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5分で理解できる顧客との接点を増やすオムニチャネル

掲載日:2017年8月17日更新日:2024年2月21日

オムニチャネル化で顧客との接点を増やす

インターネットが大きく普及した結果、小売店を持っている企業では店舗の「ショールーム化」に悩まされていました。

ここで言う「ショールーム化」とは、小売店の実店舗で顧客が実際に商品に触れたり、店員の説明を聞いたりしながら製品の魅力や差別化ポイントなどを把握しても、そこでは購入せずに、そこで得た情報をもとにしてインターネット上で検索した通販サイトの中から最も安い価格で購入するという問題です。

このようにECサイトに販売の機会を奪われることで実店舗がインターネットを敵視する向きもあります。

しかし、大手小売チェーンや百貨店などが中心となり、その敵対関係をメリットへと変えるシステムを構築しています。それがオムニチャネルです。

オムニチャネルとは?

オムニチャネルとは、ネット通販や実店舗販売などといった形に囚われず、顧客があらゆるメディアを使って購入・受け取りができる環境のことです。

2011年頃にアメリカでその試みが注目され、今では爆発的な広がりを見せるマーケティング手法となっています。

実際に販売する店舗、それにPCやモバイルなどにおけるECサイトだけに限ることなく、SNSやマスメディアをはじめ、通販のコールセンター、通販カタログ、中吊り広告、屋外広告など、顧客との接点になるものはすべてオムニチャネルに含まれています。

このようにして、顧客に対して一貫性がある購買体験(複数の販売チャネルや流通チャネルを横断したもの)を提供していくことで、商品や顧客の管理などもシームレス化。顧客に対して、高い利便性や満足度を提供していくことができます。

また、このようにオムニチャネル化することで自社の売上げアップもつながりますし、「顧客を自社(自ブランド)のファンに変える」といった効果も上げられます。

なお、オムニチャネルと同じような意味を持つ言葉が「マルチチャネル」です。 しかし、この2つには違いがあります。マルチチャネルは、販売や流通のチャネルを多角的に増やすという意味を持ちますが、一方でただ窓口を増やしているだけにすぎません。

しかし、オムニチャネルはあらゆる販売や流通のチャネルを連携させて、顧客に幅広くアプローチを行います。ここに違いがあるのです。

たとえば、「店舗で商品を見たあとにネットで注文する」というパターンはマルチチャネルの典型です。このようにマルチチャネルにしたことで実店舗が販売機会を逸失する、というデメリットを補うためにオムニチャネルが生まれてきたのです。

オムニチャネル化にも課題は存在する

オムニチャネル化にも課題はあります。 たとえば、複数のチャネルを実店舗に紐づけたものの、実店舗のファンであった顧客がECサイトで購入するようになったことで、結局、実店舗の売上げが減少してしまうといった問題です。

それを解決するためには、

  • 店舗と顧客との関係をシステム上で管理する
  • 従業員を売上げだけで評価するのではなく、それ以外の評価軸を用意する

といったアプローチも必要となります。

また、システムとしてこれらを用意することだけでなく、これらを運用できるように従業員を教育することも必要です。

実店舗とECサイト、コールセンターなどを一つの会社で運営していた場合、それぞれに関係者がいて課題もそれぞれに存在するという問題もあります。

そこでチャネルに関連することは、まとめて統括する部署が求められます。

その統括部署に属する人材は、複数の部署に対して調整をかけられる権限を持つメンバーが在籍していることが望ましいでしょう。また、外部の企業にこのような統括業務を委託する場合は、相応の権限を委譲する必要があります。

オムニチャネル化の課題をクラウドで克服

これらの課題を克服し、オムニチャネルを成功へと導くためにはクラウドサービスを利用することが有効です。

クラウドサービスを活用することで、販売や流通のチャネルごとにそれぞれ独自に管理している顧客情報を連携。

「一人の顧客」をそれぞれのチャネルごとの「複数人」ではなく「一人」としてみることで、顧客情報の統一管理ができます。

また、実店舗とECサイトなどとで相互に活用ができてない商品情報や顧客の購買行動についてのログといったものを今後の購買予測に活用できるデータへ整理していきます。

それだけでなく、実店舗、ECサイト、Webフォームなど、顧客へのタッチポイントの整理を行い、チャネルごとで対応が異ならないよう、顧客対応統一化のための支援を受けることも可能です。

オムニチャネルを成功させるためには膨大なシステム投資が必要だと考えがちです。しかしクラウドサービスを利用することにより、低コストでオムニチャネルを成功へと導くことができるわけです。

オムニチャネルの秘訣は「習うより慣れよ」?導入成功への最短距離

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