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ARTICLEGoogle Workspaceでの顧客管理はどうやればよい?
顧客管理の方法として、無料で使えるという理由でGoogle Workspaceの利用を検討している方もいるでしょう。Google Workspaceの中では、Googleスプレッドシートが顧客管理に適しています。ただし、注意点もあります。
この記事では、Googleスプレッドシートでの顧客管理の方法や注意点、加えて顧客管理システムについて解説します。顧客管理の方法でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそもGoogle Workspace とは?
Google Workspaceとは、Google社が提供する組織向けアプリケーションです。Google Workspaceは、チャットやオンラインミーティングによる社内コミュニケーションの強化や、各種ツールのスムーズな連携による業務効率化を実現します。またパソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットにも対応しているため、ネットのつながる環境であればどこからでも利用が可能です。
Google Workspaceでは、主に以下のツールが用意されています。
- Gmail
- カレンダー
- ドライブ
- Keep
- ドキュメント
- スプレッドシート
- スライド
- フォーム
- Chat
- Meet
- サイト
- 管理コンソール
上記以外にも、60を超えるサービスを利用できます。
顧客管理とは?
顧客管理とは、顧客の年代や居住地域などの基本情報や、過去の購買履歴などを一元管理することです。顧客管理を適切に行うことで、コミュニケーションによる顧客満足度の向上ができたり、顧客のニーズを把握できたりします。また、一度購買をした顧客に対するアップセルやクロスセルも可能です。そのため、売上をアップさせたいのであれば、有効な取り組みといえるでしょう。
顧客管理ではGoogleスプレッドシートを活用できる
Google Workspaceの中では、スプレッドシートが比較的顧客管理業務と相性がよいです。なぜなら顧客情報を一元管理でき、かつスプレッドシートの閲覧権限を付与すれば誰でも閲覧できるためです。1つのファイルで顧客管理ができれば、内容の共有が楽になりますし、他の社員のミスにも気づけます。スプレッドシートは無料で使えるため、金銭的コストがかからない点もメリットです。
Googleスプレッドシートで顧客管理を行う5つの手順
Googleスプレッドシートで顧客管理を行う手順は、以下のとおりです。
- Googleスプレッドシートを開く
- 顧客管理フォーマットを作成する
- 管理項目を入力し、レイアウトを見やすくする
- データ入力規則を活用する
- 共有設定をする
では、それぞれの手順について解説します。
1.Googleスプレッドシートを開く
まずは、Googleアカウントにログインしてスプレッドシートを開きます。もしGoogleアカウントがない場合は、作成しましょう。
Googleアカウントにログインしたら、「アプリ」をクリックし、「スプレッドシート」を選択します。そうするとスプレッドシートの画面が開かれるため、画面右下の「新しいスプレッドシートを作成」をクリックしましょう。これでスプレッドシートが利用できるため、顧客管理に利用するものであることがわかりやすいように名前を設定します。
2.顧客管理フォーマットを作成する
Googleスプレッドシートを開いたら、フォーマットを顧客管理用に整えます。もしすでにExcelで顧客管理をしている場合は、そのままコピー&ペーストも可能です。ただし関数によっては、Googleスプレッドシート上では機能しないこともあります。
3.管理項目を入力し、レイアウトを見やすくする
フォーマットが整ったら、顧客管理に必要な項目をセルに入力します。顧客管理に必要な情報としては、主に以下のものが挙げられます。
- 氏名
- 年代
- 性別
- 居住地域
- 連絡先
- 購買履歴
- 担当者とのやり取り
- 備考欄
項目の入力ができたら、項目部分のウィンドウ枠を固定しましょう。なぜならウィンドウ枠を固定することで、セルを大きく下や右に移動してもどの項目に対する入力内容なのか把握しやすくなるためです。ウィンドウ枠の固定は、メニューから「表示」→「ウィンドウ枠の固定」→「*行(項目名が並ぶ行)」の順で行います。
項目の部分は、必要に応じてレイアウトを変えて見やすくしましょう。例えば太字にしたり、枠の色を変えると見やすくなるためおすすめです。
4.データ入力規則を活用する
データ入力規則を活用することで、Googleスプレッドシートでの顧客管理が効率化されます。たとえば表記ゆれをなくしたり、パーセントや日時などの表示方法を統一することで、入力ミスを防げます。また関数やアドオンを活用することで、入力が必要なセルの削減も可能です。
データ入力規則の設定は、メニューから「データ」「データの入力規則」「条件」「リストを直接指定」の順番で行います。薄いグレーで記載されている入力欄に設定したいテキストを入力することで、入力内容の制限ができます。また、無効なデータの拒否や警告の掲示も可能です。設定ができたら、念のため正しく機能しているかどうか確認しましょう。
5.共有設定をする
最後に、Googleスプレッドシートの共有設定をします。そうすることで、複数の社員がGoogleスプレッドシートを閲覧・編集できるようになります。他の社員に与える権限は、「リンクを知っている全員が編集可」「リンクを知っている全員がコメント可」「リンクを知っている全員が閲覧可」の3つから選択可能です。もし複数の社員で編集したい場合は「リンクを知っている全員が編集可」、編集をさせたくない社員に共有する場合は「リンクを知っている全員が閲覧可」を選択しましょう。
Googleスプレッドシートはこのように複数の社員が利用できますが、閲覧権限のある社員が増えすぎるとミスやセキュリティ面での問題が出てきます。そのため、無制限に権限を付与するのは避けましょう。もし特定の社員間でGoogleスプレッドシートの共有をしたい場合は、「ユーザー」の箇所に共有したい社員のメールアドレスを入力することで可能となります。
Googleスプレッドシートで顧客管理を行う際の3つの注意点
Googleスプレッドシートで顧客管理を行う際の注意点は、次の5つです。
- セキュリティが万全ではない
- スマートフォンやタブレットから使用しにくい
- 検索や分析がしにくい
では、それぞれについて解説します。
1.セキュリティが万全ではない
Googleスプレッドシートは、セキュリティが万全とはいえません。確かにURLを知っている人しかアクセスできませんし、権限も編集や閲覧などに分けられますが、より細かなアクセス権の制限ができません。また、業種・業態による法律・ルール、会社の規定などで情報管理に関して厳しい条件を満たさなければならない場合、Googleスプレッドシートでは対応できない可能性があります。
特に顧客管理では、顧客に関する重要な情報を扱います。情報漏えいのリスクを抑えたいのであれば、Googleスプレッドシートでの管理が適しているか、事前によく検討するようにしましょう。
2.スマートフォンやタブレットからは使用しにくい
Googleスプレッドシートは、パソコンなどの大画面での使用を前提としているため、スマートフォンやタブレットのように画面の小さいデバイスだと使いにくいです。一応Googleスプレッドシートには、スマートフォンやタブレット用のアプリ版がありますが、やはりパソコン用のものと比べると使いやすさで劣ります。そのため、外出先で営業活動をしてそのまま顧客情報を入力することがやや難しく、パソコンを使うために一旦帰社する手間が発生してしまうことがあります。また顧客情報の入力を後回しにすることで、顧客情報を忘れてしまったり、入力漏れが出てしまったりする可能性がある点にも注意が必要です。
3.検索や分析がしにくい
Googleスプレッドシートの情報検索機能や分析機能は、専用のツールに比べるとあまり高くありません。顧客管理において、情報の管理だけでなく、検索や分析などを活用し高度なマーケティング活動を行いたいと考えている場合、物足りなく感じるかもしれません。また、Googleスプレッドシートは他のツールとの連携にも限界があるため、導入にあたっては注意するようにしましょう。
Googleスプレッドシートでの顧客管理が向いている3つのケース
Googleスプレッドシートでの顧客管理が向いているケースは、次の3つです。
- 顧客数があまり多くない
- 高いセキュリティ基準が求められない
- 社員のITリテラシーがある程度高い
では、それぞれについて解説します。
1.顧客数があまり多くない
Googleスプレッドシートは、情報量が多くなりすぎると動作が重くなってしまいます。しかし、顧客数があまり多くない企業の場合だとそのリスクは低く、Googleスプレッドシートでも問題なく対応可能でしょう。
2.高いセキュリティ基準が求められない
先述のとおり、業界の法律や社内規定などにより情報管理に関する厳格な基準が設けられている場合、Googleスプレッドシートでの対応は難しいことがあります。しかし高いセキュリティ基準が求められていない場合は、Googleスプレッドシートの持つ閲覧制限機能で充分かもしれません。ただし、いくら高セキュリティが必須とされていないとはいえ、顧客情報の漏えいは重大な問題であるため要注意です。
3.社員のITリテラシーがある程度高い
Googleスプレッドシートの操作は、ITツールの使用に慣れていない方にとっては少しハードルが高い部分もあります。そのため、Googleスプレッドシートを利用するのであれば、ある程度社員のITリテラシーが高いことが望ましいです。特に関数や各種設定について知識があるとなおよいでしょう。
顧客管理を顧客管理システムで行う3つのメリット
顧客管理を顧客管理システムで行うメリットは、次の3つです。
- データ入力ミスが起こりにくい
- 顧客情報を分析しやすい
- 顧客満足度を向上させやすい
では、それぞれについて解説します。
1.データ入力ミスが起こりにくい
多くの顧客管理システムでは入力に使用するテンプレート素材が用意されており、入力ミスのリスクを最小限に抑えることができます。案件管理、商談管理、スケジュール管理など、テンプレートに沿って情報を入力していくため、スプレッドシートよりも入力ミスが起こりにくいのがメリットのひとつです。
2.顧客情報を分析しやすい
Googleスプレッドシートは、先述のとおり顧客情報の分析に少し難がありますが、顧客管理システムはその弱点をカバーしています。例えば、以下のようなことができます。
- 問い合わせや購買履歴から顧客のニーズを明確化
- 契約率の高い顧客の共通点の発見
- トラブルやクレーム履歴からの問題点の把握
- 顧客情報の可視化によりPDCAサイクルの効率化
これらを迅速にこなせることは、顧客管理システムの大きな魅力の一つです。
3.顧客満足度を向上させやすい
顧客管理システムは、顧客満足度の向上実現を手助けしてくれます。顧客情報の管理・分析が行いやすいことで、情報を確認しながらスムーズにコミュニケーションができたり、顧客の属性に合った適切な製品やサービスの提供ができたりします。顧客満足度は売上を大きく左右する部分であるため、質の高い顧客管理によって向上させたいところです。
顧客管理システムを選ぶ際の4つのポイント
顧客管理システムを選ぶ際のポイントは、以下の4つです。
- 操作しやすい
- 閲覧・編集権限を設定できる
- 外出先から閲覧・入力できる
- コストパフォーマンスがよい
では、それぞれについて解説します。
1.操作がしやすい
操作のしやすさは、顧客管理システム選びにおいて重要なポイントです。なぜなら、システムを操作する中には、ITツールの利用が不得意な担当者も含まれることもあるからです。
確かに機能が充実していることも重要ですが、使いこなせなければ宝の持ち腐れです。できれば無料トライアル期間を活用して、操作方法や画面の見方などを確認するとよいでしょう。
2.閲覧・編集権限を設定できる
閲覧・編集権限の設定は、セキュリティリスクを防ぐうえで必須です。Googleスプレッドシートでもある程度権限の設定はできますが、顧客管理システムはより細かい設定が可能です。特に社員ごとに閲覧・編集できる情報を設定できることで、不要な情報の中から必要な情報を探す手間が省けるため、業務効率化にもつながります。
3.外出先から閲覧・入力できる
顧客管理システムは、スマートフォンやタブレットを使って外出先からも閲覧・入力できると便利です。なぜなら、外回りをする営業担当者でも空き時間でかんたんに顧客情報の入力ができるためです。また、外出先でも適宜入力しやすいことで、入力漏れの防止にもつながるでしょう。
4.コストパフォーマンスがよい
顧客管理システムは、確かに顧客管理の質や効率を上げてくれますが、コストは無視できません。予算は限られているため、その予算内でなるべく自社のニーズを満たせるような顧客管理システムを選ぶことが重要です。使わない機能が搭載されているものを選んでしまうと、その分の費用が無駄になってしまいます。このようなことを防ぐためには、まずどのような機能が自社の顧客管理において必要なのか、よく検討し洗い出すようにしましょう。
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まとめ
Googleスプレッドシートでも顧客管理を行うことは可能ですが、場合によっては、システムなどその他のツールを利用した方が望ましいケースもあります。本記事で紹介した内容を参考に、自社にあった顧客管理の方法を検討いただけると幸いです。