問い合わせ管理の記事
ARTICLE社内問い合わせ管理における課題とは?FAQのメリットと作り方
社内問い合わせ管理の負担を減らしたいと考えていませんか?負担が増える理由やその背景にある課題、そして解決策を紹介します。特に紹介するのは、FAQによる解決策です。作成や運用の方法を中心に紹介するため、導入を検討してみましょう。
目次
社内問い合わせにおける課題
近年、負担が急増している社内問い合わせには、さまざまな課題があるといわれています。具体的にどのような課題があるのでしょうか?
問題解決に時間を要する
まず挙げられるのが、問い合わせても『すぐに解決しない』ということです。社内の問い合わせを受け付けるヘルプデスクには、常にたくさんの質問が寄せられています。
マニュアルの作成や体制の整備を実施し、スピーディーに回答できるよう努めていたとしても、対応しきれなくなることがあるのです。
特に、社内システムにトラブルが発生すると、想定以上に問い合わせが増え、回答までに時間がかかることがあります。
全ての問い合わせに即時対応できない場合、問い合わせた側もヘルプデスク側も業務が止まってしまいます。時間を有効に使えないことで、お互いにストレスがたまる原因になることも考えられるでしょう。
知識や確認不足による問い合わせ
繰り返し同じような問い合わせが入る場合、『確認不足』が原因で問い合わせが増えている可能性があります。例えば、既にマニュアルがあるけれど、存在が周知されていない場合がそうです。
マニュアルを確認すれば回答が載っているような問い合わせが1日に何件もあると、その対応に追われて本来の業務が滞ることもあります。
結果として担当者の負担増に
ヘルプデスクには、日々さまざまな問い合わせが入ります。IT製品の使用方法・トラブルへの対策・ネットワークのメンテナンスなど、その内容は幅広く複雑です。
近年、ヘルプデスクで実施する業務は、さらに複雑さを増しています。仮想化技術やクラウド化など技術が進化していることや、管理する端末が増えたことなどがその要因です。
加えて、部署ごとに異なるシステムが導入されるケースも増えています。そのため、把握すべき情報が多くなりすぎているのです。
最先端のIT技術を導入し、効率的なワークフローを整えることで、管理を実施するヘルプデスクの負担はますます増えていきます。
社内問い合わせ管理の負担増加の主な原因
社内問い合わせ管理の負担が増えていることが分かりました。では、具体的に、どのような原因で負担が増えているのでしょうか?
確認すべきデータが不明瞭
社内で「問い合わせ前にマニュアルを確認してください」とアナウンスしても、どのマニュアルを確認すればよいか分からなければ、実施できないでしょう。
問い合わせがなかなか減らないのは、どこを確認すればよいかが分からないからかもしれません。このようなケースは、従業員数の多い規模の大きな企業で発生しやすい課題です。
規模が大きい分扱うマニュアルや問い合わせ窓口が複数あり、どのマニュアルにどのような内容が書いてあるか、利用する社員が混乱している可能性があります。
マニュアルを作成するときには、活用する方法も同時にアナウンスすることが大切です。うまく周知できずにいると、問い合わせの負担は増えるばかりでしょう。
属人化やリソース不足
「システムについては〇〇さんに聞けば分かるよ」と言われるような場合、負担増の原因は属人化です。マニュアルでは対応しきれない上、代わりの人もいないとなると、負担はどんどん増えていきます。
また、リソースが不足しているというケースもあるでしょう。
社内問い合わせ管理を担当する部門は、直接の売上にはつながりにくいと考えられがちです。そのため、中小企業では最小限の人数で担当することや、他部署と兼任することがあるのです。
限られた人数で全社の問い合わせに対応しなければいけないため、負担が増加します。
負担軽減のための解決策
インフラが複雑化していることや、属人化やリソース不足によって、社内問い合わせ管理の負担が増加していることが分かりました。
そこで、負担を減らすための方法を紹介します。できることから取り入れることで、徐々に問い合わせ管理の負担を軽減できます。
マニュアルの作成
全ての疑問を社内問い合わせで解決する体制では、負担が増えていくばかりです。回答までのスピードアップができても、対応できる限界がありますし負担は減りません。そこで『マニュアル』を作成しましょう。
よくある問い合わせへの回答を集めたマニュアルを作り、社員がいつでも見られるようにしておくのです。 すると、適切な回答へアクセスするまでの時間が短縮され、問い合わせ件数減少につながります。
負担軽減のためにマニュアルを作成する場合、誰が見ても分かりやすい形式で作成することが大切です。文章だけで作るのではなく、必要に応じて表やリストなども活用しましょう。
FAQの作成
FAQの作成は問い合わせ件数を減らすのに役立ちます。よくある質問ごとに回答を作成し、問い合わせ前に確認してもらうことで、自己解決を促すのです。
利用のハードルが低くなるよう、簡単にアクセスできる工夫をしておくと、利用してもらいやすくなります。
また、情報の更新も大切です。作成したままにしておくと、情報が古く役に立たないことがあるからです。活用し続けてもらうためには、常に内容を最新に保つ必要があります。
問い合わせ情報の共有、保管
他にも、問い合わせ情報を共有するという方法があります。問い合わせ情報を共有する仕組みを利用すれば、必要な情報へアクセスするための時間を短縮できるのです。
また、回答履歴を保管しておけば、過去の類似ケースから回答を見つけやすくなります。どちらの機能も、情報を探し出すのに役立つものです。回答までの時間を減らし、業務の負担軽減につながります。
社内FAQを作成するメリット
社内FAQを導入すると、さまざまなメリットが得られます。どのようなメリットがあるのかを知り、導入の参考にしましょう。
担当者の負担軽減、満足度向上
必要なときに参照し、分からないことを自己解決できるFAQがあれば、全ての社員が本来の仕事に集中しやすくなります。
調べれば分かる問い合わせに、毎日何回も回答しなければならない状況は、担当者のモチベーションにも影響する問題です。
「一体何のために仕事をしているんだろう・・・」とやる気を失っている社員もいるかもしれません。
FAQの整備で、問い合わせへの対応の負担が減り、本来の仕事に集中できる環境ができれば、仕事の満足度向上にも役立つ可能性があります。
また、問い合わせをする側も、電話をかける手間や回答を待つ時間が発生しないため、満足度が高くなりやすいのです。
頻出質問や課題の情報が集まる
現場の社員がどのような悩みを抱えているかが明らかになるのも、FAQのメリットです。
FAQを作成するときには、よくある問い合わせを集計します。内容ごとにまとめ、回数を明らかにすることで、作成する項目を決定するからです。
その過程で、社員が常日頃から分からないと思っていたこと、困っていたことが見えてきます。
業務効率化や働き方改革につながる
誰でも分からないことを調べられるFAQがあれば、困ったときにはまず調べることが習慣になります。すると、問い合わせをするよりも早く解決し、業務効率化につながるのです。
また、毎回問い合わせをしていると、社内問い合わせに対応する担当者の中でも、詳しい人がいることに気付きます。すると、次回からはその人を指名して問い合わせをするようになるでしょう。
そのようなことが全社の問い合わせで行われると、負担の偏りが出てしまいます。しかも、その人が休憩中や休みを取っている日には、仕事が進まなくなってしまうのです。
FAQを効果的に運用できると、このような仕事の偏りも解決できます。
社内FAQの作成方法と手順
より働きやすい職場づくりのために役立つFAQは、どのような手順で作成するのでしょうか?効果的な作成方法を解説します。
業務や質問の抽出
まずは、FAQを作るべき項目を洗い出すため、業務や問い合わせ内容を抽出します。社内問い合わせ管理の担当者にヒアリングし、多く寄せられている問い合わせ内容を集めましょう。
同時に、問い合わせする側にも、困っているところや分かりにくいところをヒアリングします。
ヒアリングした内容を元に、実際に作成する項目を抽出しましょう。ただし、数が多くなりすぎても分かりにくくなります。『必要なものに絞って作成』することが大切です。
カテゴライズと回答作成
抽出した項目は、分かりやすくカテゴリー分けします。例えば、ネットワークについて・営業支援システムについて・顧客管理システムについて、というように、分類するのです。
問い合わせする側の社員へのヒアリングを元に参照しやすいカテゴリー分けをしましょう。
次に、回答を作成します。回答も、問い合わせる側が理解しやすい内容にすることが大切です。社内全員が分かるよう、高度な専門用語は使用せずに解説します。
文字の装飾や配置に注意することも大切です。また、解説する内容によって、表や画像の挿入、フローチャートによる解説が必要なこともあります。
アップデート
作成したFAQは、必要に応じてアップデートすることが大切です。随時、見直して小まめに更新することで、常に最新の社内ナレッジを共有できます。
特に、利用件数が伸び悩み始めたら、見直しのタイミングです。なぜ利用されないのかを探り、積極的に利用されるFAQになるよう更新しましょう。
また、新たに増えてきた問い合わせの項目を追加したり、新たな社内システムの項目を追加したりすることも大切です。
使いやすい社内FAQを作るコツ
利用してもらいやすいFAQを作るためには、ポイントを押さえることが大切です。参照しやすいFAQ作りによって、社内問い合わせ管理の負担を軽減しやすくなります。
導線を整える
FAQを作成するなら、サイト上の分かりやすい場所に設置することで、利用しやすい導線作りが可能です。
どこにあるのか分かりにくいFAQでは、自分で調べるよりも問い合わせた方が早い、と判断されてしまうことがあります。これでは、せっかく作っても業務の負担は変わりません。
そこで、社員の目に触れる場所にリンクを設置したり、利用の案内をしたりするのです。例えば、社内ポータルのトップページや、連絡先を記載している箇所に設置します。
『お問い合わせ前に社内FAQでの検索をお願いしています』と記載しておくと、利用促進につながるでしょう。
また、電話やメールで問い合わせを受けたときには、FAQで検索してから問い合わせてください、というアナウンスをすると周知しやすくなります。
欲しい情報が得やすいことを意識
積極的にFAQを利用してもらうためには、問い合わせに対して適切な回答が示されなければいけません。検索する人が簡単に回答にたどりつけるよう、調整が必要です。
例えば、よくある問い合わせの項目が表示されやすいようにすることや、検索キーワードに合う項目が正しく上位表示されるように見直すのです。
調整の仕方はシステムによって異なります。タイトルや回答文の表現を見直す方法や、タグを変更する方法があるため、使用しているFAQシステムに合わせた修正をしましょう。
解決につながる回答の充実
FAQで検索しても、回答で問題を解決できない、ということがあります。そのようなことが続くと、利用者は減ってしまうでしょう。そこで、回答を充実させることが大切です。
ただし、最初から完璧な状態での運用開始を目指すと、準備に時間と手間がかかりすぎてしまいます。そこで、まずは可能な範囲でFAQページを作成し、リリースしましょう。
回答を充実させるのは、運用を開始してからです。分かりにくい表現や、説明が不十分な箇所などを更新して充実させます。
FAQで検索したけれど解決しなかった、という問い合わせも参考にしましょう。問い合わせ内容に対して知りたい答えが分かると、社員が求める回答を表示しやすくなります。
コンテンツ数が多くなったらFAQシステム導入を検討しよう
FAQの件数が多くなって管理が大変になったり、更新頻度が高い場合はFAQシステムを導入することでヘルプデスク担当者の業務効率化ができます。
FAQシステムのメリット
FAQシステムを導入し、FAQがより見やすく、検索しやすくなることで、問い合わせ件数をさらに減らす効果が見込めます。FAQを用意していても必要な情報が見つけられず、結局問い合わせの件数が減らない、といった場合に有効です。問い合わせする側もすぐに答えが見つかり、ヘルプデスクも業務効率化ができるので双方にとってメリットがあります。
FAQシステムであれば、プログラミングの知識がなくてもコンテンツの更新ができます。こまめに追加、見直しを行うことでより満足度の高いFAQが出来上がるでしょう。
問い合わせ対応の電話の内容からFAQを自動生成するものもあり、管理工数の削減が期待できるでしょう。
おすすめのFAQシステム3選
国内シェアNo.1 PKSHA FAQ(旧:OKBIZ. for FAQ)
日本語に強い検索エンジンが特徴の国内シェアNo.1のFAQシステムです。
シナリオ作成不要でチャットボットが使えるようになりますので、FAQシステムの導入が初めてという方にもおすすめです。
レポート機能もありますので成果の出るFAQを作り上げることができます。
機能が豊富なFastAnswer2
「作りやすい」・「見つけやすい」・「育てやすい」がコンセプトのFAQシステムです。FAQを作るだけでなく、わかりやすいユーザーインターフェースで利用者により活用を促進します。
取扱説明書、規約などをナレッジとして蓄積できるので、統合ナレッジデータベースとしても利用することができます。
AI搭載のFAQシステム sAI Search
ユーザーの疑問をAIが先回りして予測する、全く新しいFAQ検索システムです。利用者は疑問に思っていることに近いタグを選んでいくだけで回答にたどり着くことができる仕組みです。
FAQデータをアップロードすればその日から利用ができます。
サジェスト検索に強いFAQシステムを探している方におすすめです。
まとめ
技術の進歩や、さまざまなシステムの利用が促進したことにより、社内問い合わせ管理の負担が増えています。
対策をしていない企業では、少ない人数で本来の業務に取り組みながら、毎日のように同じような問い合わせに回答していることもあるのです。
そこで、負担軽減や業務効率化に役立てる取り組みとして、FAQやマニュアルの整備を進めましょう。社内全体で参照されやすい充実したFAQを作成し、目立つ場所に設置するのです。
小まめな更新で常に最新情報を共有できるFAQを運用すれば、社内問い合わせ管理の負担軽減につなげられます。