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代理店管理システムとは|導入の必要性や構築時の手順や注意点について

掲載日:2021年8月6日更新日:2024年2月21日

自社直販以外の販路として代理店制度を持つ企業においては社外の独立した代理店の管理が経営上必須です。しかし、各代理店は独自の営業活動を行っており、管理体制の構築は困難です。この記事では代理店管理システムについて、メリット、構築時の手順や注意点を説明します。

代理店管理システムとは?

代理店管理システムとは?

代理店管理システムとは何か、その利用主体、代理店管理システムでできることについて説明します。

代理店管理システムとは何か

代理店管理システムとは、自社直販以外の販路として代理店制度を持つ企業において、社外の独立した代理店の営業活動を、ITによって管理するシステムのことです。本部と代理店の間には、さまざまな業務が発生します。まず、本部がビジネスパートナーである代理店に業務を委託します。代理店は、商品・商材を本部の代理として独自に営業活動を行い、ユーザーに提案・販売します。本部は代理店のフォローやサポートを行いながら、代理店の経営状況を把握した上で、全体としての営業戦略を立て、予算を決めていきます。

このような本部と代理店とのさまざまな業務をスムーズに進めるためには、代理店管理が必要なのです。

代理店管理システムの利用主体

代理店管理システムの利用主体は、自社直販以外の販路として代理店制度を持つ企業です。企業本部がシステムを導入して、代理店に参加してもらいますので、代理店もシステムを利用する主体になります。代理店としても、自らの利益のために代理店管理システムを活用できます。本部の依頼により義務的にシステムに組み入れられるのではなく、代理店も主体的にシステムに関わってもらうことが、システム活用のポイントです。

代理店管理システムでできること

代理店管理システムでできることは、次の通りです。

営業状況を共有できる

第一に、代理店の営業状況をリアルタイムで共有することです。本部は、代理店の売り上げや在庫数などの営業動向を把握して、その進捗を管理し、予算立てを行います。定期的に代理店から本部に対して報告してもらわなければなりませんが、代理店管理システムを利用することで、報告漏れが減ることが期待できます。また、本部と代理店との間の情報共有だけではなく、本部内での担当者間での、各代理店についての情報共有も行えます。

代理店ごとの得意分野を掴める

第二に、代理店ごとの得意分野をつかむことです。代理店から集まってきたデータを分析することによって、どの商品・商材を販売することに長けているのか、どの地域のどちらのユーザーに対する営業が強いのかなどの情報を入手し、本部として今後の営業戦略を立てる材料にできます。

代理店に対する働きかけ

第三に、代理店に対する働きかけです。各代理店の営業動向に関するデータを基にして、売り上げが伸び悩んでいる代理店をサポートしたり、インセンティブを与えてさらに売り上げを伸ばしたり、場合によっては代理店契約を解消したりといった判断を行います。また、代理店同士の売り上げ状況を一覧として表示させ、競争を促してモチベーションをアップさせることもできます。

ノウハウの共有

第四に、販売ノウハウの共有です。各代理店の販売手法やノウハウを代理店管理システムに集約させ、代理店同士で共有できるようにして、グループ全体の売り上げを底上げしていきます。

代理店管理システムを導入する必要性

代理店管理システムを導入する必要性

代理店管理システムを導入する必要性について説明します。

代理店の営業動向の把握

本部が代理店の営業動向を把握することは、代理店管理の根幹です。代理店から、売り上げ、在庫数、受注数などについて、適時報告を上げてもらった上で、事業予算や販売戦略を立てなければならないからです。しかし、代理店の立場にしてみれば、本部への報告という業務は直接売り上げに貢献するものではないため、ユーザーへの営業活動を優先させてしまいがちになります。

そのため、適時報告という業務が代理店の負担にならないような仕組みが必要です。代理店管理システムを導入すれば、代理店はPCにてフォームに入力するだけで、オンラインでリアルタイムに本部に対する報告を行えます。

代理店の特色を把握

どの代理店がどの案件をどのエリアのどちらのユーザーに紹介したのか、どの商品をどれだけ販売したのかなど、代理店の営業活動にはそれぞれの特色があります。代理店経営者の能力や人柄、代理店の担当エリアなどによって、得意とする点は異なります。

代理店管理システムを導入することによって、代理店の特色を把握できますので、本部から代理店への訪問・連絡のタイミングや、商品の提案などを、適切なポイントに絞って効率的に行えるようになります。

代理店との良好な関係性を築く

本部は代理店と良好な関係を築けなければ、ビジネスを発展させることはできません。しかし、代理店は本部の部下ではなく独立した事業体であり、現場での判断に応じて行動します。そのような代理店に、本部の意向に沿って営業活動を行ってもらうためには、円滑で綿密なコミュニケーションを図ることが重要です。本部と代理店が共同して、販売戦略を考え、代理店の売り上げが伸びるように仕向けていきましょう。

代理店の営業活動を管理するという姿勢ではなく、効率よく売り上げを伸ばして販売していくために代理店管理システムを双方が活用するという姿勢を示して、代理店と良好な関係を築きます。

代理店管理システム導入のメリット・デメリット

代理店管理システム導入のメリット・デメリット

代理店管理システム導入のメリット・デメリット、導入の判断をどのように行えばいいのかについて説明します。

代理店管理システム導入のメリット

代理店管理システム導入のメリットは、次の通りです。

営業動向データの一元管理

第一に、代理店から集まってきた営業動向のデータを一元管理できることです。担当者がそれぞれにデータを持っていた場合、情報が全体に共有されないという事態が発生する可能性があります。代理店管理システムを導入すれば、データが一元管理されるので、不十分なデータに基づいて今後の販売戦略や予算を立てるようなことが防げます。また、データを本部内で共有することで、多様な意見が出されやすくなることも期待され、業務の引き継ぎもスムーズに行えます。さらに、代理店が入力したデータをそのまま管理できるので、データの管理も容易になります。

データを戦略に活用できる

第二に、データを今後の事業戦略に活用できることです。代理店から集まってきた営業動向のデータは、本部に蓄積されていきます。現在の状況分析に活用できるだけではなく、過去から未来への事業展開の流れをつかみ、今後の事業戦略を立てる材料にできます。また、過去のケースと照らし合わせることによって、類似した案件が発生した時の対応もわかります。

複数の代理店を横断した分析

第三に、複数の代理店の動向を横断的に分析できることです。他の代理店と比較することによって、それぞれの代理店の強みと弱みも明確化でき、どのようなポイントに絞ってサポートしていけばいいのかがわかります。また、代理店同士にも、他の代理店の動向を知ってもらうことによって、売り上げを伸ばしていくモチベーションを持ってもらえます。

代理店管理システム導入のデメリット

代理店管理システム導入のデメリットは、次の通りです。第一に、セキュリティ面での不安があることです。代理店の情報をデータ化して扱うため、アナログで管理していた場合と比べると、情報漏洩がないように厳重なセキュリティ対策が必要となります。第二に、代理店管理システム導入について、すべての代理店の了解を得なければならないことです。1店でも導入を拒む代理店があったら、かえって業務は煩雑化してしまいます。第三に、クラウド型の代理店管理システムの場合は、自社に合った機能が十分に備わっていない場合があることです。

代理店管理システム導入の判断

代理店管理システム導入には、メリットとデメリットがあります。うまく活用できれば、代理店の管理を適切に行えるようになり、売り上げを伸ばすことに繋がります。デメリットを克服する対策を行えるのであれば、導入を進めましょう。具体的には、十分なセキュリティ対策を行うことのできるシステムを選ぶこと、各代理店に十分な説明を行い導入することによって売り上げ増加が期待できるという共通認識を持ってもらうこと、自社にあったシステムを選択することが必要です。

代理店管理システムを構築する際の手順

代理店管理システムを構築する際の手順

代理店管理システムを構築する際の手順を、クラウド型とパッケージ型それぞれについて説明します。

代理店管理システムを構築する際の手順 クラウド型

ネットワーク上のシステムを利用するクラウド型で、代理店管理システムを構築する際の手順は次の通りです。

ASPサービスの選択

第一に、クラウド型の代理店管理システムを提供しているASPサービスを選びます。サービスによって、機能やカスタマイズは異なりますので、自社に適したサービスを選びましょう。特に注意が必要なのは、セキュリティ対策です。代理店情報を管理するため、不正アクセスや情報漏洩を強固に防げるサービスでなければなりません。

システムとの利用契約

第二に、クラウド型の代理店管理システムの利用契約をします。利用機能をカスタマイズするサービスの場合は、機能を選択して自社に適した代理店管理システムを構築します。クラウド型は、初期投資を抑えて代理店管理システムを導入できます。

代理店管理システムを構築する際の手順 パッケージ型

PCに直接ダウンロードするパッケージ型で、代理店管理システムを構築する際の手順は次の通りです。

ソフトウェアの選択

第一に、パッケージ型の代理店管理システムソフトウェアを選びます。利用したい機能、管理に使用するPCの台数、代理店数などによって料金体系が変わる場合があるので確認が必要です。

サーバーやハードウェアの確認

第二に、選んだシステムソフトウェアに対応したサーバーやハードウェアが、社内にあるかどうかを確認します。対応が不十分である場合は、サーバーやハードウェアの導入も進めましょう。

ソフトウェアの購入

第三に、パッケージ型の代理店管理システムソフトウェアを購入しインストールします。利用機能をカスタマイズするソフトウェアの場合は、自社に必要な機能を選択して代理店管理システムを構築します。

代理店管理システム構築時の注意点

代理店管理システム構築時の注意点

代理店管理システム構築時の注意点について説明します。

目的を明確にする

何のために代理店管理システムを構築するのか、その目的を明確にしておきましょう。目的をはっきりさせずにただシステムを構築してしまったとしたら、代理店に「これまでよりも強く本部に管理されるようになる」というような誤解を与えてしまうかもしれません。代理店管理システムの構築の目的を代理店にしっかりと伝え、代理店にとっての利益も増えるのだという点を理解してもらいましょう。

説明の際には、説明内容に濃淡がないようにするために、全代理店に一律に均質に伝達するよう注意が必要です。また、システム構築の目的を明確化しておかなければ、導入の費用対効果も検証できません。

セキュリティを万全にする

代理店管理システムでは、代理店の情報を管理しているので、不正アクセス・情報漏洩を厳重に防止しなければなりません。データセンターの安全性、バックアップ、暗号化、システムの安定性など、さまざまな観点から検討し、万全なセキュリティ対策を採用しているサービスを選択しましょう。

データセンターは、防火対策、防水対策、耐震対策、電源対策、空調対策、物理的な防犯対策、24時間のサイバー攻撃対策などについて、安全対策が確実に行われているところでなければなりません。

代理店のモチベーションを上げることを優先する

代理店管理システムの構築にあたって、代理店のモチベーションを上げることを優先しましょう。例えば、代理店には、同じ商品を販売している他の代理店に対する競争心があります。そのため、他の代理店より売り上げを上げるノウハウを必要としています。代理店管理システムに、各代理店の販売ノウハウを登録してもらい、共有して活用してもらうことによって、売り上げアップに対するモチベーションを上げることができます。代理店同士の情報交換ができる機能も、営業活動を活発化させることに繋がります。

また、各代理店の売り上げ状況を順位化して表示することで、他店よりも売るためにはどうしたらいいかというモチベーションを高めます。売り上げだけではなく、研修への参加など売上額以外の評価も行えれば、代理店独自の活動を評価することもできます。

代理店管理システム導入にかかる費用

代理店管理システム導入にかかる費用

代理店管理システム導入にかかる費用を、クラウド型とパッケージ型それぞれについて説明します。

代理店管理システム導入にかかる費用 クラウド型

クラウド型の代理店管理システムを導入する場合、必要な費用は、初期登録料と月額システム料です。初期登録料は、システムを提供しているASPサービスによって異なりますが、それほど高額ではないのが一般的です。また、月額システム料は使えるサービス、導入するオプション、あるいは代理店の規模によって異なります。なお、クラウド型の代理店管理システムの利用に対応した速度が確保できるインターネット接続環境は必須です。

代理店管理システム導入にかかる費用 パッケージ型

パッケージ型の代理店管理システムを導入する場合、かかる費用は、サーバーの設置料金、ライセンス料、保守サポート料金などです。初期費用は比較的高額であることが一般的であり、数十万円から数百万円は必要です。また、月額費用も10万円程度となります。ただし、すでにサーバーが導入されていて、代理店管理システムに対応できる場合には、その分の初期投資はなくなります。

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まとめ

代理店管理システムとは、自社直販以外の販路として代理店制度を持つ企業において、社外の独立した代理店の営業活動を、ITによって管理するシステムのことです。代理店管理システムを導入すれば、適切な代理店管理が可能となり、独自に営業活動を行う代理店の動向や特色を把握し、代理店との良好な関係を築けます。

システムの導入にあたっては、代理店の管理を強化するために導入するのではなく、代理店の売り上げを増加させるための仕組みであることを十分に説明する必要があります。代理店管理システムには、クラウド型とパッケージ型があります。機能や費用について、それぞれの特徴がありますので、自社にあったシステムを選びましょう。代理店の情報を扱うので、セキュリティ対策は重要です。

代理店管理システムを活用して、代理店のモチベーションをアップさせ、販売ノウハウも共有し、商品・商材の売り上げを伸ばしていきましょう。