会員サイト構築の記事
ARTICLE保護者ポータルとは|導入の必要性や構築時の手順や注意点について
近年、利便性が評価され少しずつ導入が進んでいる保護者ポータルをご存知ですか。学業の状況や学生生活についてについて迅速に状況を把握したいという保護者ニーズは高いものです。保護者ポータルの導入の必要性、導入時の手順や費用などについて説明します。
目次
保護者ポータルとは?
保護者ポータルとは何か、その利用主体、保護者ポータルでできることについて説明します。
保護者ポータルとは何か
保護者ポータルとは、大学や専門学校において、学生、保護者、教職員が使用できるポータルサイトのことです。学生生活に関する情報が集約及び公開されています。学校から通知されたIDやパスワードを使用して、利用開始手続きをした人だけがログインして使用できるサイトで、修学状況や成績を閲覧できたり、学校からのお知らせを発信して学生生活を支援したりするために開設されます。大学や専門学校のポータルサイトには、学生と教職員のみで使用しているものもあります。大学や専門学校のポータルサイトのうち、保護者も使用できるものを保護者ポータルと呼びます。
保護者ポータルでできること
保護者ポータルでできることは次の通りです。
第一に、出欠・履修状況、時間割、成績・単位修得表の確認です。学生がきちんと授業に出席しているのか、卒業に向けて単位を修得できているのかなどについて、保護者に随時確認していただけます。
第二に、学校からのお知らせの確認です。授業、奨学金、大学行事、公開講座などについての通知を受け取れます。カレンダー形式で行事や休暇の予定が把握できます。
第三に、学校からの個人宛の連絡を受け取れます。これまでは生徒にプリントを配布しても保護者に手渡されないケースもありましたが、そのような心配はなくなるでしょう。
第四に、大学行事や就職セミナーへの申し込みです。オンラインで簡単に行えます。
第五に、企業などからの求人票の確認です。生徒だけではなく、保護者にもどのような求人があるのか閲覧していただけます。
第六に、学生や保護者の意見をアンケートで収集することです。確実、迅速に集められるようになるでしょう。データとして収集できるので、そのまま集計作業に移行できます。
第七に、災害時などの学生の安否確認、パンデミックなどの緊急事態時に、緊急連絡網としても活用可能です。
保護者ポータルを導入する必要性
保護者ポータルを導入する必要性について説明します。
学生の修学状況の把握
これまで保護者は、こまめに学生の修学状況を把握することは困難でした。学期末などに大学や専門学校から送付されてくる出欠・履修状況や成績・単位修得表の確認をするしかありませんでした。ところがそのタイミングですと、成績が悪い、単位が修得できていない、出席日数が不足して留年が決定したなど、取り返しのつかない事態が発生・決定した後であるケースもありました。保護者ポータルを導入することで、リアルタイムで学生の修学状況の把握ができますので、出席不足や成績不振の場合、家庭において保護者から学生に働きかけることによって早期に対応が可能となります。
学校からのお知らせの確認
試験日、休講、災害情報などの学校からのお知らせを、Web掲示板などで確認できます。これまでは学生を通じて、紙ベースでのプリント配布による連絡が主でしたが、保護者の手元に届く前に紛失することもありました。保護者ポータルを導入することで、保護者に確実に学校からのお知らせを届けられるようになります。メッセージ上で既読になったかどうかを確認できる機能やプッシュ通知機能があれば、緊急時の連絡事項についても伝達の確実性が上がるでしょう。たとえば、パンデミックにより休講になったり、リモート授業に変更になったりした場合は、学生が登校して学校の掲示板を確認しなくても、学生も保護者も手元のスマートフォンやPCで情報を得られます。また、保護者会の議題を連絡したり出欠を確認したりもできます。
学校の手続きの簡便化
保護者から学校に提出・返信してもらわなければならない各種書類があります。学校評価アンケート、学校への要望、学生生活に関した保護者の承認が必要な事項など、これまでは紙の書類に記入して期日までに提出してもらう形式が主体でしたが、オンラインで記入すれば提出が済みます。もし期日までに提出されていない場合は、メッセージやメールなどで督促の連絡ができます。
保護者ポータル導入のメリット・デメリット
保護者ポータル導入のメリットとデメリット、導入の判断について説明します。
保護者ポータル導入のメリット
保護者ポータル導入のメリットは次の通りです。
第一に保護者側としては、これまで保護者が学生を通して間接的にしか関われなかった学校と直接繋がれるようになることです。具体的には、出欠・履修状況、時間割、成績・単位修得表の確認、学校からのお知らせの確認、アンケートなどの回答などです。
第二に保護者側としては、学生の修学や就職に保護者が直接関われるようになることです。具体的には、出欠状況、単位修得状況などについて実際のデータを元にして保護者が学生と話をしたり、学生が選択したものだけではなく保護者がすべての求人票を閲覧したりできることです。
第三に学校側としては、業務簡素化・効率化です。これまで個別に対応しなければならなかった保護者からの出欠・履修状況、時間割、成績・単位修得表などについての問い合わせに対応しなくて済むようになります。また、印刷して配布していた各種通知連絡も保護者ポータルで行えますし、行事などの申し込み、アンケートなどの回収、学生の安否確認なども行えます。特に、アンケート回収については、回収の手間が少なくなるだけではなく、デジタル情報として収集できる点は大きなメリットです。入力の必要がなく、そのまま集計・分析作業に進めるので効率化が図れるでしょう。
保護者ポータル導入のデメリット
保護者ポータル導入のデメリットは次の通りです。
第一に、保護者側にも学校側にも共通することとして、セキュリティの問題です。これまでは大学や専門学校が管理しており、学生本人や保護者には出力された紙での配布のみであった出欠・履修状況、成績・単位修得表、および生徒の住所などの個人情報が、インターネット上で管理され閲覧できるようになります。そのため、セキュリティ対策を万全に行わなければ、不正アクセスや個人情報の漏洩といった問題が発生してしまいます。
第二に、保護者側のデメリットとして、情報の格差が生まれる可能性があることです。保護者のITリテラシーが低い場合やインターネット環境が整っていない場合では、情報の格差が生じてしまいます。
第三に、学校側として、保護者の情報格差をできるだけなくすために配慮が必要になることです。具体的には、まず学期の初めに紙ベースでのプリント配布が必要かどうか保護者に確認し、必要な方には出欠・履修状況、時間割、成績・単位修得表、学校からのお知らせなどが行き渡るようにします。その場合、保護者ポータルでの情報配信と、紙ベースの通知発信とを併用しなければならない手間とコストが発生してしまいます。
保護者ポータル導入の判断
保護者ポータル導入には、メリットとデメリットがあります。デメリットを克服できるのであれば、メリットは多数あるので導入を進めた方がよいでしょう。最大のデメリットであるセキュリティの問題をクリアした保護者ポータルが構築できるのであれば、導入すべきです。保護者のITリテラシーの差、インターネット環境については学校側がコントロールできることではありませんし、昨今の時代趨勢、社会状況から総合的に判断すると、保護者のITリテラシーの差があったとしても、メリットである利便性を評価して導入を判断した方が、多くの保護者には歓迎されることが予想できます。よって、保護者ポータル導入の判断のポイントは、セキュリティ対策といえます。
保護者ポータルを導入する際の手順
保護者ポータルを導入する際の手順を、クラウド型と パッケージ型それぞれについて説明します。
保護者ポータルを導入する際の手順 クラウド型
ネットワーク上のシステムを利用するクラウド型で、保護者ポータルサイトを構築する際の手順は次の通りです。第一に、クラウド型の会員管理システム、あるいは学校ポータルに特化したシステムを提供しているASPサービスを選びます。学生ポータル、教職員ポータル、保護者ポータルがそれぞれ独立しているタイプや、一体となっているタイプ、必要な機能をカスタマイズできるものなど、サービスによってさまざまです。利用される学校に適したサービスを選びましょう。特に注意が必要なのは、セキュリティ対策です。学生の個人情報を管理しなければならないため、不正アクセス・情報漏洩をしっかりと防げるサービスでなければなりません。第二に、クラウド型の会員管理システム、あるいは学校ポータルに特化したシステムの利用契約をします。次に、保護者ポータルを利用することを選択します。その上で、利用機能をカスタマイズするサービスの場合は、機能を選択して学校に合った保護者ポータルを構築します。クラウド型は管理上あるいは災害対策のために学内にサーバーを置きたくない学校や、初期投資を抑えたい学校に利用されています。
保護者ポータルを導入する際の手順 パッケージ型
PCに直接ダウンロードするパッケージ型で、保護者ポータルを構築する際の手順は次の通りです。第一に、パッケージ型の会員管理システムソフトウェア、あるいは学校ポータルに特化したシステムソフトウェアを選びます。利用したい機能、管理に使用するPCの使用台数、学校の構成や規模などによって料金体系が変わる場合があるので確認が必要です。第二に、選んだシステムソフトウェアに対応した学内サーバーやハードウェアがあるかどうかを確認します。もしも不足があれば、サーバーやハードウェアの購入、設置も進めなければなりません。第三に、パッケージ型の会員管理システムソフトウェア、あるいは学校ポータルに特化したシステムソフトウェアを購入しインストールします。利用機能をカスタマイズするサービスの場合は、機能を選択して独自の保護者ポータルを構築します。パッケージ型は、学生の個人情報を学内サーバーで管理したい学校で利用されています。
保護者ポータル導入時の注意点
保護者ポータル導入時の注意点を説明します。
目的を明確にする
保護者ポータル導入時に直面している課題、導入の目的を明確にします。保護者が学校と直接繋がれる、保護者が学生の修学や就職に直接関われるなど保護者側の利便性を高めること、学校側の業務簡素化・効率化などの目的を整理しなければ、どのような機能が必要なのか決定できません。保護者ポータルを多機能にすればよいわけではなく、目的にかなったポータルとして構築しなければ、使いにくかったり、余計なコストがかかってしまったりします。
セキュリティを万全にする
保護者ポータルでは学生の個人情報を管理しているので、不正アクセス・情報漏洩を防がなければなりません。データセンターの安全性、バックアップ、暗号化、システムの安定性など、さまざまな観点から考慮して、万全なセキュリティ対策を採用しているサービスを選びます。データセンターは、防火対策、防水対策、耐震対策、電源対策、空調対策、物理的な防犯対策、24時間のサイバー攻撃対策などの各項目の安全対策が確実に行われているところであることが必要です。コスト削減のためにセキュリティ対策をおろそかにするということがないようにしましょう。
保護者の使いやすさを優先する
保護者ポータルを実際に利用するのは保護者です。保護者の使いやすさを優先することはとても重要です。必要な情報を掲載し、不必要な情報はなくし、その情報を見つけてもらいやすくするシンプルなサイトにしましょう。PC、スマートフォン、タブレットなどどの端末でも使いやすいものであることや、学校の実際の状況をよく知らない保護者であっても閲覧しやすいようにする工夫や、ログインをしやすい画面であることが必要です。特に、学校からの重要なお知らせを確実に伝えられるように、メッセージ上で既読になったかどうかを確認できる機能やプッシュ通知機能はあったほうがよいでしょう。
費用対効果を検討する
保護者ポータルのメリットは多数ありますが、費用対効果も検討しなければなりません。学校の規模、生徒数などにもよりますが、投資したコストと利便性のバランスを検討する必要があります。具体的には、どのような機能を盛り込むのか、あるいは削るのかを保護者ポータル導入の目的に照らし合わせて追求します。費用対効果の面からも、クラウド型とパッケージ型のどちらが学校に適しているかを考えましょう。
保護者ポータル導入にかかる費用
保護者ポータルを導入する際の費用を、クラウド型とパッケージ型それぞれについて説明します。
保護者ポータル導入にかかる費用 クラウド型
クラウド型の保護者ポータルを導入する場合、必要な費用は、初期登録料と月額システム料です。初期登録料はサービスによって異なりますが、それほど高額ではないのが一般的です。また、月額システム料は使えるサービス、導入するオプション、あるいは利用する人数規模によって異なります。また、学校の予算に応じて、初期登録料と月額システム料のバランスを変えられるサービスもあります。別途、クラウド型の保護者ポータルを利用するにあたって、相応の速度が確保できるインターネット接続環境が必要となります。
保護者ポータル導入にかかる費用 パッケージ型
パッケージ型の保護者ポータルを導入する場合、かかる費用は、学内サーバーの設置料金、ライセンス料、保守サポート料金などです。初期費用が数十万円から数百万円、月額費用が十万円程度と比較的高額であることが一般的です。ただし、すでに学内サーバーが設置されており、導入する保護者ポータルのシステムに対応できる場合は、その分の初期費用が少なくて済みます。
圧倒的な柔軟性とセキュリティで思い通りの会員向けサイト・サービスを構築するなら
当社のご提供する 「会員管理・会員サイト構築ソリューション」は、会員向けのサイトやサービスに必要とな要素をワンストップで提供するシステムです。
会員データ管理からマイページ作成・ログインなどの基本機能から、メール配信やアンケート作成、問い合わせ、フォーム作成、決済連携まで、会員管理・運営に必要な機能が充実。また、金融機関・官公庁でも採用されている高いセキュリティで会員の大切なデータを管理します。WordPressやMovableTypeを始めとした各種CMSや基幹システム等とのAPI連携も可能です。
ファンクラブやユーザーサポートサイト、学会・協会サイト、申請受付サイト、キャンペーン受付サイト、イベント受付管理、入居者サイトなど様々な業界・用途・シーンで延べ11,000以上のご利用実績がございます。サービスの詳細については「会員管理・会員サイト構築ソリューション」のページをご覧いただくか、サービス導入をご検討中の方はこちらからぜひお問い合わせください。
まとめ
保護者ポータルとは、大学や専門学校のポータルサイトにおいて、学生、教職員だけではなく、保護者も使用できるポータルサイトのことです。保護者ポータルでできることは、保護者側では、学生の修学状況の把握、学校からのお知らせの確認、学校への書類提出手続きの簡便化、学校側では業務簡素化・効率化です。特に、これまでは把握するのにタイムラグが生じていた、学生の出席状況や成績について、保護者が即座に情報を入手できることは、学生の修学にとって画期的な支援となります。セキュリティ対策を万全に整備できるのであれば、大変便利なシステムといえるでしょう。
導入の目的を明確にし、保護者の使いやすさを優先し、費用対効果を検討した上で、保護者ポータルの導入を進めていきましょう。その際に、学内でサーバーを管理したいかどうか、初期投資をどの程度かけるかなどの観点から、クラウド型の会員管理システムソフトウェア、あるいは学校ポータルに特化したシステムソフトウェアにするのか、あるいはパッケージ型のシステムソフトウェアにするのかを検討します。
また、当社の「学校・教育期間対応のソリューション」では、教育機関×入学見込み学生、在校生、卒業生、保護者、教職員、全チャネルの効率化をITにて実施しています。業務の効率化などに関するお悩みがあればぜひお問い合わせください。