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CRM分析をわかりやすく解説!8つの手法と活用のポイント

掲載日:2023年1月4日更新日:2024年2月21日

CRM分析とは、顧客ごとに最適なアプローチを行うことで営業・マーケティング活動を効率化する手法です。顧客の購買行動が急速に変化する中、近年その重要性が注目を集めています。この記事ではCRM分析について概要や具体的な手法、活用のポイントなどを解説します。

CRM分析の概要

CRM(Customer Relationship Management)とは「顧客関係管理」と訳すことができ、顧客ごとに最適なアプローチを行うことで営業・マーケティング活動を効率化することを目的としています。

CRM分析は、企業自らが蓄積した顧客データを分析し、顧客のニーズを明らかにすることで、どのような営業・マーケティング活動を実施するか戦略を立てる際に有効な手法です。

CRM分析が注目される背景

CRM分析が注目される背景について、「顧客ニーズの変化」「市場環境の変化に伴う既存顧客の重要性」という2つの観点から解説していきます。

顧客ニーズの変化

インターネットの普及により、消費者は自分の欲しい情報を自ら探し購買活動を行うことが可能になりました。

これまでのようなすべての消費者に同じアプローチをする営業・マーケティング手法では、多様化した消費者のニーズを満たすことができず、売上機会につなげることができません。

そこで顧客ごとのニーズを的確にとらえ、顧客階層ごとのアプローチを可能とするCRM分析が注目を集めています。

市場環境の変化に伴う既存顧客の重要性

市場の成熟化にともなって、どのような製品・サービスであっても新規顧客の獲得が以前より難しくなってきました。

このような中、新規顧客開拓よりも既存顧客に自社製品・サービスをどれだけ長く利用してもらうかが企業にとって重要な課題になってきています。

重点的にアプローチすべき既存顧客を抽出し、何を求めているのかをタイムリーに把握、要望に応えていくことが、企業に求められるようになっていることからも、CRM分析が注目されるようになりました。

CRM分析の8つの手法

ここからはCRM分析の主な手法を8つご紹介します。

RFM分析

RFM分析とは、顧客を3つの指標でグループ分けして顧客分析を行う手法です。

RFMは次の単語の頭文字からきています。

・Recency:最終購入日

・Frequency:購入回数

・Monetary:購入金額

例えば「購入回数が多く購入金額も大きく、直近でも購入履歴のある優良顧客」や「購入回数が多く購入金額も大きいが、前回の購入から間が空いている顧客」などでグループ化します。

これによりグループごとに適した販促施策を打つことが可能となり、費用対効果を上げることができます。

ただしRFM分析は、すでに購入実績のある顧客に焦点を当てるため、顧客育成という長期的な視点については別の手法を併用することが望ましいといえます。

デシル分析

デシル分析とは、自社の顧客を購入金額の高い順に10等分のグループに区分し顧客分析を行う手法です。

例えば売上上位2つのグループが、自社売上のどのくらいの割合を占めているかということが明確になります。

デシル分析を行えば、売上に貢献している優良顧客に集中した施策を行ったり、売上貢献度の低いグループに施策を集中し売上の底上げを狙うことも可能です。

ただしデシル分析では、時間の概念(購入時期や継続期間)がないため、グループ分けにあたり売上を集計する期間について慎重に決定する必要があるでしょう。

CTB分析

CTB分析とは顧客を3つの属性でグループ分けし顧客分析を行う手法です。

CTBは次の単語の頭文字になります。

・Category(カテゴリ)

・Taste(テイスト)

・Brand(ブランド)

例えば食品や飲料を扱うECサイトでは

カテゴリ:大分類…女性、中分類…飲料、小分類…コーヒー

テイスト:砂糖入り、ブラック、ミルク入り

ブランド:コーヒーメーカー各社

といった属性によってグループ分けが可能です。

CTB分析により、顧客の属性ごとにどのような製品を求めているかを推測することができ、属性に合ったマーケティング活動を行うことが可能となります。

CPM分析

CPM分析とは、既存顧客を複数のグループに分け、顧客の状態を分析する手法を言います。

CPMは、顧客ポートフォリオマネジメント(Costomer Portfolio Management)の略です。

購入頻度(回数、購入からの経過日数)・購入金額・離脱期間で顧客を10個のグループに区分し、それぞれの属性に合ったマーケティング活動を行うことで、顧客育成が可能になります。

たとえば、購入が1度きりの「初回離脱客」に対するフォロー、長期購入の「優良現役客」に対する高単価の自社他製品の紹介などが考えられます。

セグメンテーション分析

セグメンテーションとは、顧客をその属性によりグループ分けすることを言います。

そしてセグメンテーション分析は、グループ分けされた顧客ごとにそのニーズを分析する手法です。

属性としては、年齢・性別・職業・居住地・趣味などが一般的に採用されます。

ITの進化により消費者が自由に情報を取得できるようになり、ニーズも多様化してきました。

このような状況下でも、セグメンテーション分析を行えば施策を強化すべきターゲット層が明確になり、顧客のニーズに合ったマーケティング活動を行うことが可能です。

クラスター分析

クラスター分析とは、ビックデータの中から似た性質・属性を持ったデータをグルーピング・分析する手法です。

グルーピングされたデータの集まりはクラスター(集団)と呼ばれ、どのような特徴や傾向を持っているか分析がなされます。

あらかじめ指標を持っている他の分析と異なり、集まったクラスターから指標となりうるポイントを見つけ出し、マーケティング活動に活かす点に特徴があります。

LTV分析

LTV(Life Time Value)は「顧客生涯価値」と訳すことができ、計算式で示すと以下のようになります。

LTV = 平均購入単価 × 購入頻度(回数) × 継続購入期間

自社にとってLTVの高い顧客は重要顧客であり、LTV分析により重点的にマーケティング活動を行うことで利益率の向上につながります。

また重要顧客の購入に至るまでの行動を分析することで、強化すべきプロモーションも明確にすることができるでしょう。

行動トレンド分析

行動トレンド分析は自社の特定の顧客層、とくに優良顧客に焦点を当てそのニーズを分析する手法です。

特定の地域、時期、顧客層のニーズに合った施策を実施することで、利益率の向上につながります。

自社の売り上げにとって重要な優良顧客のニーズをつかみ、すばやく対応していくことで、企業価値も高まることでしょう。

CRM分析の活用を行う際のポイント

CRM分析は、営業・マーケティング活動を効率的に行ううえで大変有効です。ここではCRM分析を活用するためのポイントを解説していきます。

自社の課題と目的の明確化

CRM分析の導入前に、自社の営業上・マーケティング上の課題を明確にしましょう。

新規顧客が継続の優良顧客になるまでの各段階で、もし自社のウィークポイントが見つかれば、そこに重点的に施策を打つことができます。

自社のさらに伸ばせる強み・補強すべき弱点を明確にすることができるCRM分析を選択することが重要です。

顧客データの収集と蓄積

CRM分析においてその精度を高めるためには、顧客・販売・広告などに関する幅広い大量のデータを保有していることが前提となります。

自動で最新の情報を収集、社内での情報共有が可能となるような仕組み作りを検討しましょう。

部門間でのシステム連携

情報の集約、また全社的な業務効率の観点からERPの導入も大変有効です。

ERP(Enterprise Resource Planning)は統合基幹業務システムとも呼ばれ、生産・物流・販売などの基幹業務を統合し、業務の効率化・情報の一元化を実現することが可能です。

ツールを活用したCRM分析について

CRM分析を効率的に行うためのツールも販売されているため、ツールを利用した場合のメリットと選ぶ際のポイントをご紹介します。

CRM分析にツールを活用するメリット

CRM分析は大量の顧客データを扱うことを前提としており、手作業では手間もかかりまた限界があります。

この点CRMツールは、情報の収集・蓄積・分析まで迅速でタイムリーにサポートしてくれるため大変有効です。

便利な機能を有するツールも販売されていますので、自社の目的にかなうものがあれば積極的に活用したいところです。

自社に合ったCRM分析ツールを選択

CRM分析にツールを活用することで、営業・マーケティング活動に有効な分析データを取得でき、施策に活かすことが可能です。

ただしさまざまな機能を持つツールが販売されているため、以下ポイントに注意して自社に合ったツールをお選びください。

・目的に沿った機能を有しているか

・自社の保有データにうまく適合するか

・ユーザーにとって操作しやすいか

・コストメリットがあるか

・サポート体制は万全か

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まとめ

CRM分析の手法を活用して、顧客ごとに最適なアプローチを行うことで営業・マーケティング活動を効率化することができます。

顧客ニーズが急速に変化し、スピーディーに顧客情報を把握する必要がある中で、CRM分析は今後ますます重要性が高まっていくと考えられます。

営業上・マーケティング上の課題、目的を明確にしたうえで、自社に最適な分析方法の導入をご検討ください。