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カスタマーポータルとは|導入のメリット・デメリットや構築時の手順や注意点について

掲載日:2021年6月30日更新日:2024年2月21日

「カスタマーポータル」を知っていますか?カスタマーポータルの有効活用は売上の向上や顧客との継続的な接触に関して効果的な手段の一つといわれています。この記事ではカスタマーポータルについて、導入のメリットから構築の方法までを解説します。

カスタマーポータルとは?

カスタマーポータルとは?

カスタマーポータルとは、会員専用のWebサイトを作るための機能のことを指しています。つまり、会員のログインページや各会員に合わせた専用ページが作れるのです。具体的には、各お客様の専用ページがある企業サイト、個々の学生専用ページがある大学サイトなどです。カスタマーポータルは会員であるひとりひとりと個別に繋がることができる機能なのです。

カスタマーポータルを導入する必要性

カスタマーポータルを導入する必要性

カスタマーポータルの意味は理解できたけれど、必要性を感じない方もいるのではないでしょうか?カスタマーポータルの必要性を理解しないまま「自社には必要ない」と決めつけてしまうのは早計です。現代においては多くの市場においてサービスが多様化してきています。さまざまなサービスが市場に出れば競合は多くなり、いくら安価で高品質なサービスを作成・提供しても、なかなか会員は増えていきません。

そこでカスタマーポータルが必要になるのです。カスタマーポータルならお客様ひとりひとりの細かいニーズを分析して、適切なタイミングで最良の提案が可能になります。現代のビジネスにおいて、カスタマーポータルは非常に重要な役目を担っているのです。

カスタマーポータル導入のメリット

カスタマーポータル導入のメリット

カスタマーポータル導入にはたくさんのメリットがあります。ここでは3つのメリットを紹介します。導入のメリットを頭に入れておけば、いま自社にカスタマーポータルが必要であるかどうかを見極める判断材料になるでしょう。

カスタマーポータルは企業の悩みを解決するためのひとつの手法のため、導入のメリットを意識したうえで検討するようにしましょう。

顧客との関係づくり

カスタマーポータルを導入すると顧客との関係づくりがうまくできるようになります。なぜなら、会員サイトは「1対多数」のコミュニケーションではなく「1対1」のコミュニケーションができる場所だからです。

さらに会員サイトで顧客が必要としている情報を提供することで、顧客はいつでもどこでもその情報にアクセス可能になります。すると、いちいち資料を受け取ったり、担当者に電話したりしなくて済むため、顧客の満足度も向上するでしょう。その結果、ライトユーザーがファンへと変わっていくのです。カスタマーポータルは企業と顧客の距離を縮めて離さないというメリットがあるといえます。

限定コンテンツの活用

カスタマーポータルを導入すれば、かんたんに会員限定にコンテンツを配信・販売できます。企業側は会員限定コンテンツを作成して、会員サイトに流せば作業終了。会員側は必要な情報だと感じたら会員サイトにアクセスして、コンテンツを受け取ったり購入したりできます。

会員限定コンテンツを販売する際には、会員サイトにクレジット機能をつけることも忘れないようにしましょう。定期購読系の会員限定コンテンツを販売すれば、安定した収益に繋がる可能性があります。

継続率の向上

カスタマーポータルを導入すれば、顧客会員がサービスから離脱してしまう可能性を低くできます。カスタマーポータルでは顧客データを収集することが可能です。その会員ひとりひとりのデータにしっかりと向き合い、最良の提案をしたり、場合によってはサービス内容を柔軟に変更したりすることで、会員の満足度を向上させられます。

顧客が必要だと思っているときに必要なものを提供できれば、満足度はあがっていくでしょう。カスタマーポータルの導入によって、継続率UPも期待できるのです。

カスタマーポータル導入のデメリット

カスタマーポータル導入のデメリット

カスタマーポータルはとても便利な機能です。しかしながら、導入によるデメリットがないわけではありません。ここではカスタマーポータル導入によるデメリットを紹介します。メリットだけではなくデメリットも知っておかなくては、必要のない経費や時間がかかってしまうかもしれません。デメリットもしっかりと頭に入れたうえで、カスタマーポータルを導入するかどうかをじっくり検討するようにしましょう。

コストがかかる

カスタマーポータルの導入にはもちろんコストがかかります。具体的には導入するためのコスト、導入したあとにそれを浸透させるためのコストなどです。ほかにも会員からのクレームや質問に対応するためのコストもかかります。時間的にも経済的にもまったく余裕がない場合には、なかなかカスタマーポータルの導入・管理は難しいかもしれません。

操作に時間がかかる

カスタマーポータルを導入して作成した会員サイトは、一般的なWebページよりも操作に時間がかかってしまう場合があります。なぜなら、会員ごとに情報を収集し適切な情報を提供しているため、どうしてもページ内の情報量が多くなってしまい、会員サイト自体が重くなってしまうからです。

会員サイトにログインしたあとページが表示されるまでに「少々お待ちください」などの文字が表示されてしばらく表示を待つ経験をしたことがあるかも多いのではないでしょうか。カスタマーポータルを導入して会員サイトを作ると、表示や動作が遅くなってしまうことがあるのです。

即効性がない

カスタマーポータルは導入したからといって、すぐに効果が表れるものではありません。会員のお客様に新しい環境に慣れてもらう必要もありますし、最初はなかなか顧客データが集まらないので、顧客が何を求めているのかがわからない状態になってしまいます。

当然、大量のデータを集めるためには大量の会員も必要です。顧客がサイトを使いこなせるようになり、十分なデータが集まるまでにはある程度時間がかかることを念頭においておきましょう。

カスタマーポータルを構築する方法

カスタマーポータルを構築する方法

カスタマーポータルを構築するためには具体的にどうしたらいいのでしょうか?ここではカスタマーポータルを構築する方法を解説します。方法は2パターンあり、どちらを採用してもカスタマーポータルは構築・導入可能です。

しかし、かかるコストの種類が違います。どうやってカスタマーポータルを構築するのかを知り、自社ならどちらの方法でカスタマーポータルを構築するかを考えておきましょう。

ASPサービスを利用する

カスタマーポータルを構築する手段のひとつとして「ASPサービスを利用する」ことがあります。ASPとは「Application Service Provider」の略です。意味としては「業務用アプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客に提供する事業者・サービス」を指しています。

ASPを使うことによって、自社でサーバーを用意する必要がないのが特徴です。しかしながら、後述するもう一方の方法に比べて費用がかかります。自社で管理しなくてはいけないものが少ない分、お金がかかってしまうのがASPを利用したカスタマーポータル構築です。

CMSを利用する

CMSを利用することによってもカスタマーポータルを構築可能です。CMSは「Contents Management System」の略であり、「Webサイトのコンテンツを統合的に管理・保守・更新するためのシステムやソフトウエア」を指しています。有名なCMSとしてはWordPress、Movable Typeなどが挙げられます。

これらのCMSを使ってすでに自社サイトを作っているのなら、そのサイトにプラグイン(※)を導入してカスタマーポータルを構築できるのです。ただし、一からの導入やカスタマイズには専門的な知識が必要です。ASPサービスを利用しない代わりに、専門的な知識が必要となってしまうのがCMSを利用したカスタマーポータルの構築です。

※プラグインとは、WordPressなどに代表されるCMSの基本機能を拡張するソフトウェアやプログラムのことです。たとえばWordPressではサイトの表示や機能をカスタマイズするさまざまなプラグインが提供されています。

カスタマーポータルを構築する手順

カスタマーポータルを構築する手順

WordPressなどのCMSを使ってカスタマーポータルを構築するためにはどうしたらいいのでしょうか?ここではCMSを使ったカスタマーポータルの構築方法について解説します。手順に沿ってカスタマーポータルを構築するだけでOKです。これを読んで、CMSを使ったカスタマーポータルの作成に挑戦してみましょう。

ドメインを取得する

CMSを使ってカスタマーポータルを構築するためには、まずドメインを取得する必要があります。ドメインとはインターネット上における住所のようなものです。よって、ドメインがなくてはインターネット上に会員サイトが作れません。具体的には「〇〇.com」や「〇〇.co.jp」のこと。後述する「レンタルサーバーの契約」と同じときに取得してもいいのですが、安さを求めるならドメイン専門会社から取得しましょう。ドメイン専門会社でドメインを取得すれば500~10,000円で1年間ドメインを使えるようになります。あとは1年ごとに契約を更新していくだけ。ドメイン取得はカスタマーポータル構築への第一歩です。

レンタルサーバーを契約する

ドメインを取得したら、次にレンタルサーバーを契約しましょう。自社でサーバーを用意することも可能ですが、まずは手軽なレンタルサーバー を契約するのがおすすめです。レンタルサーバー業者はさまざまあるため、自社で信頼できる業者を探すところから始めましょう。また、ディスク容量などによって料金もガラリと変わります。これから構築しようとしているカスタマーポータルの規模を考えながら、どれほどの容量が必要になるのかを理解しておきましょう。レンタルサーバーを契約して、ドメインと紐づけることに成功したら、カスタマーポータル構築完了まであと一歩です。

プラグインを導入する

カスタマーポータル構築の最後の仕上げとして、プラグインをCMSに導入しましょう。プラグインとは「機能を拡張するソフトウェア」のことを指しています。つまり、プラグインを導入することによってCMSの機能を拡張して会員サイトに仕上げるのです。どのプラグインを導入するのかによって「会員限定コンテンツの配信・販売」「会員コミュニティの形成」「クレジット機能の搭載」などが可能になります。しかしながら、プラグインには日本語に対応していないものもあるので注意が必要。英語に不安があるのなら日本語に対応しているものを選びましょう。かつ定期的にアップデートがされているものを選ぶことも重要です。

カスタマーポータル構築時の注意点

カスタマーポータル構築時の注意点

カスタマーポータルを構築するためにはある程度の時間と費用がかかります。そのリスクを超えてやっと作成したのに失敗なんてしたくありませんよね。そのためにはカスタマーポータル構築時の注意点を知っておく必要があります。ここではカスタマーポータルを構築する際に注意すべきことについて解説します。注意点を知らないままカスタマーポータルを構築してしまって、努力やコストを水の泡にしたくありませんよね。しっかりと注意点は頭に入れておきましょう。

本当に必要か検討する

せっかくカスタマーポータルを構築したのに「実際使ってみたら必要ないと思った」となってしまっては努力が水の泡。使った時間も費用も捨てたようなものになってしまいます。そんな事態を防ぐためにはカスタマーポータルが本当に必要かを真剣に検討することが大事です。実際にカスタマーポータルを使っている未来をシミュレーションし、本当に必要だと思った場合のみ、カスタマーポータルの構築・導入をするようにしましょう。

使う目的を明確化する

使う目的が明確でないカスタマーポータルは作成しても意味がありません。目的が明確になっていないカスタマーポータルではどのような機能を搭載すればいいかもわからず、構築の途中までが関の山。その後はどうすればいいかわからないまま、カスタマーポータル構築に関するプロジェクトは失敗に終わるでしょう。カスタマーポータルを構築するなら「何に対してどのように使いたいのか」は明確にしておきましょう。

必要な機能は揃っているか確認する

カスタマーポータルを構築するときには必要な機能が揃っているかを確認しておくべきです。会員が入ってきてから機能が足りなかったことに気付いてしまうと、仕様の変更を余儀なくされます。会員が操作に慣れてきたというのに仕様を変更することになると、会員にとても迷惑がかかります。結果として、会員をやめてしまう原因にもなりかねないのです。カスタマーポータルを構築するときには「現状必要な機能が揃っているのか」と「これから必要になりそうな機能を考えたか」は意識しておきましょう。

専門知識が必要になる

CMSを使ってカスタマーポータルを構築する際には、専門知識が必要になることを頭に入れておくべきです。前述の手順に沿っていけばカスタマーポータルの構築は可能です。しかしながら、カスタマーポータル導入後には管理をし続ける必要があります。そのときプラグインに問題が起きたらどうしますか?もしプラグインに重大な問題が発生したとき、専門知識を持っていなければ適切な対応を取れず、サイトが動かなくなったり、情報が漏れたりしてしまうかもしれないのです。CMSを使ったカスタマーポータル構築はコストを削減できるのがポイントです。しかしながら、そこでコストを削減したために大きな損失が生まれてしまう可能性があることは頭に入れておきましょう。

コストを把握しておく

カスタマーポータルは時間もお金もかかるもの。その計算をしないままカスタマーポータルの構築を始めてしまうと、業務に支障が出てしまう可能性があります。ですので、カスタマーポータルの構築に必要なコストは確実に把握しておきましょう。コストを把握しておけば、必要な予算をしっかり確保したり、構築に必要な時間をとったりできます。また、コストを把握していると、カスタマーポータルがどれくらい価値のあるものなのかも必然的に意識することに。カスタマーポータルの必要性や目的にも改めて目を向けられますので、カスタマーポータルの構築コストがどれくらいかかるのかはさまざまな側面から考えておきましょう。

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まとめ

カスタマーポータルは会員専用のサイトを作るためのものです。市場が飽和・成熟している現代ビジネスにおいては競合との差別化を図るための重要なポイントとなります。しかしながら、カスタマーポータルを構築するためには時間もお金もかかります。さらには会員サイトということで個人情報を扱うわけですから、セキュリティ問題も重大です。カスタマーポータルを構築・導入するときには目的や用途によって必要な機能をじっくりと吟味するようにしましょう。