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顧客管理で重要な顧客データベースの作り方│設計のポイントと注意点

掲載日:2023年1月4日更新日:2024年2月21日

顧客データベースを整備すると、顧客情報が適切に管理でき、ニーズに沿った最適なアプローチが可能になります。この記事では、エクセルやツールを使用して顧客データベースを作成するメリット、具体的な方法、運用時の注意点などをわかりやすく解説します。

顧客管理とは

顧客管理と顧客データベースについて、それぞれ詳しく解説していきます。

顧客管理とは

顧客管理とは、企業の財産である顧客情報を関係者間で共有し、マーケティング活動・営業活動に活かすことで企業利益の最大化を目指すものです。昨今IT技術の進化とともに顧客ニーズは多様化しており、迅速に顧客ニーズに応えることは企業の存続・将来の成長に不可欠になっています。これまで各営業担当者が保有・管理していた顧客情報は、顧客管理により会社の財産として有効活用する必要があります。


顧客データベースとは

顧客データベースとは、企業の顧客データを収集・蓄積するためのデータベースです。データベースを整備することで、情報収集・蓄積を効率的に行うことができます。また効果的に集計・分析することで、マーケティング活動・営業活動における企業の方針を適切に定めることが可能になります。

データベースにおける管理項目として、BtoB企業では主に以下のような項目を設定します。

・企業名、担当者名、担当部署、役職、住所、電話番号、メールアドレス、取引履歴、特記事項

BtoC企業では主な顧客データとして、氏名・住所・性別・生年月日・勤務先・学歴・趣味嗜好などが挙げられ、BtoB企業と比べると登録情報も変わってきます。

顧客データベースが必要とされる背景

上述の顧客データベースが必要となっている背景としては、主に以下が挙げられます。

・顧客の消費活動の変化

IT技術の進化により、顧客がみずから必要な情報を入手できる時代になりました。これまでのように全顧客に対し同じアプローチをしていたのでは、すでに顧客が消費に関する決定を終えてしまっていることもあります。つまり、多様化する顧客ニーズへの適切な対応が必要不可欠となってきているのです。顧客ニーズへの迅速な対応のため、従来営業担当者が個々に保有していた顧客情報は、企業全体として一元管理すること必要があるでしょう。

・働き方改革の推進

国を挙げて推進している新しい働き方ではリモートワークの導入などにより、働く場所を選ばず情報共有する仕組みが求められています。顧客データベースを利用すれば、社外からでも必要な情報が確認でき業務効率のアップにつながるため、データベースの必要性が増してきているといえます。

なお、顧客データベースは主にエクセルや各種営業ツールを利用して作成することができます。本記事ではエクセルを用いたデータベースの作成方法について、次から詳しく解説していきます。

エクセルを活用した顧客データベースの作り方

エクセルを活用した顧客データベースの作り方は、主に以下の4段階に分けられます。

・管理項目の設定

・データの収集、登録

・入力フォームの活用

・テーブルとしてデータベース化

以下でそれぞれについて解説していきます。

管理項目の設定

顧客データベースを作成するにあたり、まず管理項目を決定します。顧客データベースの作成により「何を達成したいのか」、目的を明確にしたうえで項目を選定しましょう。

なお管理項目はなるべく必要最低限に絞るとよいでしょう。あまりに項目が多いと入力作業の手間が増え、また集計・分析に際しても管理が非常に煩雑なものとなり、運用自体がうまくいかないリスクがあります。

一般的に管理項目として以下のような項目が挙げられます。

・基本情報

企業名、担当者名、担当部署・役職、住所、電話番号、メールアドレス、資本金、従業員数、ホームページ・各種SNS情報

・取引履歴

購入商品・サービス名、発注日、納品日、金額、数量

・接触履歴

電話、メール、商談、打ち合わせ日時・内容など

・備考

特記事項や要望・クレームなど

データの収集、登録

顧客データベースの管理項目が決まったら、エクセルの行に各項目を登録します。

続いて、登録した管理項目に合わせて顧客情報を入力していきます。その際、後からのデータ集計・分析を効率的にするために入力書式は統一するようにしましょう。また集計漏れや誤集計がないように、顧客情報は空白行を入れず詰めて入力することも重要です。

なお、各顧客に対して顧客番号を付けて管理していくことでソートや抽出が容易となります。問い合わせやクレームがあった時に迅速に過去のやり取りが把握でき、スムーズに対応できるでしょう。

入力フォームの活用

エクセルに顧客情報を記入していくことは、非常に手間が掛かり間違いの発生しやすい作業です。

入力フォームを設定することで、入力作業の効率化入力ミスの削減につながるため、積極的に活用しましょう。

入力フォームの機能は通常、「非表示」となっているため、「表示」させる必要があります。

以下の手順に従い、ツールバーに「フォーム」ボタンを表示させてください。

・【クイックアクセスツールバーのユーザー設定】

・【その他のコマンド】

・【Excelのオプション】

・【コマンドの選択】

・【すべてのコマンド】

・【フォームを選択】

・【追加ボタン】、【OK】の順にクリック

以上で、エクセルのツールバーに「フォーム」ボタンが表示されました。

「フォーム」ボタンを押して、設定項目に沿って入力を進めることができます。

テーブルとしてデータベース化

顧客情報の登録が完了したら、データ全体をデータベース化しましょう。

項目名を含む顧客データ全体を範囲指定したうえで、エクセルで【ホーム】、【テーブルとして書式設定】を順に選び、表示されたテーブルの中から希望のスタイルを選択することでデータベース化の完了です。

エクセルで顧客データベースを作成するメリット・デメリット

エクセルで顧客データベースを作成する場合のメリット・デメリットを解説していきます。

エクセルで顧客データベースを作成するメリット

エクセルで顧客データベースを作成するメリットとして、以下の2点が挙げられます。

導入コストを抑えられる

日本の企業では、文書作成・表計算・プレゼンテーション用のソフトとしてMicrosoft Officeが多く利用されています。そのためすでに導入済のエクセルを利用すれば、新たに高価なソフトウェアを導入する必要がなく、導入コストを抑えられるというメリットがあります。

教育コストを抑えられる

新たなITツールを導入すれば、利用者への教育・研修のコストが発生しますが、エクセルは通常の業務においてすでに使用されており、操作に関する特別な教育が不要という点で、教育コストも抑えることができます

エクセルで顧客データベースを作成するデメリット

エクセルで顧客データベースを作成するデメリットとして、以下の3点が挙げられます。

同時作業で不具合発生のリスク

エクセルは個人PCでのローカル作業に加え、共有ブック機能を利用すれば複数人でひとつのファイルの同時編集・加工を行うことができます。

ただし同時作業者の数、ネットワーク環境、PC能力によっては、同時作業中に動作が不安定になり、またミスにより最新データを古いデータで上書きしてしまったりというリスクもあります。

データ量の増加に伴う不安定性

特にBtoC企業では、顧客(個人消費者)の情報を取り扱うため、データ量が膨大なものとなることが多く、それに伴いエクセルの起動やデータ処理速度の低下、作業中の強制終了など、動作が不安定となるリスクがあります。

セキュリティ面でのリスク

エクセルデータは取り扱いがかんたんで、メールによるデータの共有や、USBメモリなどにコピーして持ち運ぶことなどが容易に可能です。そのため、管理の行き届かない範囲までデータが流布してしまうことや、社外でのデータの紛失盗難などといったリスクを有しており、データの共有・持ち出しに関しては厳格なルールを定める必要があるでしょう。

顧客データベース運用時の注意点

顧客データベースを運用するうえでの注意点としては、以下が挙げられます。

・最新データの維持、メンテナンス

顧客データベースは定期的に更新され、常に最新の状態を保つことで、営業・マーケティング活動に最大限に活用することができます。

特にBtoB企業では、企業名・事業所所在地・電話番号・所属部署・役職など、変更となり得る項目が多数あるため、変更があった際は漏れがないように速やかに情報を更新する必要があるでしょう。

・運用ルールの決定・周知

データベース更新のタイミングを定め、関係者に周知することで、最新データをスムーズに共有することが可能です。

検索や集計をスムーズにするために、データベースへの入力ルールとして、「数字・漢数字」、「全角・半角」など毎回同じ方法で登録をする必要があります。将来的に他のツールとの連携、移行を検討する場合にも、一定のルールに従って整備されたデータは大変役に立つでしょう。

CRMを活用した顧客データベースの作り方

CRM(Customer Relationship Management)は顧客関係管理と訳され、最近では顧客に関する基本情報や取引履歴などを一元管理できるツール自体を指します。有効に活用すれば顧客のニーズを迅速に把握でき、ユーザーごとに最適なマーケティング活動や営業活動を行うことが可能です。

CRMの画面にしたがって入力を進めていくと、誰でもかんたんな操作で顧客情報を登録・データベース化でき、また関係者間で共有できる点が最大の魅力です。

CRMを活用して顧客データベースを作成するメリット・デメリット

CRMを活用して顧客データベースを作成するメリットとデメリットを解説していきます。

CRMで顧客データベースを作成するメリット

快適な操作

一般的にCRMでは、顧客情報をクラウド上に保管し共有します。そのためデータの増加により動作が重く不安定になるエクセルに対し、CRMは快適な操作により業務の効率化につながります

また蓄積された顧客情報を集計・分析するために、エクセルでは関数やマクロを組むといった手間が発生しますが、CRMはさまざまな集計・分析機能を持っているため、専門的な知識がなくてもすばやく必要な処理を行うことが可能です。

複数デバイスへの対応

パソコンだけでなく、タブレットやスマホといった複数のデバイスに対応しているCRMを利用すれば、外出先や出張先、リモートワーク中の自宅からも必要なデータにすばやくアクセスでき、スムーズに情報共有できます。

CRMで顧客データベースを作成するデメリット

CRMで顧客データベースを作成するデメリットして、コスト面が挙げられます。導入費用がほぼ掛からないエクセルに対し、CRMは導入費用に加え多くの場合、維持メンテナンスの費用が必要になります。顧客データベースの活用によって、コストを上回るメリットが得られると判断できる場合に選択肢となるでしょう。

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まとめ

顧客データベースは、企業の財産である顧客情報を収集・蓄積するためのデータベースです。整備すると顧客情報を適切に管理し顧客ニーズに沿ったより適切なアプローチが可能になります。これによりマーケティング活動・営業活動における企業の方針を適切に定めることができるでしょう。導入目的を明確にして、自社に最適な方法で顧客データベースを作成してください。

なお、重要な情報を扱うためセキュリティを万全に保ちたい、情報管理だけでなくマーケティング施策も効率的に行いたい、という場合は、最後にご紹介したSPIRALの導入もぜひご検討ください。