会員サイト構築の記事

ARTICLE
会員サイト構築

PHPを活用した会員制サイトの作り方は?セキュリティについても解説

掲載日:2021年8月16日更新日:2024年2月21日

会員制サイトを作るにはいろいろな方法がありますが、その中のひとつにPHPを使った方法があります。今回は会員制サイト作成時にPHPを使うと何ができるか見ていきましょう。サイトを作る際に考えることやセキュリティについても解説しています。

会員制サイトとは

会員制サイトとは

会員制サイトとは、会員になった人だけが閲覧できるサイトのことで、会員とのコミュニケーションツールとしても使えます。会員制サイトを作成するメリットとして、以下の3点があります。

・会員と良好な関係性を作れる
・限定コンテツやツールを提供できる
・会員に継続してもらいやすい

会員制サイトは、会員個人を特定したコミュニケーションが図れるため、会員と良好な関係性を作れます。たとえば会員制サイトにログインした際に「○○さん、こんにちは」と会員の名前が表示される場合があります。閲覧履歴などから判断し、表示するページの内容を変更してくれる場合もあります。こういった個人を特定し、特別感を演出することで、企業と会員はより良好な関係性を作れるでしょう。

また、限定コンテンツやツールをサイト上で提供できるのもメリットです。会員制サイト登録時に住所や氏名、カード情報などを入力しておけばコンテンツやツールの販売時に手間をかけず購入できます。販売が簡略化され、会員の手に届くまでの手間が少なければ少ないほど便利さを感じてもらえるでしょう。

さらに、クレジット決済機能で会費の支払いが自動化されることや、継続して使っていくことで安心感を感じられるサイトとして認識されることで、継続率の向上も見込めるでしょう。

会員制サイトの作り方

会員制サイトの作り方

多くのメリットがある会員サイトですが、作成方法には大きくわけて以下の3つがあります。

・ASPサービスを利用する
・CMSにプラグインを導入する
・PHPなどで会員制サイトを作成する

順番に見ていきましょう。

ASPサービスを利用する

ASPサービスはインターネット上で提供されるクラウドシステムで、インターネット接続が可能なパソコンがあれば会員制サイトの構築ができます。ASPは目的に合わせてさまざまなサービスがあるため、会員制サイトを作成したい場合は会員制サイト用に作られたASPサービスを利用します。これにより会員制サイトに必要な機能を備えたサイトを作成できるのです。また、比較的安価で利用できるほか、セキュリティもサービス提供側が常に新しいものに更新するため安心です。

CMSにプラグインを導入する

CMSはContent Management Systemの略で、HTMLやCSSなどの専門知識がほとんどない状態でも簡単にサイト作成ができるシステムです。すでにCMSで作られたサイトを持っている場合、必要な機能を持ったプラグインを導入するだけで会員サイトが完成します。

CMSを使ってはじめからサイト作成をする場合でもサーバー代とドメイン代など安価に始められるので、自身の手でサイトを作成してプラグインも選びたい場合、CMSで作成するといいでしょう。ただし使用しているテーマとプラグインの相性などもありますので、注意して導入する必要があります。

PHPなどで会員制サイトを作成する

ログラミング言語であるPHPなどを利用して、会員制サイトが作成できます。もちろん上記で説明したように、専門知識がない状態でも、CMSにプラグインを導入することでサイトの作成は行えます。しかしPHPで作ることにより、一層機能やデザイン性のある会員サイトを作成できます。

今回はPHPで会員制サイトを作成する方法を、詳しく見ていきます。

PHPとは

PHPとは

PHPとはどういったものなのか、似たプログラミング用語であるJava Scriptとの違いやPHPで作成されている実際のサービスを見ていきましょう。

PHPとはプログラミング言語のひとつ

PHPはHypertext Preprocessorの略称で、動的なコンテンツが作れるプログラミング言語です。動的なコンテンツとはサイト訪問者や訪問時間によって、同じURLであるのに表示が変わるコンテンツをいいます。サイト作成の基本のHTMLだけ学んでも、動的なコンテンツがなければサイトとして機能しません。PHPがないと、たとえばブログを書いたとしても更新できずコメントの反映も行えない事態になってしまいます。PHPは理解しやすい言語で独学でも学ぶことができ、基本的な文法を覚えればすぐに簡単なプログラムを組んでサイト作成ができます。

また、プログラムを使ってHTMLを作成できるので、入力された個人情報に合わせて専用のユーザーページを作成することもできます。

PHPとJava Scriptの違い

同じ動的コンテンツを作る点で、PHPとJava Scriptは同じように見えますが少し違います。PHPとJava Scriptの大きな違いは、PHPはサーバーサイドで動くこと、Java Scriptはクライアントサイドで動くことです。サーバーサイドとはアプリケーションを実行する場所がサーバーで行われること、クライアントサイドはアプリケーションを実行する場所がホームページに訪れた利用者によって行われることです。

クライアントサイドが利用者のパソコンやスマートフォンのブラウザによってプログラムの実行を行っているのに対し、サーバーサイドはアプリケーションを提供する側がプログラムを実行します。これにより、Java Scriptの場合はどのようなプログラムで動いているのか見られますが、PHPの場合は外部から見ることはできず、ユーザーの目に見えない部分の処理を構成するのです。

PHPで作成されているサービス

PHPを利用しているサービスとして有名なものに、以下の3つがあります。

・WordPress
・Facebook
・Yahoo!

順番に見ていきましょう。

WordPress

WordPressは上記の「会員制サイトの作り方」で説明したCMSの代表格ともいえるシステムで、レンタルサーバーにインストールして使用します。WordPressは無料で手軽に利用でき、専門知識も必要なくブログやサイトの作成ができるので、世界中で利用されています。このWordPressのコアソフトウェアの大部分はPHPで書かれているため、PHPを理解することでWordPressのカスタマイズも可能です。

Facebook

Facebookは世界中で利用されているSNSです。動画や静止画、長いテキストの投稿もできます。このFacebookのWebサーバーで動作するプログラムは、PHPで開発されたものです。現在はFacebook独自の言語であるHackを使用しています。

Yahoo!

Yahoo!は知らない人はいないほど有名な日本最大のポータルサイトです。サーバーの構成からアプリケーションのレイアウト、セキュリティにいたるさまざまな分野でPHPが使用されています。

会員制サイトを作る際にPHPでできること

会員制サイトを作る際にPHPでできること

実際に、会員制サイトを作る際にPHPでできることは例えば以下の6つがあります。

・ECサイトの制作
・問い合わせフォームの実装
・予約システムの実装
・APIとの連携
・検索機能
・広告配信システムの開発

順番に見ていきましょう。

ECサイトの制作

ECサイトとはオンラインショッピングができるサイトのことです。ECサイト制作のために必要な機能として、カート機能やログインユーザー機能、決済機能が挙げられます。さらに利用者の購入操作に応じて出品中の商品の在庫数を変えたり、購入した利用者にほかのおすすめ商品を提示したりといった機能も付けられます。

これらの機能を実装するためにはサーバーサイドの言語が必要です。サーバーサイド言語は利用者が入力した情報をデータベースへ保存し、処理結果を必要に応じて返す役割を持つため、PHPをはじめとするサーバーサイドのプログラミング言語が利用されます。

問い合わせフォームの実装

問い合わせフォームの実装もPHPでできることの一つです。多くのWebサイトには問い合わせフォームがついていて、利用者の意見や要望を広く集めるのに適しています。たとえばWordPressなどのCMSでサイトを持っている場合、PHPを使わずともプラグインを導入することによって問い合わせフォームの設置ができます。

しかしセキュリティの関係でプラグインが使えなかったり、機能面でプラグインに不満を感じたりした場合、自身の手で問い合わせフォームを作成する必要が出てきます。

予約システムの実装

予約システムとは言葉のまま人に代わって予約を承るシステムで、美容院やスポーツジムなどホームページから予約をするのに適した業種なら取り入れておきたい機能です。もちろんプラグインで導入もできますが、前述のさまざまな理由により自作する必要がある場合、PHPで実装できます。

予約システムはさまざまな機能を持ったものがありますが、PHPを使うことで空き状況や予約可否状況をリアルタイムに表示する機能や、予約内容の確認画面、予約状況の確認に使うマイページなどが実装できます。

APIとの連携

APIとは決まった入力に対して決まった反応を返してくれるツールです。ひと言で表わすと難しいのですが、たとえば郵便番号を入力すると住所を反映してくれるシステムや、SNSで一定間隔で投稿するシステムなどがAPIにあたります。APIは決まった形式でアクセスを受け付けると仕様通りの結果を返すものとなっています。PHPはAPIと連携してさまざまなサービスを実装できます。

検索機能

ショッピングサイトなどで商品を探すのに利用する検索機能も、PHPで実装できます。検索機能を使うことによって自分の探している商品をすぐに見つけられるので利便性が上がります。

広告配信システムの開発

PHPでWeb広告の配信システムの開発も行えます。Web広告は利用者の検索履歴をもとに、利用者の興味を惹きそうな広告をプログラムが判断し、ブラウザ上に表示します。

またその際、リンクをクリックしてから広告が表示されるわずかな時間に、プログラムの判断に基づいて広告配信向けのオークションが行われることもあります。このオークションで競り勝ったWeb広告が実際に表示され、利用者の目に入るのです。こういった瞬時に判断がいるプログラムの開発にも、PHPは使われています。

会員制サイトが作れるWordPressのおすすめプラグイン3選

プラグインをご検討される際は、プラグインに脆弱性がないかをご確認ください。脆弱性の調査方法「WPScan」 https://wpscan.com/ (虫めがねマークをクリックしプラグインを検索してください。)

以下に会員制サイトが作れるWordPressのおすすめプラグインを3つ紹介していきます。

Ultimate Member

https://ultimatemember.com/から引用

WordPressのUltimate Memberは無料で使い始めることができて、かんたんに会員制サイトを作ることができます。

またWordPressのプラグインのダウンロード数も20,000以上で評価も4.5と非常に知名度のあるプラグインです。以下にその機能の一部をまとめました。

  • 簡単に会員機能を導入できる
  • ソーシャルアカウントでのログインができる
  • 会員登録するまでのコンテンツ制限を細かく設定できる
  • 様々な決済機能を導入できる(PayPal、Stripe、net)
  • 掲示板を設定できる(有料版)
  • ユーザー同士のフォロー機能(有料版)
  • 決済機能の導入(有料版)

このように会員制サイトを作成する上で必要になる機能をかなり細かく設定することができます。
しかし拡張機能に関しては有料版を購入する必要があります。価格は2022年4月時点で年間249ドルからとなっています。

WP Members

WP Membersは無料で簡単に会員制サイトに必要な機能を導入することができます。
基本的な機能は上記で紹介したUltimate Memberと同様ですが、会員の種類を分けることができないなどのデメリットもあります。

2022年4月時点で有料版の使用料は59ドルからとなっており、Ultimate Memberより安くなっています。またダウンロード数も80,000以上となっており、評価も4.5と人気が高いため、わからないことがあっても調べることにより、情報がすぐにでてくることもメリットの1つです。

シンプルに会員と非会員を分けるだけの機能で問題ない場合はWP Membersを利用するといいでしょう。

Simple Membership

Simple Membership完全に無料で会員制サイトに必要な機能を導入することができるプラグインです。また日本語にも対応していうため使いやすいのも特徴です。以下にSimple Membershipのメリットをまとめました。

  • 完全無料のためランニングコストがかからない
  • PayPal、Braintree、Stripeの決済機能が使える
  • コンテンツの制限をすることができる
  • 会員メンバーの管理をすることができる
  • APIを利用して、フィルターフック、アクションフックを設定することができる

このようにSimple Membershipは他のプラグインでは有料だった機能も完全無料で使うことができますが、その一方で会員登録フォームの項目を変更することができなかったりなど、有料プラグインにしかないサポートや機能などもあるため、自分が作成する会員制サイトに必要が機能がサポートされていることを確認した方が良いでしょう。

WP Member Login by SPIRAL

https://www.spiral-platform.co.jp/solution-app/wp-mls/から引用

WP Member Login by SPIRAL」は、スパイラル株式会社が提供しており、官公庁や金融機関も信頼する強固なセキュリティに守られたセキュアな会員制サイトが簡単に作れるWordPress公式のプラグインです。
以下に「WP Member Login by SPIRAL」でできることをまとめました。

  • ログイン機能で閲覧できる情報を制限
  • 会員限定記事を投稿できる
  • 高水準のセキュリティ対策
  • プログラムの知識不要で簡単設定
  • 決済システムも使用可能

会員制サイトを構築するのであれば、ユーザーの個人情報を扱うことが必須になります。
その場合、避けてとおれないのがセキュリティ対策になります。
「WP Member Login by SPIRAL」のプラグインならばスパイラル株式会社が管理しているため、万全のセキュリティで使用するとができますし、その設定方法についても非常にわかりやすく、仮にわからないことがあった場合でも問い合わせることで解決することができます。

「WP Member Login by SPIRAL」について詳しくはこちら

PHPで会員制サイトを作る際に考慮すること

PHPで会員制サイトを作る際に考慮すること

PHPとはどういったものか、PHPを使って何ができるのかを見てきましたが、PHPで会員制サイトを作成する前に、考慮することがあります。

・会員制サイトで何がしたいか考える
・目的に応じた機能を考える
・セキュリティ対策は万全か考える

順番に見ていきましょう。

会員制サイトで何がしたいか考える

会員制サイトを制作する際は、サイト設計が重要です。せっかくPHPで作ると決めたのなら、会員制サイトの「会員と良好な関係を築くこと」「限定コンテンツやサービスの提供」「会員に継続してもらいやすい」のメリットを十分に活かしましょう。例を挙げるとキリがありませんが、メルマガの配信や単発のコンテンツ販売なら別の使いやすいシステムもあります。会員制サイトを作成する前に、いま一度なにがしたいかしっかりと考えましょう。

目的に応じた機能を考える

作りたい会員制サイトの目的に応じた機能を考えましょう。会員制サイトには多くの機能が必要です。たとえば利用者が使う面でいえば名前や住所、IDやパスワードを入力する会員登録フォーム、サイト利用時に使うログインやログアウト機能、情報の変更や退会が行えるマイページなどです。また、目的に応じて新着情報を表示したり、コメントの投稿や友達登録の機能をつけることも必要です。

会員制サイトの運営側で必要な機能として会員情報の管理やメール配信、問い合わせ管理などが挙げられます。PHPでできることと付けたい機能を見て、適切に判断しましょう。

セキュリティ対策は万全か考える

会員制サイトは会員の個人情報など重要な情報を扱うため、セキュリティ対策は万全にしなければなりません。特にショッピング機能がついたサイトであれば登録時にクレジットカードの情報を入力するものも多いため、管理が非常に重要となります。

セキュリティ対策を怠ってもしも漏洩などが起こった場合、信用を取り戻すのに長く時間がかかるでしょう。会員制サイトを作成する前に、セキュリティ対策についてしっかり考えることが大切です。

PHPで会員制サイトを作る際にセキュリティ対策が重要な理由

PHPで会員制サイトを作る際にセキュリティ対策が重要な理由

会員制サイトを作る際に考慮することとして最後にセキュリティ対策について述べました。PHPを使用する際に特にセキュリティ対策について考えなければならない理由として、以下のものが挙げられます。

・PHPは不正アクセスのターゲットになりやすいため
・PHPは様々な業務で使われているため

順番に見ていきましょう。

不正アクセスのターゲットになりやすいため

PHPは独学での習得も可能なプログラミング用語で、比較的容易にWebサイトを実装できる特徴がありますが、PHPは不完全なソースコードでも動作してしまうことが確認されています。そのため気づかないうちに、プログラムの不具合や設計上のミスが原因で発生するセキュリティ上の欠陥、セキュリティホールを生み出してしまっていることもあるのです。セキュリティホールができてしまったのに気づかないと不正アクセスのターゲットになり、情報を守れなくなってしまいます。

セキュリティホールへの不正アクセスの対策として、PHPのバージョンもこまめな更新が挙げられます。古いバージョンのまま放置していると、ライブラリのアップデートも行われないため、利用中のバージョンにおいて脆弱性が発見されたとしてもすぐに対策が行えません。

PHPのバージョンをこまめに更新することでセキュリティホールの対策もできるほか、パフォーマンスの改善も行われます。PHPのセキュリティ対策において、常に最新のバージョンにアップデートできる体制を整えて取り組んでいくことが大切です。

様々な業務で使われているため

PHPは私たちの生活の中に広く浸透しさまざまな業務で利用されています。PHPの利用者の幅は会員制サイトだけでなく、観光や小売、BtoBの企業、事例としてあげたSNSやCMSのほか、ゲーム開発や業務上のシステム開発にも使われています。広く利用されているだけに脆弱性があるサイトを見つけやすく、攻撃者が狙いやすいといえます。

圧倒的な柔軟性とセキュリティで思い通りの会員向けサイト・サービスを構築するなら

当社のご提供する 「会員管理・会員サイト構築ソリューション」は、会員向けのサイトやサービスに必要とな要素をワンストップで提供するシステムです。

会員データ管理からマイページ作成・ログインなどの基本機能から、メール配信やアンケート作成、問い合わせ、フォーム作成、決済連携まで、会員管理・運営に必要な機能が充実。また、金融機関・官公庁でも採用されている高いセキュリティで会員の大切なデータを管理します。WordPressやMovableTypeを始めとした各種CMSや基幹システム等とのAPI連携も可能です。

ファンクラブやユーザーサポートサイト、学会・協会サイト、申請受付サイト、キャンペーン受付サイト、イベント受付管理、入居者サイトなど様々な業界・用途・シーンで延べ11,000以上のご利用実績がございます。

サービスの詳細については「会員管理・会員サイト構築ソリューション」のページをご覧いただくか、サービス導入をご検討中の方はこちらからぜひお問い合わせください。

まとめ

今回はPHPで会員制サイトを作るかなにができるか、会員制サイト作成時に考えることについてまとめました。PHPは非常に理解しやすいプログラミング言語のため、比較的容易に会員制サイトが作成できます。ただし不完全なソースコードでも動作してしまいセキュリティホールができやすいため、特に個人情報を扱うサイトなどはセキュリティ対策が非常に重要になってきます。

会員制サイトはASPやCMSのプラグイン導入の方法でも作成できますが、PHPを使うことで自由度の高い会員制サイトを作成できますので、ぜひ検討してみてください。