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ARTICLE認証方式の種類と選び方!それぞれの特徴を比較して解説
インターネットが広く普及した今、セキュリティは重要な要素の一つです。セキュリティにはいくつもの種類がありますが、それぞれの特徴を理解した上で導入を検討する必要があります。この記事では認証方式の特徴や選び方について紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
認証とは
Webサービスやコンテンツを利用する際にセキュリティの一環として行われるのが、認証と呼ばれる処理です。では、この認証とはいったいどういったものなのでしょうか。この記事では認証について詳しく紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
認証の重要性
一般的なWebサービスでは、事前に個人のアカウントを作ることを求められることがあります。アカウントを作ることでさまざまなサービスを利用できるようになり、過去に見た動画や写真、チェックした商品など、自分が今まで閲覧した履歴を確認できるようになります。このように自分のアカウントを作成することで、Webサービスやコンテンツをより便利に活用できるようになるのです。
しかし一方で、このような情報には、個人を特定できるような情報も含まれています。そういった情報が第三者に漏れるのを防ぐためにも、認証システムは必要なものだといえるでしょう。
認証の脅威
認証に対する脅威は、そのWebサービスやコンテンツがどのような機能や価値を提供しているかによって変わってきます。たとえばインターネットバンキングや仮想通貨などのWebサービスであれば、必然的に悪意のある第三者の攻撃にさらされる頻度が高いといえます。
また多くの個人情報やクレジットカード情報などを登録する必要のあるWebサービスも同様に、情報漏洩のリスクが高まるため、強固なセキュリティ対策を施す必要があるでしょう。
不正アクセス
昨今のリモートワークの普及により、社外から自社のビジネスデータにアクセスする機会はますます高まる傾向にあります。それに伴って気をつけなければならないのは、不正アクセスへの対策です。大きな時代の転換点を迎えている中、今一度自社のセキュリティ対策について見直してみてはいかがでしょうか。
不正アクセスの現状
悪意ある第三者によるパスワード情報の流出は後を絶ちません。その手口はさまざまで、たとえばフィッシングサイトなどから入手したケースや、スパイウェアなどのプログラムを使用して入手したもの、他人から購入したもの、共犯者から入手したものなど、実に多彩です。
そして、その盗み出す方法はますます複雑化しているのが現状です。自社の重要なデータを守るためには、セキュリティ対策はもちろんのこと、情報漏洩のリスクに対する一人ひとりの意識を高めることが非常に重要となってきます。
パスワードに認証の脆弱性
IDとパスワードによるログイン認証は、ユーザーの認証方法として今も広く使われています。ですが、それゆえにさまざまな不正アクセスを引き起こす元凶であるともいわれています。実際に不正アクセスが絡む情報流出の約8割以上が、IDやパスワード情報の盗難や使い回しに関連しているといわれています。
容易に推測可能な文字の組み合わせをパスワードに用いることや、同じパスワードをいくつものサイトで使いまわすこと、逆にいくつものパスワードを作りすぎて使用者本人がわからなくなってしまうこと、パスワードを書いたメモを紛失してしまうことなど、情報流出の原因にはヒューマンエラーの割合も一定以上占めています。こういった使用者の管理不足も含め、パスワードを用いた認証方法は大きな脆弱性をはらんでいるといえるでしょう。
認証方式を選ぶ際の基準
では、自社のビジネスデータを守るためには、どのような認証方式を選ぶのがよいのでしょうか。企業によって取り扱っている情報や提供しているサービスはそれぞれ違うため、決まった正解はありません。ですが、その基準となるべきものはあるので、どういったものが自社にとって最適なのか、1つの検討材料にしてみてはいかがでしょうか。
安全性
認証方式で最も重要視すべきなのは、やはり安全性になります。安全性については、具体的にこのような観点で見ることが重要となります。
- ソーシャルエンジニアリングに強い
- 予想されにくい
- 複数要素であること
上述したように、パスワード認証だけでは、さまざまな観点から情報漏洩のリスクが高いといわざるを得ません。よって、多要素認証を用いてセキュリティを強化することが重要となってきます。その上でパスワードは予想されにくいものにすることや、また画面の盗み見や盗聴に強い認証方法を選ぶのが重要となってきます。
利便性
次に重要な項目となるのが利便性です。利便性の観点から見るべき基準は以下のものになります。
- 簡便さ
- 携帯性
- パスワードの覚えやすさ
認証は日常的に行うものです。したがって、複雑で覚えにくいものや、認証に時間をとられて業務に支障が出てしまうようなものは避けなければなりません。日々の業務の効率化を図れる認証システムを導入することが重要となってきます。
ワンタイムパスワード
ワンタイムパスワードとは、使い捨てのパスワードを使ってログインを行う認証方法のことを指します。ワンタイムパスワードを発行するとメールアドレスや電話番号などにパスワードが送られ、それを入力するとログインできるようになります。
概要
ワンタイムパスワードには、大きく2つの種類があります。それは、タイムスタンプ認証とチャレンジレスポンス認証です。
タイムスタンプ認証は、認証する際の時刻をもとに使い捨てのパスワードを生成します。トークンアプリと呼ばれるワンタイムパスワードを発行する専用のアプリからパスワードを発行して、表示されたいくつかの数字を入力すると、ログインできるようになります。
チャレンジレスポンス認証は、ランダムに生成された文字列に対し、あらかじめ用意された計算式に正解となる結果を入力することでログインできるようになる認証方法のことを指します。
特徴
ワンタイムパスワードは、高いセキュリティを保持できるのが最大のメリットです。多要素認証とも相性がよく、使い勝手のよい認証方法になります。一方でデメリットとしては、システムそのもの、またはトークンのアプリそのものが何らかの理由で使用できなくなってしまった場合、認証そのものが行えなくなるリスクがあります。
リスクベース認証
リスクベース認証とは、ログインを必要とするシステムにおいて、使用者の行動パターンや使用OS、IPアドレス、アクセスログなどの情報から本人かどうかを識別し、場合によって追加の質問を行う認証方法のことを指します。これにより、さらに安全な認証を行えるようになる認証方法です。
概要
リスクベース認証では、普段の利用者本人の行動と違うパターンでアクセスしてきた場合に、本人かどうかを判断するための追加の質問を行うような仕組みになっています。この場合の質問は、事前に登録した「秘密の質問」が使われます。「秘密の質問」を使うことによって、なりすましの認証を防ぐ狙いがあります。
特徴
リスクベース認証のメリットは、「秘密の質問」によって、なりすましを防げることです。これにより、利用者の負担をかけずにセキュリティを高められます。一方でデメリットは、この「秘密の質問」自体を本人が忘れてしまった場合、ログインそのものができなくなってしまい、結果手間がかかってしまうことがある点です。
マトリクス認証
マトリクス認証は、ワンタイムパスワードの種類の1つとなります。通常の利用者本人が作成したパスワードを入力するタイプのものではなく、文字の並びのパターンを入力する認証方法になります。
概要
マトリクス認証は、ランダムに生成されたいくつかの文字を正しくその通りに入力すると認証できる方法です。この認証方法はブルートフォースアタック(総当たり攻撃)や辞書攻撃を受けずに済むため、安全性が高い認証方法といえるでしょう。
特徴
メリットは、パスワードを覚えたり管理したりする必要がないため、パスワード情報の漏洩リスクそのものを減らす点にあります。また、ワンタイムパスワード生成に必要なトークン機器やアプリケーションなどが必要ないことから、導入コストを抑えられます。
電子証明書
電子証明書とは、主に公共機関なので使用される証明書のことを指します。電子認証局から発行されるものを主に電子証明書と呼びます。
概要
電子証明書は、現実世界で本人が行っている署名や捺印などを電子化して、それを認証に用いる方法のことを指します。主な使用場面は、契約書、請求書、議事録、申込書、稟議書、保存文書などがその代表といえるでしょう。電子証明書は、本人が作成したものであるといった証明性を担保しており、万が一、悪意ある第三者に改ざんされることがあったとしても、問題があったか本人に確認できるため、一定以上の安全性を保持しやすいのが特徴です。
特徴
電子証明書のメリットは、管理や整理がしやすいことにあります。またペーパーレス化も図れるため、コスト削減にもなります。デメリットとしては、電子証明書の性質上、行える取引が限定されてしまうことがある点です。また電子証明書の取り扱いには注意する必要があり、サイバー攻撃を受けた際、機密性の高い情報が第三者に漏れてしまいやすいリスクがあります。
生体認証
生体認証とは、個人の持つ身体的特徴を認証に活用するシステムのことを指します。身体的特徴は本人しか持っていない固有の情報になるため、複製することが非常に困難です。情報の秘匿性が高い企業では、この生体認証を活用することによって、情報の機密性を保持しているケースが多々あります。
概要
生体認証は、主に以下のような認証方法があります。
- 指紋認証
- 静脈認証
- 虹彩認証
- 顔認証
- 音声認証
- 耳介認証
- DNA認証
- 行動認証
これらの認証方法は、実にさまざまな現場で用いられています。スマートフォンやPCのロック解除、銀行のATMや企業でのID認証、ライブ会場や空港の入退場、犯罪捜査や医療現場など、挙げるだけでもその実用例は多岐にわたります。
特徴
生体認証のメリットとしては、なりすましを防げる点にあります。個人の持つ身体的特徴を認証に用いることから、なりすましを行うことが非常に難しく、強固なセキュリティを保持できるようになります。一方、デメリットとしては、生体情報のバックアップを常にとる必要がある点です。たとえば、認証部位の怪我や傷、またメイクなどでも認証精度が大きく変化してしまうため、常に複数の生体情報を保存しておくことが推奨されています。
認証技術の今後の展望
これからの認証技術は、従来のパスワード認証に代わる革新が期待されています。
ここでは認証技術の最前線と今後期待される技術について紹介します。
ニーモニック認証
ニーモニック認証は、ユーザーがあらかじめ選んで登録した複数の画像を使用して、認証時にその画像を選択することでアクセスを許可する方法です。
文字ベースのパスワードと異なり、視覚的に記憶しやすい点が特徴的な認証方法であり近年注目を集めています。ニーモニック認証は他人による推測が困難になる一方、画像登録や選択の手間が利用者の障壁となることがあり、現状の普及は限定的といえる状態です。
AI顔認証
AIを活用した顔認証は、非接触で衛生的な認証方法として注目されています。
専用の機器が不要な場合も多く、カメラによって取得された顔の特徴を利用し、正確な本人確認が可能です。製品によってはマスク着用時でも高精度な認証もでき、セキュリティや利便性の観点からさまざまな場面での導入が進んでいます。
マルチモーダル認証
マルチモーダル生体認証は、複数の生体情報を組み合わせて本人確認を行う新しい技術です。
たとえば、指紋認証と顔認証を同時に使用することで、偽造や誤認証のリスクを低減します。複数の生体情報を融合させることで、セキュリティが強化される一方、導入コストやプライバシー保護に関する課題も存在することから今後の発展が期待される認証技術です。
多要素認証のメリットとデメリット
認証方式には複数のものを組み合わせる多要素認証が存在しますが、いくつかの利点と課題があります。
メリット
要素認証の最大のメリットは、セキュリティが強化される点です。
異なる要素を組み合わせることで、攻撃者が一つの認証を突破しても、追加の認証が求められるため不正アクセスが防げます。また、柔軟性があり、不審なアクセスがあった場合に追加認証を求めるなど、状況に応じた対策が可能です。
こうした背景から、金融機関や企業の機密情報を保護するために広く導入されています。
デメリット
多要素認証のデメリットとして、利便性の低下が挙げられます。
複数の認証を行う手間が増え、ユーザーにとってはログインや業務の進行が遅れる可能性があります。また、導入や運用にはコストがかかり、企業によっては高額なシステムの設置や保守が必要となります。
これらの要因から、生産性の低下を懸念する声もあります。
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まとめ
このように、認証方法にはさまざまな種類があります。重要なのは、自社の取り扱っているビジネスデータに応じて最適な認証方法を取り入れることにあります。この記事を参考に、今後のセキュリティ対策について検討してみてはいかがでしょうか。