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送信ドメイン認証「DMARC」でなりすましメールを受信トレイに入れさせない!vol.3

掲載日:2021年2月3日更新日:2024年2月21日
二段階認証
  • メルマガ購読者から、メールが届かないと問い合わせを受けたことはありませんか?
  • スパイラルのメール配信設定にて、黄色信号のまま配信していませんか?
  • あなたの組織になりすましているメールがどのくらいあるか、知っていますか?

前回までの記事はこちらからご覧いただけます。
第1回 送信ドメイン認証「DMARC」の概要
第2回 送信ドメイン認証「DMARC」の送信側および受信側の導入状況

送ったメールがなりすまし扱いされているかも?!

前回お届けしたように、メール受信側のプロバイダやフリーメールがDMARCに対応しており、今後も対応するサービスは増えていくと思われます。

Yahoo!メール、迷惑メール対策として、 米国などグローバルで活用が進む送信ドメイン認証技術「DMARC」を 3月より順次導入

Gmailでは、メール送信元のドメイン(下記例のxxx.smp.ne.jp)と差出人メールアドレスのドメイン(下記例のexample.com)が一致しない場合、受信者側で気づけるよう、メッセージに「経由」を表示します。

ドメインが一致していないメール

メッセージ画面に「経由」が表示されます。

メッセージのソース画面で、DMARC認証は失敗(fail)しています。

ドメインが一致しているメール

メッセージ画面に「経由」が表示されません。

メッセージのソース画面で、DMARC認証はパス(pass)しています。

現時点ではさり気ない注意喚起ですが、DMARC認証が失敗している場合、今後はもっと目立つ表示に変更され、メールを受信した方に不安を与える可能性があります。こうした事態を回避するため、 今回は、DMARCの導入に必要なこと、導入した後の運用についてお届けします。

スパイラル利用者がDMARC認証をパスするためには

Express2でメールを一斉配信する時、DKIM署名を必ず付与して配信いたしますが、スパイラルのドメイン「smp.ne.jp」で署名したDKIM署名(第三者署名)を使用している場合、DMARCでは送信ドメインの検証が厳格なため、認証結果はパスしません(failになります)

スパイラルの配信設定画面では、メール配信前に、送信元認証に黄信号を点灯いたします。

Express2配信元認証(黄信号)

第三者があなたの組織ドメインになりすましてメールを配信している場合、受信側から見ると、なりすましメールもDMARCがfail、スパイラルからのメールもDMARCがfailになり、どちらもなりすましに見えてしまいます。

そこで、スパイラルのDKIM署名ドメイン管理にて、スパイラルで使用するドメインと、あなたの組織ドメインで署名したDKIM署名(作成者署名)を紐付ければ、受信側に本物のメールであることを証明でき、DMARCの認証結果はパス(Pass)します。

DKIM署名ドメイン管理の使い方はサポートサイトをご覧ください。

Express2配信設定画面で送信元認証が青信号になれば成功です。

Express2配信設定画面の送信元認証(青信号)

DMARCが認証失敗(fail)になるメールについて対処する

作成者署名のDKIM署名でメールを配信しても、メールサーバを経由するうちに、DKIM署名が壊れて、DMARCの認証に失敗するケースがあります。
また、そもそも送信ドメインをなりすましているメールは、受信側で迷惑BOXに入れたり、受信拒否して、本物のメールだけを受信トレイに入れるようにすることが望ましいです。

迷惑メール白書2020(発行:迷惑メール対策推進協議会)の「第3章トピックス:送信ドメイン認証技術(SPF・DKIM・DMARCなど)」によれば、DMARCの長所は導入の簡単さであり、導入コストはほぼ皆無とされています。

もし、上記のDKIM署名ドメイン管理を使用する方法が難しく、黄色信号のまま配信するしかない場合でも、DMARCを導入することはできます。

DMARCレコードを設定してみよう!

それでは、ここでDMARCの仕組みをおさらいします。

特徴1.送信ドメインを管理しているDNSサーバに、受信メールの取り扱いポリシーを宣言する。ポリシーは3種類のどれかを選択します。

受信メールの取り扱いDNSに記述するポリシー
何もしないp=none
隔離するp=quarantine
受信拒否するp=reject

特徴2.受信側が検証した結果をメールで受け取れる。受け取れるメールは2種類です。

レポート種類レポート内容
ruaレポート検証結果の統計データ
(SPF認証に成功したメールの通数など)
rufレポート認証に失敗したメール

当社のドメイン「pi-pe.co.jp」では、DNSサーバに以下のようにDMARCを設定しています。

_dmarc. pi-pe.co.jp . 21058 IN TXT "v= DMARC1 ; p=none ; rua=mailto: xxxxx@pi-pe.co.jp "

pi-pe.co.jp → 当社からメールを送る時の、差出人メールアドレスのドメインです。
DMARC1 → DMARC用のレコードであることを表しています。
p=none → 受信側に「何もしないこと(=受信すること)」をお願いしています。
xxxxx@pi-pe.co.jp → このメールアドレスで検証結果を受け取っています。

DMARCを導入する手続きは以下のようになります。

1.ポリシーを決める

DMARCの認証でNGとなったメールを、受信側でどのように扱って欲しいのか決めますが、導入当初は様子を見るためにも「p=none」を設定しましょう。

2.メールアドレスを用意する

受信側がDMARCのレポートを受け取るメールアドレスを用意しましょう。

3.DNSサーバのTXTレコードにDMARCレコードを設定する

あなたの組織で使用しているドメインや、スパイラルからのメール配信で使用している送信ドメインを確認して、当該ドメインを管理しているDNSサーバに以下のように設定します。

_dmarc. example.com . 21058 IN TXT "v= DMARC1 ; p=none ; rua=mailto:xxxxx@example.com "

導入した後はどうすれば良いの?

レポートを分析する

1日ほど経つと、上記で用意したメールアドレス宛にレポートが送られてくると思います。ただし、メールに添付されたXMLファイルはコンピューターが読み取る形式になっていて、大規模にメール配信をしている組織ですと、レポートの量が膨大になり、目視で分析するには難しいものがあります。

そこで、専用の分析ツールを使用する方法があります。
分析ツール「 DMARC/25」(株式会社TwoFive)を使用して、 当社のドメイン「pi-pe.co.jp」を調査してみました。
調査期間:2020年11月25日 – 2020年12月9日

DMARCレポートをベースにした場合、「pi-pe.co.jp」になりすましの疑いがあるメールが55,374通配信された結果になりました。

なりすまし疑い、認証失敗を調べる

メールが送信された送信元ごとに、メール通数や送信ドメイン認証の結果が分かるので、全く知らない送信元、なりすましとは言えない送信元を切り分けます。

ドメイン管理者が把握していないメールが送信される例として、組織のスタッフが業務の一環で、組織のメールサーバではなく、別のメール配信サービスを使って、差出人メールアドレスを組織のものにして、顧客へ送るケースが挙げられます。

この場合、なりすましているわけではないので、当該メール配信サービスのガイドに従って、DMARC認証がパスするよう対応します。
メール配信サービスがスパイラルの場合、本記事内で前述した「 スパイラル利用者がDMARC認証をパスするためには 」をご覧ください。

もし、なりすましメールを確認したら?

組織やサービスのWebサイト上で、「当社ドメインを装った不審なメールにご注意ください」というお知らせを見たことはないでしょうか?

なりすましメールを受け取った受信者が、組織やサービスのWebサイトを確認した場合、注意喚起することができます。

SPIRAL® の送信ドメイン認証技術への対応

スパイラル® では、特電法対応の機能提供やなりすましメール対策技術である送信ドメイン認証SPF、DKIM、DMARCにいちはやく対応し、受信プロバイダに迷惑メールと判定されにくいメール送信の環境提供に日々努めております。

スパイラル®の「DKIM」「DMARC」への対応については こちら もご覧ください。

本日のまとめ

  • DMARCの導入は簡単3ステップでできる。
  • 導入後のレポート解析を助けてくれる専用ツールがある。

3回にわたって、DMARCの紹介をしてきました。
確かに、DMARCの認証がパスしていても、受信側によるフィルタ設定などにより、メールが受信トレイに入らないことは起こり得ます。

しかし、DMARCを導入することで、あなたの組織になりすましているメールを排除することができますので、導入をご検討いただければ幸いです。

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