メール配信の記事
ARTICLE効果的なステップメールの作り方・送り方とは?
数年前と比べると、ステップメールの配信は容易になりました。メール配信ツールやスパイラル®に代表されるシステムが数多く存在するため、設定さえしておけばメール配信ができてしまう時代がやってきたのです。
しかし、それだけにメールの練り込みが重要です。事前の設計が不十分だと、決して思ったような成果を上げることはできません。
今回は、「なぜ」「誰に」「いつ」「どうやって」メールを送るのかという観点から、効果的なステップメールについてご説明します。
ステップメールの目的・KPIを考える
なぜステップメールを送るのか、その目的をまず考えましょう。
目的がぶれたまま配信の手続きの話に進んでしまうと、ステップメール設計の軸がぶれてしまって議論がまとまらなくなります。また、無理矢理配信したところで思うような効果が出ません。何かしら効果が出たとしても、「メール配信にかかる工数が30%減少した」など作業が効率化する程度でしょう。これでは、チームメンバーも上司も納得しないのではないでしょうか。
ステップメールを送る目的は、メール配信の工数を減少させることではないのは明らかです。 設計の話に入る前に、なぜステップメールを送らなければいけないのか、何を達成したいのかといった目的意識をチーム内で共有する必要があります。
そこで注意しなければならないのは、目的と手段を混同してはいけないということです。
たとえば「商品情報を幅広く伝える」というのは目的にはなり得ません。商品情報を幅広く伝えることで、問い合わせを増やしたりセミナー集客につなげたり、さらには売上を伸ばしたりと、何かしら成果を出すことが目的なのです。
- 3か月後のセミナーの集客を20%増やす
- ステップメールで問い合わせを月10件増
- 成約数を15%アップさせる
など、数字目標を設定することで、議論の軸を明確にしましょう。
ステップメールを配信するターゲットを明確にする
目的が決まったら、ステップメールを送るためのターゲットを考えましょう。多くのメールは、ターゲットを絞り込まなければ刺さるコンテンツにはならないからです。
また、ステップメールであれば複数回の配信が前提となるはずです。2通目以降はどういった行動を取った人に送るのかも明確にしましょう。
目的が明確になっていれば、自ずとターゲットも決まってくるはずです。たとえば「3か月後のセミナーの集客を20%増やす」が目的だとしたら、ステップメールのターゲットは「セミナーに出てくれそうな会社・個人」となるでしょう。
そうすることで地域や会社規模、業種などが絞り込むことができます。また、ある程度興味・関心レベルの高い人でないとセミナーには出ないので、2通目以降のメールは「前回のメールを開封した人」「前回のメールのURLをクリックした人」にだけ配信するなど、行動によって絞り込むことも有効です。
このように、ターゲットを絞り込むことで配信コストも下がり、一方で開封率やクリック率などは上昇する傾向にあります。コンテンツも特定の対象だけを想定したものにすればよいので、作りやすくなります。
ステップメールの配信時間帯や配信シナリオを考える
目的とターゲットを定めたら、いよいよ具体的な配信設定を考えます。
配信する時間帯や、配信シナリオの設定です。 最も読まれやすくなると思われる時間帯に配信することが重要です。
ビジネスパーソンは膨大な量のメールを受け取っているため、開封してもらうことすらなく削除されることすら少なくありません。 一般的には、月曜の朝や金曜の午後は避け、火~木の朝一や昼休み直後の時間帯がベストとされています。
月曜の朝はメールや仕事がたまっており、金曜の午後は休日に向けて一週間の「手仕舞い」が始まっているため、メールを配信しても読まれにくいためです。
月曜と金曜を除く平日、しかも本格的な仕事に入っていない時間帯を目指すのがよいと考えられます。ただし、これもターゲットによっては変わってくるはずです。ターゲットが外資系企業であれば、出勤時間が遅い人も多いため朝一よりも10~11時ごろの配信がよいかもしれません。
次の配信シナリオとは、1通目から最後のメールまでの内容と配信頻度のことです。たとえば、「セミナー出席者に商品購入を促す」ことを目指すとすると、1通目はセミナー出席のお礼、2通目はセミナーのトピックに関連した商品・ソリューションの紹介、3通目は商品の効果についての説明、と続けることが考えられます。
とはいえ、あまり矢継ぎ早に送ると嫌がられる恐れもあるため、それぞれ1~3日は間隔を空けて配信した方がよいでしょう。
また、2通目以降は「前のメールを開封した人」にのみ配信し、開封していない人には別途リマインドメールを配信するなど、受信者の行動によって配信内容を変える手もあります。目的やターゲット、あるいは商品特性などによっていろいろなシナリオが考えられるので検討していきましょう。
ステップメールのPDCAサイクルを続ける
いくら事前に緻密な計画を立てても、計画通りに首尾よく成果を上げることは少ないものです。結果をチーム内で共有し、メールを修正・変更することができます。
1通目配信後でも、2通目以降の内容や設定を見直す余裕はあるはずです。したがって、ステップメール配信が開始した後も、チームを解散しない方がよいでしょう。
高速でPDCAを回せるように、配信担当とデータ分析担当、部署間の調整担当などを継続して配置することをおすすめします。
設定するだけで簡単に送ることができるようになったからといって、担当者に丸投げするだけではその真価は発揮されません。
あらゆる仕事にいえることですが、ステップアップメールをより効果的なものにつなげるには、綿密なプランニングと強力なチームワークが重要なのです。
メール配信システムについて知りたい方は、「メール配信サービスの活用で効率アップ。メリットや注意点のまとめ」をご覧ください。