきポイントとは。自社運営や代行の選択」をご一読ください。
オンラインツールを活用しよう
セミナー運営にあたって、オンラインツールを積極的に活用してみてはいかがでしょうか?
オンラインツールを使うメリットは、スタッフ全員がネット上で閲覧や編集ができるという点です。当日も、スマートフォンなどのネットにつながる端末さえあれば、利用できる点もメリットに挙げられます。
それぞれどういったメリットがあるのかを解説します。
プロジェクト管理
プロジェクト管理をするためのアプリケーションを使えば、イベントのタイトルや主旨、参加者名簿などの概要から、当日のスケジュールや資料までをまとめておけます。
オンラインで管理するメリットは、スタッフ全員が確認できるという点です。さらに、何かがあった場合は、そこに書き込んでおけば他のスタッフとの情報共有もできるでしょう。
セミナーの運営であれば、イベント管理システムを提供しているサービスがありますので、そちらを頼るという手もあります。参加者やサイト運営といった細かい部分まで管理してくれます。
ファイル共有
ファイル共有も、オンラインストレージで行っておくと便利です。社内だけでなく会場でも閲覧できますし、当日の資料をアップロードしておけば、参加者が資料を忘れた場合でも、その場で配付することができます。
議事録など、会場でアップロードしたものを、社内にその場で転送すれば、データ移行の忘れによって困るようなケースも防げるでしょう。
オンラインのファイル共有サービスは、さまざまな事業者が提供しています。無料で使えるサービスや、ビジネス用のプランなどもあるので、積極的に使っていきたいところです。
シフトや役割管理
シフトや役割、スタッフの配置についても、オンラインツールで管理するようにしましょう。現在、誰がどこにいるのかを把握できますし、スタッフ個人も自分の役割をすぐに確認できます。
イレギュラーなどが発生し、急遽役割を変更する場合でも、オンライン上からすぐにスタッフ全員に通知できるのもメリットです。
セミナー運営に関わるシステムについての詳細は、「セミナー運営ソフトで業務効率化。メリットや活用例を紹介」をご一読ください。
セミナー運用代行サービスの活用
自社のリソースのみでのセミナー運営が難しい場合、外部のサポートを頼ることになります。
一度ならともかく、定期的にセミナーを開催する場合、マンネリ化も心配されるでしょう。自社だけで企画を考えるよりも、外部の提案を受けた方が良い場合もあります。
外部サポートは、どのようなサービスをしてくれるのでしょうか?どういった面でサポートしてくれるかを解説します。
プログラム提案やコストの計算
セミナー当日に、どういったプログラムをどういった順番で行うのか、セミナーのノウハウのない場合は悩みどころでしょう。
そういった際に、サポート事業者に相談すれば、セミナーのコンセプトにあったプログラムを提案してくれます。要望に応じてプログラムに必要な機材や台本などを用意してくれるので、頼んでみると良いかもしれません。
コスト計算に関してもサポートを受けられます。決められた予算内でどういった運営が最適か、今以上に予算を削減できないかといった検討などの、さまざまな提案を受けられるでしょう。
会場や講師の手配
参加人数やセミナーのコンセプト、交通など、さまざまな面から会場を検討して提案してくれます。
当日の会場確保や、会場で使う倚子や音響機材の搬送なども行ってくれるようです。会場の飾り付けなどの設営を行ってくれるサービスもあります。
なかでも、セミナーの講師や講演者を手配してくれるのは、特に重宝するサービスでしょう。自社内にはない人脈で手配してくれますし、場合によってはその講演者と自社に新しい人脈が築けるからです。
顧客発掘のみならず、新たな人脈発掘としても利用できるかもしれません。
事務局業務の代行
参加者への案内や、セミナーに関する問い合わせといった、事務にかかるコストもばかになりません。大人数のセミナーともなると、開催数日前には問い合わせが殺到するようなケースもあり、対応スタッフが必要です。
そういった事務で行うような業務の代行サービスもあります。終了後のアンケートの集計や参加者への連絡等も任せられる事業者もあり、社内スタッフの負担をかなり減らせるでしょう。
セミナー運営代行会社の選び方について知りたい方は、「セミナー運営代行会社の見極め方。プロに相談したい顧客管理と活用法」をご一読ください。
まとめ
会社の認知度を高めるため、また商品PRのためにも、セミナーの開催は有効な手段です。しかし、セミナー開催のノウハウがない場合は、まずは外部の力を借りることを考えてみても良いかもしれません。
成功のためには、どこで利益を得るのかの算段をきちんと立てて、そこから運営にかかるコストを捻出します。事前の集客や当日のプログラム、アフターフォローに至るまで、きちんとした段取りが不可欠です。
最近では、オンライン上で行うWebセミナーもあります。既存顧客とさらなる信頼関係を築くため、新規顧客発掘のためのセミナー開催を、社内で検討してみてはいかがでしょうか。
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