メール配信の記事
ARTICLEメールの一斉送信はどうする?方法やマナーについてのまとめ
社内メールや営業、メールマガジンの配信などメールの一斉送信機能はさまざまなビジネスシーンで活用されています。一斉送信はどのように行えば良いのか、ツールや方法をはじめ、送信する際のマナーなどについても解説します。
メールの一斉送信の活用場面
ビジネスにおいてもチャットやSNSなどの活用が進んでいますが、今でもメールは最も一般的なコミュニケーションツールといえるでしょう。その中でもメールの一斉送信はどのようなシーンで使われているでしょうか?
ビジネスでの連絡手段として
社内で大人数に情報共有をするときや、複数社の取引先に一度に連絡する場合に一斉送信が使われています。送信先が同じメンバーである場合、メーリングリストを利用して一斉送信することもあります。個別にメールを送ると手間がかかり、時間差が発生しますが、一斉送信することで、リアルタイムに情報共有ができます。
ECサイトなどの販売促進として
ECサイトでは販売促進の一環として、メールマガジンを配信します。売上を左右する重要な施策のため、より購買意欲を高めるために画像や動画を入れたコンテンツを作ったり、クリック率やコンバージョン率を計測して効果測定を行うなど、様々な工夫がされています。ECサイトによってはメールマガジンの登録者数が数千件になる場合もあります。
学校や自治体からの情報発信として
最近では学校からの情報発信もメールの一斉送信が利用されています。台風や大雨の際の登下校についてや、不審者情報などの情報を保護者に一斉送信できるのです。以前は連絡網をもとに、電話で連絡が順次回すのが一般的でしたが、メールの一斉送信をすることで瞬時に登録者全員に情報発信ができます。
自治体でも緊急時の情報発信として、メールの一斉送信が使われています。ホームページに情報を公開するだけでなく、地震や大雨の際の気象情報や、行方不明者に関する情報配信がされています。
メール配信サービスのメリットについて知りたい方は、「メール配信サービスの活用で効率アップ。メリットや注意点のまとめ」をご一読ください。
大量の一斉送信には、メール配信システムがおすすめ
少人数であればメールの宛先追加でも対応できますが、大人数に一斉送信する場合はメール配信システムを利用することをおすすめします。「OutlookやGmailのBCCに追加するので十分じゃないか?」とお考えの方もいると思いますが、おすすめできない理由があるのです。
BCCの一斉送信がおすすめできない理由
一斉送信の目的は、一度に大量の宛先に情報を届けることです。実は、大量の宛先にメールを確実に届けるのはかんたんなことではなく、BCCの宛先追加では、その目的が達成できない可能性があるのです。
受信ブロックによる未達
数百件を一斉に送信しても実は届いていない、ということがあります。それが受信ブロックです。
数通メールを送る程度でしたら問題はないのですが、大量のメールを一度に送ろうとすると、受信側のプロバイダー側で「迷惑メールの業者による迷惑メールだ!」と判断されてしまい、受信ブロックがされてしまうのです。
通常、メールサーバーは1つのサーバーにつき、1つのIPアドレスが設定されています。こうした受信ブロックが続くと、そのIPアドレス自体が迷惑メールの業者であると判断されてしまいます。
こうしたことを「IPアドレスの汚れ」と呼んだりもします。IPアドレスが汚れてしまうと一斉送信だけでなく通常のメール送信にも影響がでてしまいます。
誤送信による個人情報の漏洩
メールの誤送信で個人情報が漏洩した、というニュースを聞いたことがある方も多いでしょう。原因は、ウイルスなどによる被害よりも、人的なミスによるものが多いといわれています。
例えば、BCCで送るべきメールをCCやTOで送ってしまうと、本来隠す予定だった宛先の情報が、他の人に漏れてしまいます。数人程度なら間違える可能性が低いかもしれませんが、多人数になるほどミスの発生率が高くなるのです。
効果測定がしにくい
コンバージョンを目的とするメールの一斉送信では、改善を行うための効果測定が必要です。効果測定の項目としては、開封率、クリック率、コンバージョン率などがありますが、一般的なメーラーによる一斉送信では、こうした数値が計測しにくいというデメリットがあります。
例えば、開封率を計測するには、HTMLメールを送る、開封情報が取得できる設定にする、といったことが必要ですが、メーラーでは実現しにくい現状があります。
メール配信システムを利用するメリット
こうした理由から、BCCへの宛先追加による一斉送信はあまりおすすめできません。では、メール配信システムを使うとどのようなメリットがあるか、見ていきましょう。
メール配信システムを利用するメリットについては、「メール配信システムを使うメリットは?基本や選び方とともに紹介」をご一読ください。
到達率が高い
メール配信システムは大量の一斉送信に特化していますから、複数のIPアドレスからメールを配信する仕組みなどを持っており、高い到達率を実現できます。システムの中には、到達率を明記しているところもありますので、選ぶ際のポイントとなるでしょう。また、複数製品を選定する際には、複数のメーラーで受信できる環境を準備し、どの製品の到達率が高いかを比べてみるのもよいでしょう。
セキュリティ対策がされている
メール配信システムには、メールの誤送信対策としてポップアップが表示される機能や、配信の設定と、本番の配信ができる権限をアカウント別に付与する機能があり、人的ミスの低減が期待できます。ヒューマンエラーへの対策だけでなく、メールの暗号化やなりすましメールを防ぐといった機能もありますので、メール送信のセキュリティ性を向上できるでしょう。
メール配信システムにはオンプレミス型とクラウド型があります。セキュリティ面を重視する場合は、自社内のネットワークを利用するオンプレミス型がおすすめです。
クラウドサービスのセキュリティについての詳細は、「クラウドメールのセキュリティは大丈夫?気をつけるべきポイントとは」をご一読ください。
リスト管理ができる
数百件、数千件とある送信先のリスト管理も、メール配信システムでは効率的に行うことができます。例えば、未達になってしまったメールアドレスの削除や、配信停止依頼があったメールアドレスの管理などを自動で行ってくれる機能があります。ユーザーの属性によってセグメントを作ったり、アクションによってセグメントを作りリスト化できる機能もあります。
エクセルなど、人の手で管理しようとすると時間がかかったり、対応漏れが発生しますが、メール配信システムの機能を利用することで業務の効率化につながります。
ヒューマンエラーの発生を抑制できる
メール配信システムを利用するメリットとして、ヒューマンエラーの発生を抑制できる点も挙げられます。大量の受信者にメールを一斉送信する場合、どれだけ注意していてもヒューマンエラーによるTO・CC・BCCなどの宛先の誤りが発生するリスクがあります。メール配信システムによっては、すべての宛先を自動的にBCCに設定するなど、ヒューマンエラーを抑制しつつ、誰にメールを送っているか知られたくない場合に対応したメール配信が可能です。
効果測定ができる
販促などでメールの一斉送信を行う場合、どれくらいクリックされたのか、コンバージョンはいくつ獲得できたのか、といった効果測定が必要です。メール配信システムではクリック率やコンバージョン率が計測できる機能があり、マーケティングに役立てることができます。
メルマガの効果測定に関して知りたい方は、「メルマガのベストな配信時間は?反応が高い時間帯や測定方法を紹介」をご一読ください。
文面の作成代行、配信代行サービスがある
メール配信システムを提供する会社の中には、文面の作成や配信を代行してくれるサービスを持っている会社もあります。メール配信を初めて行うさいには、どのようなメールを作ればよいかといった悩みはつきものです。
メール配信を定期的に行っている場合でも、担当者が他業務と兼務しており時間がさけないといった悩みもあるようです。代行サービスを利用することで、メール配信のプロがお悩みを解決してくれるでしょう。
メール配信代行サービスについて詳しく知りたい方は「メール配信代行サービスとは?サービスの内容や選び方を紹介」をご一読ください。
メール配信システムのデメリット
高い到達率、強固なセキュリティ、効果測定のしやすさなど、メール配信システムには多くのメリットがある一方でデメリットもあるため、事前に把握しておくことが重要です。ここでは、メール配信システムのデメリットを2つご紹介します。
導入コストがかかる
メール配信システムは、大きくオンプレミス型とクラウド型の2つに分類されます。オンプレミス型の場合、自社で管理を行うため情報漏えいのリスクが比較的低く、カスタマイズの幅も豊富です。ただし、自社で運用を行うための環境を一から構築する必要があるため、導入コスト、ランニングコストともに高額になる傾向があります。また、クラウド型の場合、オンプレミス型よりもコストを抑えられますが、機能やメールの配信数などに制約がある場合が多いので、自社の条件に適しているか慎重に検討する必要があります。
操作に慣れるまで時間がかかる
メール配信システムのデメリットとして、操作に慣れるまで時間がかかる点が挙げられます。OutlookやGmailなど、日頃から使用しているメールソフトとは、操作方法や画面のイメージが異なるため、関係者が操作に疑問を持った場合に迅速にサポートできる体制を構築する必要があります。
少人数であればメールの宛先追加でもOK
とはいえ、数名程度の一斉送信であればメール配信ソフトを使わず、メールの宛先追加でも対応することができます。かんたんにマナーをおさらいしましょう。
TO、CC、BCCの使い分け
メールの宛先欄にはTO、CC、BCCの3つがあります。どのように使い分ければよいか、確認しましょう。
【TO】本来の宛先であり、あなたに向けてメールを送ります、という相手への意思表示が含まれます。TOでメールを受け取った場合は対応することが求められます。
【CC】カーボンコピー(Carbon Copy)、つまり複写という意味です。メールの内容は共有したいが、対応を求められているわけではありません。CCに設定したアドレスは他の受信者からも見ることができます。
【BCC】ブラインドカーボンコピー(Blind Carbon Copy)、隠された複写という意味です。CCと同様に、対応を求められているわけではありません。BCCに設定したアドレスは他の受信者から見ることはできません。
例えば、5名に一斉送信をしたいが、返信してほしいのは1名だけ、という場合は、返信してほしい1名をTOに、他4名は知り合い同士などメールアドレスが見えても問題ない場合はCCに、そうでない場合はBCCに設定しましょう。
宛先、宛名の書き方
宛先のアドレスは役職の高い順に設定しましょう。順番が入れ替わっていると気にされる場合もありますので、役職順に登録するのが無難です。本文の宛名も役職の高い順に記載します。
他社の方へ送る際、宛名は会社名、部署名、役職名、氏名の順で書きましょう。会社名は前株と後株の間違いが多いので気をつけてください。ビジネスでは会社名を省略すると失礼とされていますので、「(株)」と省略せず、「株式会社」と記載します。
宛名を書く際は、TOの方だけでなく、CCの方も記載すると丁寧です。記載することで、TOの方がCCに気づかず、送信者のみに返信してしまうことを防げます。また、CCに気づかず不適切な内容を全員に送ってしまう、という可能性も考えられますので、「(CC:●●チームの皆さま)」といった書き方でもよいので、記載しておきましょう。
メールの宛名について詳しく知りたい方は、「メールの一斉配信で宛名のポイントは?方法やマナーのまとめ」をご一読ください。
効果的なメールの一斉送信の方法
これまで説明してきたように、メールの一斉送信にはそれぞれ目的があります。メール配信システムの機能を利用することでより効果的な配信ができるようになります。どのような機能があるか、ご紹介します。
1to1メール
1to1メールとは、宛名に「●●様」といった個人名を挿入できたり、メール本文の内容にターゲットの興味があるコンテンツを差し込むことができる機能です。一斉送信でありながら、あたかも個人的に送られてきたような内容になり、興味をひきやすくなります。ECサイトなど、送り先のアクション率を上げたい場合に効果的な機能です。
ステップメール
ステップメールとは、無料の会員登録や資料ダウンロード、商品の購入など、一定のアクションをしたユーザーに対して、事前に設定したメールを、スケジュールのとおりに配信する機能です。ユーザーとの接触回数を増やすことで、興味度合いを高め、商品の購入や有料会員への登録に誘導します。例えば、ECサイトで商品を購入したユーザーへのステップメールは次のようなイメージです。
- 注文の御礼
- 商品の発送案内
- 商品の到着確認、レビュー投稿の依頼
- 別商品のレコメンド、リピート購入の提案
- 商品購入者向けセールの案内
HTMLメール
HTMLメールとは、画像を入れ込むことで視覚的に訴えることができる機能です。ECサイトのセール情報などを、HTMLメール形式で見たことがある方も多いのではないでしょうか。メール本文で商品や価格を見せることができるので、洋服や雑貨などのECサイトなどでよく利用されます。
HTMLメールについて知りたい方は、「HTMLメールの配信は効果的?メリット・デメリット、流れを解説」をご一読ください。
セグメントごとの配信
メール配信システムでは、興味度合いが似ているユーザーのセグメントごとに一斉送信を行うことも可能です。自分に興味のないメールは最後まで読まないですし、クリックすることも少ないですよね。ニーズの高いと思われる内容を送ることで、訴求効果が高まり開封率やクリック率を高めることが期待できます。
メルマガ配信については、「メルマガの送信はタイミングが重要。送信方法やスタンドの選び方」をご一読ください。
メールの一斉送信をする際の注意点やマナー
メールの一斉送信を行う際には、配信方法だけでなく配信する内容やタイミングやメールの未着や誤送信にも注意が必要です。自分たちのメルマガは有益な情報提供であって迷惑メールではない、と思っていても、メール配信におけるルールを守っていないと、迷惑メールだと判断されてしまう可能性があります。どのようなことに気をつければよいか、確認していきましょう。
特定電子メール法への対応
迷惑メールに関する法律があるのをご存知でしょうか?広告や宣伝目的のためのメールを『特定電子』と呼びます。『特定電子メール法』は、迷惑メールを防止するために制定された法律です。
この法律によって、特定電子メールを送る際には、受信者が事前に承諾することが必要になりました。配信の承諾をオプトインといいます。また、受信者がメールの受信をいつでもやめられるような設定も必要になりました。
受信者が配信停止の申し出をすることをオプトアウトといいます。配信停止のための情報として、送信者の氏名や住所、連絡先の記載や、配信停止の方法を必ず掲載しなければなりません。
特定電子メール法に違反してしまうと、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人の場合は、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金」が科せられるケースがありますので、送信前に次のチェックポイントを確認しましょう。
- 送り先のアドレスは、電子メールの送付に同意していること
- 送信者(責任者)の氏名、問い合わせ先を記載していること
- 配信停止の連絡先やURLが記載されていること
配信停止の方法については、停止専用のフォームへの誘導や、URLをクリックしてメーラーが立ち上がり、すぐに配信停止依頼ができるなど、受信者がかんたんに配信停止ができるように設定しましょう。
「 迷惑メールにならないメルマガの送り方とは?法律違反に要注意! 」をご一読ください。
メールの内容
特定電子メール法は営利を目的としたメールに関する法律です。だからといって、営利目的ではないメールなら、どのようなことを送ってもいい、というわけではありません。不要なメールは受信した側も困るものです。「法律に反しないからOK」という考えでなく、相手に迷惑をかけない内容であるように注意しましょう。
特電法についての詳細は、「[特電法対応]オプトイン方式でメール配信していますか?」をご一読ください。
メールの配信頻度
こちらも法律に触れる部分ではありませんが、多すぎるメールの配信は受信者にとって迷惑となります。オプトインがとれていて、オプトアウトの仕方も記載しているメールでも、受信者は多すぎるメールは迷惑と判断して、受信をやめてしまうでしょう。こうなると、メール配信の目的がそもそも達成できなくなりますし、送信元の信用も落ちてしまいます。適切なタイミングでの配信を心がけてください。
特電法の詳細は、「メルマガのベストな配信時間は?反応が高い時間帯や測定方法を紹介」をご一読ください。
メールの未着
大量の宛先にメールの一斉送信を行うと、メールが相手に届いていないことを示す『MAILER-DAEMON』が表示されることがあります。メールアドレスの誤りや一時的なエラーの場合もありますが、大量送信により受信先のプロバイダーに迷惑メールと判断され、悪質なIPアドレスと認定されてしまうとその後のメールが送信できなくなってしまいます。したがって、大量のメールの一斉送信を行うときは、配信サービスを利用するのをおすすめします。
メールの誤送信
大量のメールを一斉送信する場合には、どれだけ注意していても宛先の誤りによる誤送信が発生するリスクがあります。近年、メールの誤送信により個人情報が流出した事例も多数報告されているため、すべての宛先を自動でBCCに設定できるメール送信システムの活用も有効といえるでしょう。
まとめ
一斉送信機能は、もはやビジネスにおいて欠かせない機能と言えます。営業メールや社内情報共有など、複数人に送信しなければならない場面は、働くうえで必ず出てきます。
そんなときに、一斉送信ができるメール配信システムやアプリを使えば、かかる時間や手間の省略が可能です。中には、メール文面の作成や配信代行を行ってくれるサービスもありますので、初めてのメール配信で不安がある方は、そのような有料サービスを検討してみてもよいでしょう。
メール配信システムを導入する際、まずは想定している配信数や必要な機能を洗い出したうえで複数製品を比較して、自社に合ったシステムを選びましょう。
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