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ARTICLEファンクラブシステムとは|導入の必要性や構築時の手順や注意点
ファンクラブシステムとは、ファンクラブの効率的運営を行うためのITシステムです。この記事ではその役割や保有すべき機能について述べ、導入のメリットについて解説していきます。また、具体的な導入手順とその注意事項を説明していきます。
目次
ファンクラブシステムとは?
「ファンクラブシステム」の意味とその役割、また持つべき主要な機能について解説していきましょう。
ファンクラブシステムとその役割
「ファンクラブシステム」は著名人や各種グループ、団体などが彼らを支援する人達との情報交流を目的として結成した組織(ファンクラブ)における一連の活動を、円滑に運営するためのシステムです。
ファンクラブシステムの有する機能
「ファンクラブシステム」を構築するにあたり、これを支える仕組みとしてCRM(顧客関係管理)機能、EC機能、セミナー・イベント管理機能、各種情報の配信機能、チャットやSNSによる情報交流機能などがあります。
CRM(Customer Relationship Management)は「顧客関係管理」のことで、顧客との関係性を構築し管理するマネージメント方法です。これにより顧客データの管理を行います。EC(Electric Commerce)は「電子商取引」のことで、Amazonや楽天などに代表されるようにネット上における商品の売買行為を行える機能のことを指します。各種物品購入時の決済処理を行えます。
ファンクラブシステム導入の必要性
「ファンクラブシステム」の導入によって期待できる点について解説していきましょう。
会員情報を安全に管理
「ファンクラブシステム」では会員の個人情報を安全に管理することが何よりも大切です。これらの機能を実現するためにITシステムを導入することなく個別に電話やメール、会員名簿などを使って管理すると、非効率で多くの人手を必要とするばかりでなく、セキュリティ上の不安が残ります。会員の個人情報を管理するためには紙の管理が不要であり、ITによるセキュアな仕組みをもって管理することが可能な「ファンクラブシステム」の導入が効果的です。
入会・退会の処理を効率化
従来の入会・退会のやり方といえば、申請用紙を取り寄せて、事務手続きの窓口が開いている時間帯を確認して申し入れる、もしくは郵送で送り届ける手間がかかりました。さらに主催者事務局側で申請内容を確認し、問題がなければ受理し、会員管理台帳に登録するなどの事務処理を行った後に会員に通知を郵送するなどの流れで、非常に大変な作業です。
他方で「ファンクラブシステム」を導入していれば、利用者はネットの環境がありさえすれば、いつでもどこにいても自分の都合のあわせて入会・退会の手続きが行えます。つまり、非会員の人が入会を希望する場合、氏名などの個人情報を入力し、決済手段の設定を行うことにより、すぐにそのときから会員として「ファンクラブシステム」のサービスを利用可能となります。システム側としては、新たな会員用のデータ格納エリアが用意されそこに、入力された各種情報が記録されます。
また退会を希望する場合は、サイト上で残債情報に基づく精算や会員費の精算を終了するのみで退会手続きは完了し、その場で退会したことになります。システム側としては、退会した会員のデータが一括削除されるか、もしくはある一定期間はバックアップエリアに退避しておくなどのデータの移動処理が取られます。
ファンクラブシステム導入のメリット
「ファンクラブシステム」を導入する主なメリットについて解説していきましょう。
特別なサービスやコンテンツを提供する
ファンクラブとは、特定の著名人やグループ、団体などと「交流したい」「近くで見たい」「知りたい」「支援したい」などの同じ目的を持つ人たちの集まりです。このファンクラブ会員に対してのみ特別なサービスを提供できれば、会員の価値は高まり、「会員になってよかった」と思えます。
ファンクラブの加入継続期間を増やす
会員はファンクラブシステムを利用して、物品や各種チケットを購入します。また、購入にまで至らずともシステム内を閲覧し情報を入手します。これらの物品購入や閲覧行為から会員毎や会員全体の好みやニーズなどの傾向を分析することにより、今後の売上増のためにはどのような商材を提供することが会員に好まれるかなど、適切な分析に基づくサイト内における計画の策定が可能なため、会員の加入期間を伸ばすことに貢献します。
また、年会費制として会員自ら明示的に「脱会」する手続きを行わない場合には会員期間は自動更新されると同時に、たとえば毎年12月に年会費を自動引き落としすることとします。これを「ファンクラブシステム」に内蔵されるEC機能の中の決済機能で行うことで、会員の加入継続期間は長くなることが期待できます。会員が「退会」の手続きを行うモチベーションにつながるのは大きな不便や不都合を感じたときで、そうでなければあえて「退会」するためのアクションを起こすことは少ないと考えられるからです。
有料コンテンツやグッズなどで定期的な収入が見込める
各種イベント、セミナーやコンサートなどのチケットを会員にのみ早めに発売する、会員にのみ販売価格を値引くなどに加え限定したグッズの販売などが考えられます。このような販促活動を定期的かつ継続して進めることで、会員の購買意欲は常に高い状態を維持できるため定期的な収入が見込まれます。
これらの特別なサービスを「ファンクラブシステム」を使って提供することにより、より効率的かつ効果的なサービスの提供につながります。
ファン同士のコミュニティ強化につながる
ファンクラブ会員限定のチャットやSNSなどを用意すれば、目的を同じくする会員間のコミュニティの場として活用できます。ファン同士の交流が盛り上がれば、エンゲージメントの向上につながるだけでなく、新規ファンの獲得にもつなげられるでしょう。
ファンクラブシステムの基本機能
「ファンクラブシステム」に備わっているユーザーサイドの機能について解説していきましょう。
会員データ管理
会員データを管理するためには一般的にCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)が使われます。CRMは「顧客関係管理」のことで顧客との関係性を構築し管理するマネージメント方法です。会員1人1人の氏名、住所、連絡先などの個人情報に加え、会員の嗜好に関わる情報を登録・管理するものです。たとえば会員の「ファンクラブシステム」における過去のサイト上の閲覧履歴や購入履歴などの情報を活用しながら、顧客の好みの傾向を分析、把握し新たな提案や売り込みを行います。
マイページ
「ファンクラブシステム」を利用して会員登録を行うことにより、全会員にそれぞれ「マイページ」が与えられます。このページで会員はチケットや物品を購入したり、過去の購入履歴を確認したりできます。また、各会員の嗜好や過去の購入履歴に基づくリコメンド商品の提示なども行われます。好みの物品などの購入を容易に行えるように工夫されています。
問い合わせ
お問い合わせフォームを設置すれば、会員からファンクラブ事務局に対してかんたんに問い合わせができるようになります。「よくあるご質問」コーナーを用意しておき、過去における主要な問い合わせ項目をFAQ集として提供し、問い合わせを行うことなくすぐに解決できるようなサポートを行う場合もあります。
メルマガ配信
メルマガを含め各種情報の配信機能がサポートされています。配信コンテンツを入力することにより、全会員や特定の会員に向けて各種情報を自動発信する機能です。配信コンテンツは主として今後発生するセミナー・イベントの情報を非会員に比べて早いタイミングで提供します。また、セミナー・イベント情報にチケット購入のためのリンク先が示されていて、かんたんな操作で購入処理ができるようになっていることが一般的です。その他、や「ファンクラブシステム」やファンクラブの運用に関する情報の提供が行われます。
ファンクラブシステムを構築する際の手順
「ファンクラブシステム」を構築する手順を、コンセプト・要求定義、設計・開発、コンテンツ登録、テスト、リリースの各プロセスに分け解説しましょう。
コンセプト・要求定義
「ファンクラブシステム」のコンセプトとは「ファンクラブシステムを作るための基本的な考え方」の意味です。つまりどのような目的で、ターゲットユーザーを誰にして、どのような「ファンクラブシステム」を作るかを決めることです。
以上のコンセプトを決めることにより、これから作る「ファンクラブシステム」にどのような機能を実装するか、そのためにどのような画面構成とするか、それぞれの画面で表示する情報やユーザーにどんな情報を入力もしくは選択させるか、さらにどのような操作手順とするかなどを、「ファンクラブシステム」で実現する機能毎の画面構成や遷移、さらには操作ロジックを具体的に定義していくのが要件定義のプロセスです。
設計・開発
どのようなシステムを構築したいか、コンセプトを踏まえ具体的な要件が明らかになった次のステップとして具体的なシステムの設計のフェーズに入ります。設計のフェーズでは、具体的な作業の前に設計の進め方を決める必要があります。クラウド型かオンプレ型のいずれで進めるかです。クラウド型の場合、ベンダーが提供するソリューションを利用することで、サーバーやアプリケーションの自社での準備は不要です。必要なことは、用意されたいくつかの初期設定やオプション利用の有無を選択し、初期費用および月々のランニング費用を支払うのみでサービスの開始が可能です。ソリューションによっては、年間メンテナンス費が必要となってくる場合もあります。
オンプレ型の場合は自社でサーバーを調達し、設置します。サーバー上に自社にてシステムを導入します。従って、クラウド型のソリューションに比較して導入するためには、それなりの技術力と対応工数が必要となる大変さがありますが、自社でシステムを作り上げるために、自社で考え、構築したいシステムを作り上げていくことが可能である利点があります。またオンプレ型の場合には、サーバー上のアプリの調達方法を考える必要があります。ベンダーの用意するパッケージを利用するか、自社で1からソフトウェアを開発していくかです。パッケージかスクラッチ開発かも、クラウド型かオンプレ型かと同様に一長一短あります。従って、開発する状況に応じた判断が必要です。
コンテンツ登録
開発方針に基づきシステムの開発が完了した後に、システム上に必要となるコンテンツを登録しなければなりません。全会員の情報、各種イベント情報およびこれらに関連する画像データなどです。これらのデータの登録を行って初めて、本システムにアクセスし、システムが提供する各種サービスを利用可能となります。
テスト
テストのフェーズにおいては、システムが持つあらゆる機能をさまざまな角度で確認していきます。一例を挙げれば、ログインユーザーの違いや操作タイミング、使用する時間帯、操作方法などです。条件を変えながら、できる限り多くのテスターによって繰り返しテストを行っていきます。普通に操作して動作する機能でも、前述の条件を少しだけ変えて見ただけで、不具合が発生することもあります。これらの不具合をすべて洗い出して、都度、改修を進めていきます。テスト作業と並行して、可能であればテスターには使い勝手のチェックを同時に行ってもらい、その結果を設計にフィードバックして改修を行うことが望ましいです。
リリース
テストのフェーズにおいて洗い出したすべての課題の改修完了後、会員に対してシステムリリースのアナウンスを行うことにより運用開始となります。
多くの場合、運用開始直後は、設計段階では想定していなかったさまざまな課題が発生することが予想されます。これらの課題を1つ1つクリアし、システムの改良を継続していくことによりシステムの完成度は上がっていくものです。
ファンクラブシステム構築時の注意点
「ファンクラブシステム」を構築する際の主な注意点を解説していきましょう。
事前の準備
事前にしっかりと時間をかけてシステムのコンセプトを固めることが、失敗しないために最も重要なことです。事前にコンセプトを入念に検討せず見切り発進してしまった場合などに、システムの構築を進めていき途中段階もしくは運用が開始された段階で方針を変えざるを得ないような事態が発生することがあります。このような事態を回避するためには、「時間をかけすぎ」と思われるくらいじっくり時間をかけてコンセプトを練ることが必要です。
使いやすいデザインにする
システムが提供するサイトの見え方が洗練されているかどうかに加えて、使いたい機能や設定したいことが容易にできるか、探したいことがすぐに見つかるかなどの使い勝手を十分に考えた作りこみが必要です。そのためには、設計段階に加え、最終的なテスト段階においてテスターに不具合の指摘だけではなく、会員視点で使い勝手のチェックを行なってもらい、改善すべき事項はフィードバックしてもらう取り組みが必要です。できるだだけ多くの視点で評価することが使いやすいシステム構築に欠かせないことです。
改変が容易なシステムにする
システムをリリースした後に、必ず内外の利用者から改善要望や指摘が上がってきます。中には、テストの過程で気が付かなかったような不具合なども含まれています。いずれにせよ、システムの完成度を上げていくためには、システムの改変は避けることはできません。このことを理解し、設計段階から、ある程度の改修が発生することを想定し、これに対応が可能な構造としておくことが必要です。
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まとめ
「ファンクラブシステム」の役割や機能、具体的な導入手順と注意点について説明し、最後に専門知識不要で利用可能なシステム「SPIRAL®」を紹介しました。システムの導入にあたっては、「どんな目的で、どのようなシステムを作るのか」の最も根幹となるところをしっかりと固めた上で具体的な検討を行いましょう。「急がば回れ」の精神でこそしっかりとしたシステムを作り出せることをご理解いただけたでしょうか。