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ARTICLEイベントアンケートで回答率を上げるには?ポイントや作成方法まとめ
顧客のニーズを知るために、アンケートは重要な情報源です。そのためイベントでアンケートを実施しているものの、回答率がいまいちといった悩みがある方もいるでしょう。そこで今回は、アンケートの回答率をあげる方法やポイントを解説します。
アンケート調査の前に考えること
ただ漠然とアンケートを行うだけでは、時間とコストの無駄になってしまいます。
アンケートを作成する前に、何のためにアンケートを行うのか、次の3つについてしっかり検討しておきましょう。
目的は何か?
1つは、アンケートからより効果的なフィードバックを得るためにも、アンケートで何を知りたいかという目的を明確化させることです。
イベントの集客数を向上したい場合は、イベントの満足度についてのアンケートにしたり、またイベントで紹介した商品の期待値について知りたい場合は商品アンケートにしたりするなど、目的によってアンケート内容は大きく変わります。
アンケートで何を知り、それによってどのような部分を検証していくのかは、作成前にあらかじめ決めておきましょう。
ターゲットは誰か?
誰に対してのアンケートであるのか、ターゲットを具体化することも重要です。例えば、イベント商品に対する期待についてのアンケートならば、ターゲットは商品を使う可能性のある新規・既存問わない不特定多数の参加者となります。
しかし顧客満足度調査のアンケートであれば、ターゲットは自社の顧客や会員ということになるので、アンケート項目が大きく変わってくるでしょう。
アンケート作成方法
アンケートをどのような方法で実施するかについても、あらかじめ決めておきましょう。
イベントアンケートで考えられる回答方法は、主に『その場で紙面に回答してもらう』『メールで回答してもらう』『直接声をかけて回答をもらう』といった3パターンが考えられます。
どれが良いというわけではなく、状況や参加者の層に応じて使い分けていく必要があるでしょう。
回答率を上げるためには、回答者にとって負担にならない方法を選択するのもポイントです。
合わせて読みたい記事「アンケートの作成方法には何がある?作成の流れやポイントのまとめ」
セミナーアンケートの回答率を改善したい方は、「セミナーアンケート用紙を工夫しよう。回収率と回答の質を上げる方法」をご一読ください。
アンケート作成の手順
続いて、実際にアンケートを作る手順についてご紹介します。作成手順を知ることで、手早く、効果的なアンケートを作成しましょう。
目的に合わせて質問タイプを決定
アンケートを回答する方法には、記述式や選択式などさまざまな種類があります。
回答者が答えやすく、主催者側が知りたい情報を得られる質問タイプにするのが効果的です。一般的にどのような質問タイプがあるのか、主な3つを紹介します。
- スケール:5段階の満足度で評価をしてもらう形式
- チェックボックス式:複数の回答の中からいくつかを選んでもらう形式
- ラジオボタン式:複数項目から1つだけを選ぶ形式
イベント満足度を知りたいならスケール式、良いと思ったものを知りたいならチェックボックス、最も良いと思ったものが知りたいならラジオボタンといった具合に使い分けましょう。
質問文や選択肢などの項目を決定
質問タイプに合わせて、質問項目や選択肢を用意します。ただし、どんな質問でも良いわけではありません。質問の方法にも適切なものとそうでないものがあります。
まずは、誘導気味な質問にならないように注意しましょう。例えば「最近○○という商品が流行っていますが、○○は好きですか?」といったような前情報を挟んでしまえば「はい」と答える人が多くなってしまうでしょう。
次に抽象的な質問にならないように注意です。「ここ最近、誰かと旅行しましたか?」というような質問では『最近』の度合いが人によって違い、アンケートとしてはあまり参考にならないでしょう。
簡潔に、かつ聞きたいことは具体的に尋ねるのが、質問や選択肢を作る上でのポイントです。
また、選択肢も回答に迷わないよう工夫をしましょう。選べない場合のために『その他』を入れる、似たような選択肢にならないという点に気を付けてください。
最終チェック
アンケートの作成が一通り終わったら、最終チェックのために自分でアンケートに答えてみましょう。具体的に次の事に注意してチェックを行います。
- 誤字脱字はないか
- 誘導気味でないか
- 質問が抽象的でないか
- 選択肢が多すぎないか
- 抜けや漏れはないか
- 知りたい情報は入手できているか
回答者の視点に立ってしっかりとチェックをしましょう。
質問を設定する際のポイント
アンケートを作成する際、目的を決めたとしても、どんな順番で質問を並べるか、またどんな質問の仕方をするかは悩みどころです。
質問項目を決める際のポイントについて、わかりやすくまとめてみましたのでご参照ください。
重要項目の位置
アンケートでもっとも知りたいこと、聞きたいことは基本的に最初の方に持って来るようにしましょう。
回答者視点で考えるなら、アンケートの最初の方が緊張感がありますし、時間もたっぷりと使って考えられるからです。
逆に、後の方にもってきた質問は回答が雑になっていたり、時間がなくて飛ばされたりということも考えられます。
項目の優先順位や質問の関連性を考えながら、質問の順番について組み立てていきましょう。
的を絞った質問
質問は簡潔に、回答者が答えやすいように的を絞りましょう。回答の範囲があまり広くなるような質問は答えにくく、回答率低下の原因となるためおすすめしません。
例を挙げると、『このイベントを通して何が変わりましたか?』というような回答幅の広い質問より『イベントの○○という項目について、思ったことを教えてください』といったような、回答の範囲を広げすぎないようなもののほうが回答率は上がります。
答えやすい質問
統計的にも、アンケートは答えやすい質問・内容になるほど回答率が上がる傾向にあるようです。そのために次のようなことを意識してみましょう。
- わかりやい質問にする(1文が長くならないようにする。専門用語を多用しない)
- 質問の対象を明確にする(誰に対し、何について聞きたいのか)
- 質問の時系列を明確にする(○今年に入って、今月からなど ×最近、しばらく)
質問のタイプも、ラジオボタンやチェックボックス、スケール形式を使っていきましょう。
アンケート項目のサンプルは「セミナーのアンケート項目サンプル。最低限設けておきたい質問とは」をご一読ください。
アンケート回答率アップのコツ
回答率をアップするために、アンケートの内容以外にも重要なポイントがありますので、ご紹介します。
アンケートと言わない
アンケートと聞くと「答えても答えなくてもどちらでも良いもの」という印象を持ってしまう人も多いでしょう。そのため、アンケートという名称をあまり使わないようにするのがポイントです。
『イベント感想シート』『参加者の声を聞かせてください』といったように、別のタイトルにすると効果的でしょう。
記載時間をとる
セミナー等のイベントでは、アンケートのためにわざわざ時間を取らないタイムスケジュールも、多いように見受けられます。
しかし、休憩時間はお手洗いや軽食など他にやることもありますし、セミナーの合間にアンケートを少しずつ進めるのも現実的には難しいでしょう。
そのため、参加者が全員そろってアンケートを記入する時間を、終了10分前程度に作るのがポイントです。
記載は少ない方が良い
回答者の意見が知りたいからといって、すべての質問を記述式にしてしまっては、回答がしにくくなりますし、時間がかかってしまいます。
また、知りたいことが多いからといって、設問数まで多くしてしまえば、アンケートに答えるモチベーションが下がってしまい、こちらも回答率が下がる原因になってしまうでしょう。
アンケートの内容は、多くてもA4用紙1枚以内に収めるのがコツです。それ以上になってしまったら、比較的重要ではない質問から除いていきましょう。
アンケートの回答率を上げるための選択肢について知りたい方は、「セミナーアンケートの回答例と選択肢。答えたくなる工夫で回答率UP」をご一読ください。
アンケートの作成方法
続いて、アンケートの項目ではなく、アンケートを作成する媒体について考えてみましょう。媒体ごとの特徴などについても触れていきます。
紙で作成
紙媒体でのイベントアンケートは昔から行われており、いまでも定番の手法です。Web上から行う形式も現在では一般化してきましたが、紙媒体でアンケートを作成するのにもメリットがあります。
まず、パソコンに不慣れな高齢者でもアンケート回答が容易であるという点です。パソコンやスマートフォンに不慣れな人も答えやすいという利点があります。
また、その場で回収しやすいというのも大きな魅力です。メールアンケートなどで後で回答する形式だと、やはり忘れられて回答率が下がる傾向にあります。
欠点としては、印刷費の費用がかかることや、集計をデータかするのに手間がかかる、一度印刷してしまうと内容を修正できないという点が挙げられるでしょう。
合わせて読みたい記事「セミナーアンケート用紙を工夫しよう。回収率と回答の質を上げる方法」
Webフォームで作成
前述の通り、近年ではインターネットが台頭してきたこともあって、Webフォームでのアンケートも増えています。
こちらのメリットは、まずは印刷コストが発生しないという点です。紙媒体とは異なり、集計も簡単に行えます。また、間違いを見つけても修正は簡単です。
欠点としては、スマホやPCなどのインターネット媒体になれていない人にとっては回答がしにくいという点です。高齢者向けセミナー等では、Web媒体のアンケートは控えた方が良いでしょう。
紙媒体とWeb媒体はそれぞれ特徴があり、どちらの方が優れているとは一概には言えません。アンケートの目的や回答者に応じて使い分けるよう心がけてみてください。
アンケートの作成方法について詳細を知りたい方は、「イベントアンケートの例文。設問のポイントやコツのまとめ」をご一読ください。
アンケート作成サービスやアプリの利用
紙とWebの両方の作成方法にそれぞれ特徴があることは説明しましたが、やはり近年ではWeb媒体の方が増えている傾向にあります。
アンケートを作成するためのサービスを配信するインターネット事業者も増えているようです。
Web媒体でインターネットを作る場合の手順や特徴について、掘り下げていきましょう。
フォーム作成サービスとは
まずは 『フォーム』という機能について知っておきましょう。
一般的にWeb上でフォームという場合は、ユーザーがそのサイトの運営に対して要望や問い合わせをする窓口を意味します。資料請求フォーム、問い合わせフォームという言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
同様に、アンケートフォームもインターネット上で作成するサービスがあります。Googleなど大手でも、このサービスは利用できるようになっているようです。
Foogleフォームについての詳細は、「Googleフォームにはどんな機能がある?メリットや使い方」をご一読ください。
アンケートが簡単に作成可能
フォーム作成サービスを利用することで、アンケートの作成が簡単になります。
一から作成するためには、デザインソフトの使用や、テンプレートをダウンロードする必要がありますが、作成サービスではあらかじめ用意してあるところが多いのです。
案内に合わせて作成できるので、それまでアンケートを作ったことがない初心者でも手軽に作成できるのがポイントでしょう。
回答形式についても、あらかじめ色々なものが用意されており、その中から選ぶことができます。紙媒体とは違い、動画や音楽を添付することも可能で、それに対する感想を求める、といったことも可能です。
集計や分析も
アンケートフォームの回答は、送信ボタンを押すと自動的に集計・分析ができるサービスも多くあります。
Googleではスプレッドシートと関連させて、アンケートの集計はもちろん、回答者の年代や性別、好みの傾向など、回答者の属性ごとに回答結果をまとめることも可能です。
さらに、クラウドサービスなどのオンライン上でデータ管理するシステムを利用することで、アンケート結果をスタッフや関係者内で瞬時に共有することも可能です。
合わせて読みたい記事「アンケート集計はソフトが便利で楽?メリットや選び方を紹介」
アンケートフォームの作成方法については、「フォーム作成は何を使ってる?基本や主な作成方法を紹介」をご一読ください。
フォーム作成サービスの選び方
フォーム作成サービスはGoogleなどの大手企業をはじめ、さまざまなネットワーク事業が開発・配信に乗り出しています。
フォーム全般に携わるサービスもあれば、特定分野に特化したものもあり、中にはイベントの運営補佐までしてくれるサービスもあるようです。
どういった点から、サービスを選ぶべきかを見ていきましょう。
対応する端末
フォームが対応している端末についても、できるだけ多いものを選びましょう。
例えば、スマホ対応していない場合だと、PCで作成したアンケートフォームのレイアウトがスマホ表示だと崩れてしまう、といったことがあります。
現在、個人端末はPCだけではなくスマホやiPhoneなど、その他多様な端末があるので、フォームが対応している端末が多い方が、それだけ回答率が上がることが期待できるのです。
PC、スマホはもちろんですが、その他どのような端末に対応しているかは、事前に確認しておいた方が良いでしょう。
テンプレートやデザインの豊富さ
Webフォーム作成の欠点として、そのサービスにないものは利用できないという点が挙げられます。
自分でアンケートを作成するなら、様々な回答形式を自分で作れば問題ありません。しかし、サービスを利用する場合、無い機能は使えませんし、要望を出したとしても実装まで時間がかかるでしょう。
アンケートをさまざまな場面で使いたいなら、回答形式などのテンプレートや機能が多く、デザインも豊富なサービスを選ぶというのもポイントです。
コストパフォーマンス
アンケートフォーム作成サービスの料金形態は、作成するアンケートの質問数や、回収できたアンケート数などの出来高で決まる場合が多いようです。
しかし、一定の予算内で多くのアンケートを回収したいという場合には、月額制のサービスなどを利用すると良いでしょう。
また、フォーム作成サービスの事業に基本的に相場はなく、無料のものから高ければ数万円、数十万円かかるものまであります。
無料のものは、機能や設問数が制限されているといった、デメリットが含まれる場合が多いです。対して、高額なものであれば、その機能が使いこなせない場合もあります。
どんなフォーム機能が欲しいのか、妥当な費用とパフォーマンスを見極めて選ぶようにしましょう。
フォーム作成方法についての詳細は、「フォーム作成サービスで効率アップ。その他のツールや作成方法も紹介」をご一読ください。
まとめ
イベントアンケートの回答率を上げるためには、回答者が答えやすいアンケートと環境を用意することが大切です。
アンケートを行う目的を明確化し、そのために質問や回答を絞ります。アンケートにかかる時間は短い方が回答率が上がる傾向にあるようです。
アンケート回答の時間を運営側で用意したり、Webフォームなどで回答しやすい環境を用意するのも回答率を上げるためのポイントでしょう。
アンケート結果は、今後の事業に反映するための貴重なデータとなります。回答率を上げるためにアンケートに、工夫を施してみてはいかがでしょうか。
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