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ARTICLEメールのクラウド化は推進すべき?利用動向や特徴のまとめ
近年では金融・製造・運輸など、様々な業種でクラウドサービスが導入されており、クラウドのメリットに目を向ける企業が増えてきていることがうかがえます。クラウドサービスの利用動向や特徴を知り、導入の参考にしましょう。
クラウドサービスの基礎知識
まずクラウドサービスの基礎的な部分について解説します。従来、多くの企業が利用していたインストール型のメールソフトとの違いも合わせてご紹介していきましょう。
クラウドサービスとは
クラウドサービスとは、インターネットを経由して提供されるサービス全般のことを表しています。
従来のメールソフトとの違い
従来のメールソフトは、自社PCなどの端末にインストールして使っていました。メールデータは利用している端末に保存され、セキュリティの対策などはユーザーが行う必要があります。また、インストールしていない異なる端末では利用できないことや、端末の容量やスペックによるということもありました。
クラウド型のメールサービスは、インターネット上でメールの管理をするため接続環境さえあればどこでも利用できます。
ログイン情報さえ把握していればどの端末からでもアクセスできるため、スマートフォンなどで気軽に業務メールを確認することも可能です。
また、メールデータは端末ではなくクラウド上に保存されるため、端末の保存容量を気にせずに利用することができます。
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企業のクラウド利用割合はどのくらい?
総務省が公開している『情報通信白書』から、クラウドサービスの利用動向や導入している、していない理由などを紹介していきます。
また『脱クラウド化』ということで、クラウドサービスを利用していた企業が、利用をやめることにする場合があることも紹介します。
クラウドサービス利用動向
2017年における企業のクラウドサービス利用動向は、以下のようになっています。
- 全社的に利用している…29.4%
- 一部の事業所又は部門で利用している…27.5%
- 利用していないが、今後利用する予定がある…13.4%
- 利用していないし、今後も利用する予定もない …22.1%
- クラウドサービスについてよく分からない…7.6%
つまり2017年には、56.9%の企業がクラウドサービスを利用しているようです。今後利用する予定がある企業も加えると、実に70.3%の企業がクラウドサービスのメリットに目を向けているといえます。
出典:総務省『情報通信白書』第2節―ICT サービスの利用動向
利用する理由 しない理由
2017年において、企業がクラウドサービスを『利用する』理由は以下のようになっています。
- 資産、保守体制を社内に持つ必要がないから…45.2%
- どこでもサービスを利用できるから…34.8%
- 安定運用、可用性が高くなるから(アベイラビリティ)…32.6%
- 災害時のバックアップとして利用できるから…32.4%
- サービスの信頼性が高いから…29.4%
- システムの容量の変更などが迅速に対応できるから…27.4%
- システムの拡張性が高いから(スケーラビリティ)…23.4%
- 既存システムよりもコストが安いから…21.2%
- システムベンダーに提案されたから…14.8%
- その他 …8.4%
「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」という回答が全体の約半数を占めており、自社にサーバーなどを設置・運用する煩わしさを感じている企業が多いことがうかがえます。
2017年において、企業がクラウドサービスを『利用しない』理由は以下のようになっています。
- 必要がない…39.5%
- 情報漏えいなどセキュリティに不安がある…38.1%
- クラウドの導入に伴う既存システムの改修コストが大きい…27.6%
- メリットが分からない、判断できない…23.7%
- ネットワークの安定性に対する不安がある…16.1%
- 通信費用がかさむ…11.4%
- ニーズに応じたアプリケーションのカスタマイズができない…9.2%
- クラウドの導入によって自社コンプライアンスに支障をきたす…4.9%
- 法制度が整っていない…4.3%
- その他…5.1%
クラウドサービスに必要性を感じていない企業が最も多く、次いでセキュリティ面への不安を感じている企業が多くを占めています。コストメリットが注目されるクラウド化ですが、コスト面への懸念から導入をしていない企業も多いようです。従業員数の大きな法人企業になるとオンプレミス型よりも費用がかさんでしまう可能性があることも一因なのでしょうか。
出典:総務省『情報通信白書』第2節―ICT サービスの利用動向
脱クラウド化をする企業もある
クラウド化のメリットが注目されてきている中で、『オンプレミス』つまり自社での運用に回帰する企業もあります。
日本ではセキュリティへの不安からクラウドサービスの導入を懸念している企業は少なくないのですが、海外でも同じような理由で脱クラウド化の動きを見せる企業があるようです。
クラウドサービスは常に最新のセキュリティが提供されているとはいえ、コストをかけられるのであればオンプレスの方がより強固なセキュリティ体制を構築することができる可能性もあります。
またコスト面の理由から脱クラウド化をする企業もあります。規模にもよりますが、場合によってはオンプレミスの方が運用コストを低くできる場合があるからです。
一度クラウド化してから、またオンプレミスに戻すというのは、余計なコストや手間をかけることになります。クラウド化する前に、メリットとデメリットを充分に検討しておく必要があるでしょう。
クラウド化のメリット
オンプレミスを採用している企業がわざわざクラウド化するのは様々なメリットがあるからです。どのようなメリットがあるのかを解説していますので、導入の参考にしてください。
自社でのサーバーは不要
オンプレミスでは自社にサーバーを構築して管理する必要があります。この場合、セキュリティの強化やHDD容量の管理などは自社の担当者が行う必要があります。
しかしクラウド化すると自社にサーバーを置く必要がないので、管理が楽になります。セキュリティ強化もサービス提供者が行ってくれるので手間が省けますし、容量を増やしたい場合も簡単です。
また、自社でのサーバーが不要なので、導入のための初期費用が少なく、サーバーを維持管理するためのコストが不要になります。
保存や管理が簡単
クラウドサービスではクラウド上にデータを保存するため、自社の端末の容量に負荷をかけずにメールのデータを保存できます。
またログイン情報さえわかっていれば、どの端末からでもアクセスできるので外出先でも必要なデータを同期してメールの送受信などが可能です。外部のサーバーに保存されることでデータの紛失を防ぐことにもなります。
このような管理のしやすさは業務効率の改善にもつながるでしょう。
デバイスやOSの変更に対応しやすい
どの端末からでもアクセスできるので、デバイスの変更にも面倒な作業は必要ありません。
データを他の端末へ移行する作業も省くことができますし、OSを変更した際もアカウント情報を入力するだけで済むので、煩わしさがありません。
クラウド化のデメリット
クラウド化によるメリットは非常に魅力的ですが、導入後の失敗を防ぐためにはデメリットにも目を向けることが重要です。この項目では、コスト面やセキュリティなどに関するデメリットを解説します。
コストの問題
初期費用が少ないことが多いという点はクラウド化の大きな魅力ですが、ランニングコストではオンプレミスに軍配があがることもあります。
特に利用者が1,000人を超えるような規模であれば、オンプレミスの方がランニングコストを抑えることができるかもしれません。運用コストについても事前に十分に検討するようにしてください。
セキュリティの問題
クラウドサービスでは常に最新のセキュリティが提供されていることがほとんどで、情報漏えいやウィルス感染に対する対策が十分になされている場合が多いです。
しかし、自社専用のサーバーを構築した方がより強いセキュリティ体制が得られる可能性もあります。そのためクラウド化は、コストの安さよりもセキュリティを重視するなど強力な安全性を必要とする企業にとってはデメリットとなる場合があるようです。
クラウドサービスを利用しない企業や脱クラウド化を計る企業の多くは、セキュリティ面への不安が原因であることが多いようです。
移行の問題
入念な下調べをせずにクラウド化に踏み出すと、予想以上にデータの移行に戸惑うケースもあります。
また、既存システムと移行先のクラウドサービスの要件がマッチしているかどうかを事前に確認しておく必要があります。事前に既存システムの要件を洗い出しておくことで、導入後のミスマッチを防ぎましょう。
クラウド化におけるセキュリティのポイント
クラウド化において重視すべきポイントの1つである、セキュリティについて解説します。
メールサーバーのクラウド化で気をつけること
この項目で解説されているポイントを押さえたクラウドサービスを選ぶことで、導入後のトラブルやセキュリティに対する不満を最小限に抑えることができるでしょう。
メールで気をつけたいポイントは多数の社員が手作業で行っている業務であることそして個人情報が含まれているという点ですね。
ウィルス対策などリスク管理
クラウド型のメールサービスにおけるウィルスは、メールの添付ファイルを通じて感染するケースが多いです。
ウィルス感染したことに気づかずに放置しておくと、知らないのうちに他社へウィルスを送り込んでしまうこともあり、信頼を失ったり取引先への迷惑につながります。
誤送信など漏えいへの対策
メールの誤送信は情報漏えいなどの重大な問題に発展する可能性があります。ヒューマンエラーは完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、その一手として誤送信を防止する機能があることは非常に大切です。
またメールのデータは常に、第三者から不正に傍受される危険にさらされています。そのため、暗号化機能も重要といえるでしょう。
クラウドメールのセキュリティは大丈夫?気をつけるべきポイントとは
まとめ
オンプレミスに対して不満を感じている企業は、クラウド化することで解決することも多いでしょう。しかし、メリットだけに目を向けていては導入後に後悔することもあります。
脱クラウド化した企業の事例やデメリットもあらかじめ把握した上で導入すれば、大きく失敗することはないでしょう。業務効率の向上やコスト削減などのために、クラウド化を検討してみましょう。
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