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ARTICLE入居者専用サイトとは|導入の必要性や構築時の手順や注意点について
最近、少しずつ導入が進んできているマンションの入居者サイトというものをご存知でしょうか。入居者の生活を便利なものにしてくれるオンラインサービスです。入居者専用サイトの導入の必要性、構築時の手順や注意点などについて説明します。
目次
入居者専用サイトとは?
入居者専用サイトとは何か、入居者専用サイトでできることについて説明します。
入居者専用サイトとは何か
入居者専用サイトとは、マンション管理サイトの一種です。マンション管理サイトとは、マンション管理に関するさまざまな業務の支援、情報共有、サービス提供を行うWebサービスのことです。マンション管理サイトを利用するのは、マンションの入居者、マンション管理組合、マンション管理会社の3者ですが、入居者専用サイトを利用するのは主に、マンションの入居者です。入居者専用サイトの機能も含んだマンション管理サイトの場合は、入居者専用サイトとは呼ばずにマンション管理サイトといいます。スマートフォンやPCから入居者専用サイトを利用すれば、自分が入居しているマンションに関する日常生活に必要な情報が簡単に手に入ります。また、自分から他の入居者に向けて発信できる機能もあります。このような利便性が高く評価されるようになり、入居者専用サイトの導入は増えつつあります。
入居者専用サイトでできること
入居者専用サイトでできることは以下の通りです。
オンラインのWeb掲示板の利用
管理会社や管理組合から発信される、定期清掃や設備点検のスケジュールなどの情報を受け取れます。入居者同士の交流が図れる機能やWeb回覧板も回せる機能もあります。
管理会社への依頼や質問
メッセージやチャットを活用して、24時間いつでも管理会社への依頼や質問を伝えられます。回答もオンラインで受け取ることができます。
共用施設の空き状況の確認・利用予約
集会室や駐車場などの共用施設の空き状況の確認・利用予約がWeb申請できます。これまでは管理員の勤務時間内しか書類申請できませんでしたが、入居者専用サイトならいつでも申請ができます。
入居・退去時の手続き
入居するとき、退去するときの手続きもオンラインで行えるので、マンション管理会社との行き来もなくて済み、便利です。
各種書類をオンラインで管理・閲覧
契約書、重要事項説明書、取扱説明書、住まいマニュアルなど、これまではマンション管理会社から紙ベースの書面として受け取っていた各種書類をオンラインで管理、閲覧することが可能です。電気・ガス・水道などライフラインに関する連絡先、ゴミや資源の回収日なども確認できます。
管理費のクレジット決済
マンション管理費も、入居者専用サイト上でクレジット決済できますので、銀行などで振り込みをする手間が省けます。
広告バナー
マンション管理会社が設定することになりますが、入居者専用サイト上に広告バナーを表示させれば、スポンサー企業から広告収入を得られます。管理組合の収入にできて、入居者に還元できます。
入居者専用サイトを導入する必要性
入居者専用サイトを導入する必要性について説明します。
管理会社との連絡の利便性向上
マンションに居住していますと、管理会社に連絡をしなければならない場面が多々あります。たとえば、設備の故障、集会室や駐車場などの共用施設の利用予約、騒音や水漏れなどの苦情などです。その際に、電話連絡などですと管理会社の営業時間内、あるいは管理員の勤務時間内でなければできませんが、入居者専用サイトを利用すれば、24時間いつでも連絡ができます。入居者専用サイトからは、スマートフォンで撮影した写真を送ることもできますので、故障や修繕の連絡に便利です。また、入居時、退去時の連絡や手続きもスムーズに進められます。入居時の現状確認の写真もサイト上で保存できますので、退去時の確認にも便利で確実です。
マンションにおけるトラブル防止
これまでは、マンションの掲示板を見落としてしまうと、重要な情報を入手できないこともありました。しかし、入居者専用サイトの中にあるオンラインのWeb掲示板の活用によって、定期清掃、設備点検、行事の日程などの情報がいつでも確認できます。さらに、オンラインのWeb掲示板は居住者が発信することもできますので、居住者同士のコミュニケーションが活発になり、顔の見える関係が築きやすくなります。たとえば、あらかじめWeb掲示板の利用ルールを決めておいた上で、マンション内の行事を企画して参加者を募集するなどの活動も可能です。その結果として、入居者同士の良好な人間関係の構築が期待できます。入居者同士が親しく近所付き合いをするようになれば、マンションはコミュニティとなり、主体的な管理が行える可能性があります。さらに、Web回覧板も活用できます。また、毎年開催されるマンション管理組合の総会に出席して議決権を行使したいと考えていても、なかなか出席できない場合があります。これまでは委任状を提出するほかありませんでした。しかし、入居者専用サイトがあれば、総会の議案ごとのWeb投票ができるようになります。多くの入居者の意見を反映した管理組合の民主的な運営ができますので、入居者同士のトラブルが防止できます。
入居者専用サイト導入のメリット・デメリット
入居者専用サイトを導入した場合のメリットとデメリット、導入の判断について説明します。
入居者専用サイト導入のメリット
入居者専用サイト導入のメリットは次の通りです。
第一に、管理会社との連絡の利便性向上です。通常の連絡に加え、集会室や駐車場などの共用施設の利用予約もWeb申請できて格段に便利になります。また、これまでは電話連絡できないときはそのまま見過ごしてきたような、共有部における些細な異変などもこまめに連絡できるようになりますので、マンション管理の精度も上がるでしょう。
第二に、オンライン掲示板の活用や総会におけるWeb投票などによって、マンションにおけるトラブル防止になることです。トラブル防止になるだけではなく、入居者同士の良好な人間関係が築けるならば、日常生活におけるQOLが高まることにつながりますので、その価値はとても高いものになります。
第三に、契約書、重要事項説明書、取扱説明書などの書類をオンラインで管理と閲覧ができるようになることです。たとえば、冷暖房器具や給湯器のマニュアル、故障したときの連絡先などにすぐアクセスできますので、トラブル発生時にマニュアルを探し回るようなことはなくなり、効率的に対処できるようになるでしょう。
入居者専用サイト導入のデメリット
入居者専用サイト導入のデメリットは次の通りです。
第一に、ITリテラシーの差によって、導入・活用しにくくなることです。PCやスマートフォンを持っていない、あるいは持っていても使えない、利用が苦手である入居者、電話連絡を希望する入居者が導入に賛同してくれないことがあります。また、導入に踏み切ったとしても、電話連絡、紙ベースによる通知も併用しなければならなくなります。
第二に、オンラインのWeb掲示板における、入居者同士のマナーの問題があります。たとえば、騒音問題などが発生したときに、掲示板上で名指しで非難したり、それに対して応酬することによって、掲示板が荒れてしまうケースがあります。誹謗中傷がなされないように運営しなければ、マンション内の人間関係がかえって悪化してしまいます。
第三に、セキュリティの問題です。これまで紙の書類という形態でしか存在していなかった契約書や、さまざまな個人情報がインターネット上で管理され閲覧できるようになります。そのため、セキュリティ対策を万全に行わないと、不正にアクセスされ個人情報が漏洩してしまう可能性があります。
入居者専用サイト導入の判断
入居者専用サイト導入には、メリットとデメリットがあります。入居者のITリテラシーの差がそれほどなく、全員が導入に賛成であれば、デメリットはとても小さくなりますから、さまざまなメリットを得るために導入を進めた方がいいでしょう。入居者のITリテラシーの差がある場合は、PCやスマートフォンの使用が苦手な入居者がどのくらいいるのかがポイントとなります。まずは、PCやスマートフォンの利用状況やインターネット環境の現状について、入居者への調査を行いましょう。
入居者専用サイトを導入することを決定した場合は、入居者全員に対して、利用方法の説明会を開催します。その際に重要なのは、オンラインのWeb掲示板における入居者同士のマナーについて、十分に注意喚起を行うことです。適切に使用すれば利便性は高いものであることと、不適切に使用した場合のトラブルの重大性について確認しましょう。導入後にトラブルが発生してしまった場合には、問題が大きくなる前に、速やかに対処しなければなりません。あらかじめトラブルが発生することを想定して、その場合の対処の仕方について、管理組合と管理会社の間で話し合い、取り決めをしておいた方がよいでしょう。
入居者専用サイトを構築する際の手順
入居者専用サイトを構築する際の手順を、クラウド型とパッケージ型それぞれについて説明します。
入居者専用サイトを構築する際の手順 クラウド型
ネットワーク上のシステムを利用するクラウド型で、入居者専用サイトを構築する際の手順は次の通りです。
第一に、クラウド型の会員管理システムを提供しているASPサービスを選びます。入居者アプリのようにすでに機能が固定されているものもあれば、必要な機能やコンテンツをカスタマイズできるものもあります。利用するマンションに最適なサービスを選択しますが、特に注意が必要なのは、セキュリティ対策です。マンション居住者の個人情報を管理しなければならないため、不正アクセスを防ぎ、情報漏洩が起こらないよう、万全のセキュリティ対策を行っているサービスであることが重要です。
第二に、クラウド型の会員管理システムの利用契約をします。利用機能をカスタマイズするサービスの場合は、機能を選択して、マンションに合った入居者専用サイトを構築します。
入居者専用サイトを構築する際の手順 パッケージ型
PCに直接ダウンロードするパッケージ型で、入居者専用サイトを構築する際の手順は次の通りです。
第一に、パッケージ型の会員管理システムソフトウェアを選びます。管理に使用するPCの使用台数によって料金体系が変わる場合があるので確認が必要です。
第二に、パッケージ型の会員管理システムソフトウェアを購入しインストールします。利用機能をカスタマイズするサービスの場合は、機能を選択して独自の入居者専用サイトを構築します。
入居者専用サイト構築時の注意点
入居者専用サイト構築時の3つの注意点について説明します。
目的を明確にする
何のために入居者専用サイトを構築するのか明確にします。入居者専用サイトを導入するのが目的ではなく、必要な機能を使うために構築することをしっかりと認識しましょう。機能が多ければ便利なわけではなく、必要な機能だけが備えられている方が使いやすいことも考慮します。機能をカスタマイズする場合は費用が変動することもあるので注意が必要です。情報共有が目的ならばWeb掲示板やWeb回覧板が必要ですし、管理会社への連絡ならメッセージやチャットが必要です。共用施設の予約や管理費のクレジット決済機能などは、必要かどうかよく検討した上で選択してください。
入居者の利便性を意識する
マンション入居者しか使わないサイトですから、入居者の利便性を意識することはとても重要です。不必要な機能が搭載されていないことはもちろんですが、さまざまな年代の人が使用することも考慮して、視認性などにおいてユニバーサルデザインを意識したサイト作りを心がけましょう。最低限、重要なお知らせを確実に伝えられるように、メッセージやチャット上で既読になったかどうかを確認できる機能やプッシュ通知機能は必要です。また、入居者専用サイトを立ち上げた際に、Web掲示板にアクセスしやすいこともポイントです。
費用対効果を考慮する
いくら入居者専用サイト構築の目的にかなっていて、入居者の利便性が高いサイトであっても、コストが入居者の負担になってしまうものでは、継続していくことは難しくなります。すべての居住者の負担感が少なく、便利であると思える程度の費用対効果を考慮して、入居者専用サイトを構築しなければなりません。
入居者専用サイト選択のポイント
入居者専用サイトを選択するに当たっての5つのポイントを説明します。
利用できる入居者の人数
入居者専用サイトで管理ができる入居者の人数を確認する必要があります。もちろん、1棟のマンションの入居者全員をカバーしきれないことはありませんが、不動産会社、管理会社が、複数のマンションを1つの入居者専用サイトで管理する場合があります。
入居者への連絡方法
入居者専用サイトを導入したからといって、すべての入居者が毎日、Web掲示板などを確認しているわけではないという前提でいなければなりません。そのため、入居者への連絡方法が入居者専用サイト上だけにあるものでは、確実な連絡通知が行えません。メッセージ、チャット、SNS、 Web掲示板、Web回覧板など複数の経路で連絡できることが必要です。
セキュリティ
入居者専用サイトでは、マンション入居者の個人情報を管理しているので、不正アクセスを防ぎ、情報漏洩が起きないようにセキュリティ対策が万全でなければなりません。また、データ閲覧・編集の権限を設定できる必要もあります。セキュリティ対策がしっかりしていないサイトは、いくらコストが安くても選択肢には入りません。データセンターの安全性、バックアップ、暗号化、システムの安定性なども確認しましょう。
導入・維持費用
入居者専用サイトを導入時の費用だけではなく、維持していく費用も必要です。月額いくらなのか、入居者一人あたりいくらなのかを算出し、その費用負担に理解が得られるのかどうかを検討しなければなりません。
管理会社のシステムとの連携
入居者専用サイトも単独で運用、活用するのではなく、管理会社のマンション管理システムと連携が図れてこそ、その真価が発揮できます。入居者の情報、管理費の支払い状況、空室情報などの管理システムと連携できるかどうかもポイントです。管理会社のマンション管理システムと入居者専用サイトを一体的に構築するケースもあります。
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まとめ
入居者専用サイトとは、マンション入居者に対して、さまざまな情報提供、情報共有、サービス提供をオンラインで行うことのできるWebサービスのことです。入居者専用サイトを導入すれば、管理会社との連絡の利便性が向上し、入居者同士のコミュニケーションが生まれてマンションにおけるトラブル防止が期待できます。
入居者専用サイトを導入する際には、目的を明確にし、利便性を意識し、費用対効果を考慮して選定しましょう。入居者専用サイトを利用できる入居者の人数、入居者への連絡方法、セキュリティ、導入・維持費用、管理会社のシステムとの連携などのポイントを確認してください。上手に活用すれば、QOL向上が期待できます。
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