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ARTICLE定期購入システムとは?導入のメリット、手順や注意点について
定期購入システムは定期的な製品やサービスの購入を支援するためのシステムです。ここでは定期購入システムを導入する必要性とメリットや定期購入システムの機能を説明します。さらに導入する際の具体的な手順や作業と導入時の注意点も解説します。
目次
定期購入システムとは?
定期購入の種類
定期的に物品やサービスを購入する定期購入の仕組みは、サブスクリプション、リピート通販、単品通販、頒布会などいくつかの種類に分類できます。
サブスクリプション
サブスクリプションは、一般的に1カ月単位で固定の料金を支払うことにより物品やサービスを利用もしくは入手できる販売スタイルのことをいいます。よく知られているのがNetflixやHuluなどによるビデオオンデマンドサービスです。毎月、比較的手ごろな金額で、サイト内に公開されているすべてのコンテンツが見放題のサービスです。顧客候補を顧客化するために最初の1カ月はお試し期間として無料にするなどして、入会のハードルを下げるような施策を行うこともあります。
サブスクリプションとは?特徴やメリット、定期購入との違いも解説
リピート通販
リピート通販は物品を対象として、定期的に一定数量の物品の提供を受けるスタイルのことをいいます。できるだけ長期間に渡り購入を継続してもらうために、一定期間以上購入を継続した場合には価格の割引を行う、物品提供のインターバル期間を顧客の要求に応じて調整するサービスなどもあります。リピート通販において、提供される物品が常に同じものである場合を単品通販といいます。
頒布会
頒布会はサービス提供者が選んだ物品をセットにして定期的に顧客に届ける販売スタイルをいいます。たとえば地域の有名地酒をまとめた「〇〇地方の地酒セット」や、旬の果物を厳選した「〇〇がおすすめする夏の果物セット」など、顧客は定期的に提供される商品セットの中身を開けるときの楽しみが増えます。他方で好まないものが入っていることがあるデメリットもあります。
定期購入システム
定期購入システムは定期的な物品やサービスの購入をスムーズに行う目的で構築されるシステムで、定期購入を希望する顧客情報を管理し定期的な発注を自動的に行います。電子的な決済機能やシステムに登録された顧客のサイト内における行動履歴や購入履歴などの情報を分析し、顧客に対して各種製品やサービスの情報を発信することにより、売上向上に貢献します。
定期購入システム導入の必要性
定期購入システムを導入することにより、顧客情報を一元的に管理するとともに、顧客毎のサービスの提供や課金設定を細かく設定することが可能です。
また顧客が登録した性別、年齢などの個人情報に加え、サイト内における購入履歴や閲覧履歴などの情報を利用することで、顧客毎や顧客グループの単位で新たなサービスや物品情報を提供し、売上の増加に貢献できる可能性があります。
定期購入システムを導入するメリット
顧客管理や在庫管理がしやすい
システム上における顧客データを利用して月々の顧客数と顧客ごとの製品の発注量が予測可能なため、月々の製品の販売数量と販売金額がある程度の精度を持って把握可能です。このため無駄な在庫を持つ必要がなく効率的な在庫管理につなげられます。
安定した収益が期待できる
定期的にサービスや製品の提供を継続して行う定期購入の性格上、顧客の数や販売する製品の数は短期間で大幅に減少する可能性は低いと考えられます。
顧客数から販売数量の予測が、販売数量×単価から販売金額の予測ができ、収益においてひとたび黒字が実現できると、それ以降安定してその状態を維持していくことが可能です。つまり安定した収益が期待できることを意味します。
初期投資が抑えられる
定期購入は性格上、特定の製品に限定した販売スタイルが取りやすい特徴があります。従ってシステム導入の初期段階においては扱う製品を絞り込むことにより、サイトを比較的単純な構造で作ることができ、その結果、初期投資金額の抑制が可能になる場合があります。
合わせて読みたい記事「定期購入の管理とは?仕組みや利用メリット・セキュリティ面を解説」
定期購入システムの機能
定期購入システムが持つ主要ないくつかの機能について紹介します。
顧客管理機能
顧客管理機能は顧客ごとの個人情報を安全にかつ一元的に管理する機能です。サイト内における顧客の行動履歴や購入履歴、更には操作履歴から1人1人の嗜好を把握することにより、新たなサービスや物品をレコメンドします。また、顧客へのレコメンドなどの各種販売強化策を織り込み、サイトにおける中長期的な販売の戦略や計画の策定に利用します。
自動受発注機能
定期購入システムでは、定期的に顧客に対して商品を届けるために、登録された顧客毎に定期的に自動受発注処理が行われます。顧客ごとに商品の数、配送周期や配送日などの設定が異なりますので、これらをシステムで細やかに管理し個別に対応します。
継続課金機能
継続課金機能は、定期購入サービスにおいて一定期間に発生する固定の金額をシステムとして自動的に課金して、継続していく機能です。自動受発注機能による定期的な注文処理のトランザクションの一環として実行されます。
ステップメール機能
顧客との接点を維持し、顧客に対して製品の情報提供を行い、最終的に定期購入顧客になってもらうことを目的とした機能です。最初はサンプル品の無料提供やトライアルサービスを無料で一定の期間利用可能、商品やサービスに関するキャンペーンの案内を配信などのメールによる案内を通して定期購入顧客になってもらうことを目指します。ただし、しつこく勧誘しすぎて顧客に拒否されることがないように、勧誘の強弱バランスを考えて配信することが求められます。
マーケティング機能
サイトの顧客毎や顧客グループ単位における購入履歴、サイト内におけるコンテンツの閲覧履歴や操作履歴などの情報を収集・分析して、新たな製品やサービスのレコメンドを行う機能です。また、お試し期間の利用客や無料サンプルの利用客を対象にしてアンケートを実施し、顧客の嗜好を分析・把握した上で、顧客になってもらえる可能性を見出し製品やサービスのリコメンドを行います。
定期購入システムを導入する際の手順
コンセプトと要件定義
定期購入システムを構築するにあたり最初に検討しなければならないのがシステム構築のコンセプトです。「どのような目的でどのようなシステムを作るか」の最も根幹となる部分について、主たる関係者が集まり、協議を重ね作り上げていきます。コンセプト作りは結論も重要ですが、それと同様に、関係者で議論を行う過程もとても大切です。
関係者の思いをぶつけることにより、協議に参加したメンバーの考えを理解でき、その結果、皆のベクトルをあわせられ、システム構築のための求心力をアップさせることにもつながります。システムを構築する過程で課題が発生した場合に特定の関係者だけで決めるのではなく、皆の知恵を利用できる土台作りを行ったことにもなります。
「高齢者でも容易に使いこなせるシステムを作ろう」がコンセプトになったと仮定すると、これを実現するために、わかりやすいシンプルな画面構成や画面遷移、いたずらに機能を搭載せずに必要最低限の機能に絞って実装していくなどの実装方針が決まります。
次のステップとして、搭載すべき機能を洗い出し、の機能を実現するための画面や操作ロジックなどを確定して要件定義書としてまとめ設計・開発の入力情報とします。
設計・開発
設計・開発では要件定義書に書かれた機能の実現手段をまずは決定しなければなりません。
クラウド型、オンプレミス型の選択
システムの実現方法としてクラウド型、オンプレミス型のどちらの手段で実現するかを決定しなければなりません。クラウド型は定期購入システムをソリューションとして提供するベンダーのシステムを利用する方法です。ソリューションベンダーは、彼らが構築したサーバー上に定期購入ソフトを載せ、定期購入システムのソリューションとして提供します。
このソリューションにおいて、最低限のオプションの選択やパラメータの設定を行うことで、すぐにサービスを開始することが可能です。ユーザー企業側は経験や技術力がなくとも、定期購入システムをすぐに稼働できます。これがクラウド型の最大の特徴です。ただし、ベンダーのサービスを利用するためには初期費用や月々のランニング費用に加え、年間ベースで保守料を支払うのが通常のクラウドサービス利用における発生費用です。
オンプレミス型の場合は、自社にてシステムを稼働させるサーバーと、そこに載せる定期購入システム用のアプリを用意する方法です。
パッケージ、スクラッチ開発の選択
アプリの調達方法には2つの方法があります。アプリまで自社で開発する方法と、パッケージソフトを購入しこれをサーバー上にポーティングする方法です。自社で用意する方法が自社の要求仕様にできるだけ合わせたシステムを実現できるので最適ですが、自社でソフトまで用意するとなると、システム構築の経験や技術力、開発するまでの期間の猶予、ソフトを開発する開発者の確保などが必要になります。これらの条件がすべてそろうのであれば、自社開発も可能でしょう。です。いずれにせよ、以上の条件に照らし、クラウド型、オンプレ型を含め開発方針を確定させて進める必要があります。
コンテンツの登録
システムの開発が完了すると、システムのテストに向けてコンテンツの登録作業を行います。システム上で必要となる顧客情報や製品情報、在庫情報、関連イベント情報や関連する画像データなどです。これらのデータをシステムに登録して初めて、システムの利用者は、ログインしてシステムを利用できるようになります。
テスト
設計作業の過程で、当然ながら動作の確認を行いつつ実装を進めていきます。従って、少なくとも設計者からみれば、「システムは問題なく正常に動作し、設計通りのはずだ」と考えていますが、特定の条件が重なることによって予期しない不具合が発生することがあります。
これらの不具合を見つけ出すために、用意されたテスト仕様書に沿いながら、システムに搭載されたの機能を端から端まで繰り返しテストを行っていきます。その過程で発生した不具合や「こうあるべき」などの点までも含め、設計サイドへフィードバックします。これらのフィードバックを受け、設計側は指摘項目に対して1件ずつ対応していきます。指摘項目への対応方針と対策が完了すると、ようやくテストフェーズは終了となります。
最終ステップとして、社内の関係者および顧客に対してシステムリリースの正式な案内を出し、システムの本格的な稼働が開始されます。
定期購入システム導入時の注意点
ランニングコスト
オンプレミス型でシステムを構築し、アプリも自社開発した場合、自社内で発生するユーザーサポートやシステムの維持、メンテナンスに伴う人件費が発生コストになります。
オンプレミス型においてアプリのみパッケージで準備した場合に加え、アプリからサーバーまで含めベンダーからクラウドサービスとしてすべての提供を受ける場合は、初期導入費用と月々のランニング費用に加え、ソリューションによっては、これら以外に年間ベースでメンテナンス費用が発生するものもあります。
以上の実現方法ごとに発生する各種投資費用とシステムの導入によって得られる効果を比較し、自社に合った方法を選択しましょう。
サポートする決済方法
利用者が支払う月々の費用の決済手段はさまざまな利用者がいることを想定し、できる限り多くの決済方法をサポートすべきです。クレジットカード決済、銀行振り込み決済、後払い決済、コンビニ決済は最低限サポートしたいところです。
クレジットカード決済はできるだけ多くの種類のカードをサポートすべきですが、中には、カード情報を登録することを嫌う利用者もいますので、クレジットカード決済以外の方法も用意した方が良いでしょう。利用者によってはサービスを利用した後、もしくは商品が手に届いた後での支払いを希望する人もいますので、これに対応するためには後払い決済への対応が必要です。
また、これらの決済手段のいずれも使いたくない、もしくは使用できない人を想定する場合は、コンビニ決済も用意したほうがよいでしょう。
使いやすいデザイン
使いやすいデザインには2つの意味が含まれています。1つ目の意味はサイトを見たときのレイアウトや配色を含めた全体的な印象として使いやすそうで、使ってみたくなるようなデザインであることです。これを実現させるためには、全画面を通してデザインのコンセプト、色使い、パーツのレイアウトなどに統一感が必要になってきます。
2つ目の意味は実際に、操作してみたときに、探したい機能や項目にすぐにたどりつけるか、設定したいことがスグすぐにできるかなど、ユーザー視点から見た使い勝手に考慮されたデザインとなっているかです。テスト時に不具合の洗い出しを行ういつつ、同時にユーザー視点での使い勝手をチェックしてもらいましょう。
セキュリティ対策
システムを構築する上で忘れてはならない点がシステムを安全に稼働させるためのセキュリティ対策です。顧客情報や各種物品の情報が外部に流出してしまうことは致命的です。顧客は離れていき、システムの稼働の継続は困難となり会社としての信用問題に発展する可能性があります。このような深刻な事態に発展する可能性のあるセキュリティ対策は、最大限行う必要があります。
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まとめ
定期購入システムを導入する必要性とメリット、さらに導入する際の手順や作業と注意点を解説してきました。導入にあたっては、初期のシステム検討段階においてコンセプトをしっかりと固めたうえで、後戻りのないシステムづくりに心がけましょう。