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ARTICLEMovable Type(ムーバブルタイプ)とは?特徴やメリット・デメリットを徹底解説
MovableTypeは商用パッケージ型CMSです。商用パッケージ型CMSの中で5年連続国内導入シェアNo.1と人気の高いCMSであり、国内の5万サイト以上で導入されています。今回はMovableTypeの特徴やメリット・デメリット、セキュリティ面や導入方法など詳しく解説していきます。
目次
- Movable Type(ムーバブルタイプ)とは?
- 要件に合わせて選べる3つのシリーズを提供している
- Movable Typeの特徴について
- Movable Typeのメリット
- Movable Typeのデメリット
- Movable Typeのセキュリティ対策
- Movable Typeの標準機能
- Movable Typeの承認ワークフロー機能はプラグインで追加可能
- Movable Typeの導入手順
- MovableTypeの利用料金
- 会員制サイトにおけるMovable Typeの導入事例を紹介
- Movable TypeとWordPressの違い
- 圧倒的な柔軟性とセキュリティで思い通りの会員向けサイト・サービスを構築するなら
- MovableTypeを使って安全性の高い大規模サイトを構築してみよう!
Movable Type(ムーバブルタイプ)とは?
MovableTypeはアメリカの「シックス・アパート株式会社」が開発したCMSです。
MovableTypeはITに関する知識がない人でもWebサイトの構築・運営ができ、小規模なWebサイトはもちろんのこと、大規模なWebサイトの構築にも役立ちます。
ここではMovableTypeがどのようなCMSか特徴について解説していきます。
商用パッケージ型CMSでは5年連続国内導入シェアNo.1
MovableTypeは商用パッケージ型CMSとして、2015年から5年連続で国内導入シェア数量ベースでNo.1を獲得しています。
商用のCMSとしてはリーズナブルなため、小規模サイトを作りたい人からも広く利用されています。
またセキュリティ性が高く法人向けの大規模なソリューションが整っており、大企業や官公庁からも高い支持を得ています。
国内の5万サイト以上で導入された実績がある
MovableTypeは日本国内での導入実績が5万サイト以上と、非常に数多くの企業や組織のWebサイト構築CMSとして選ばれています。
一般的にはWebサイトのソースからどのCMSで構築しているかを判断するのは難しいものです。
そのためソースコードを元に行う調査では、MovableTypeが広く使われている事実はほとんど表にでません。
そこで MovableTypeの提供元であるシックス・アパート社では、MovableTypeのライセンス登録情報の調査結果を一部公開しています。
要件に合わせて選べる3つのシリーズを提供している
MovableTypeには「MovableType.net」「MovableTypeクラウド版」「MovableTypeソフトウェア版」の3種類があります。
それぞれ機能性や利用料が異なり、要件に合わせて最適なものを選べるようになっています。
ここではMovableTypeが提供する3つのシリーズそれぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
MovableType.net
MovableType.netはMovableTypeのデータやテンプレートと互換性のあるWebサービス型のMovableTypeです。MovableType.netはインストール作業やサーバーの準備が必要ありません。
プラグインの追加はできませんが、MovableType.net版独自の機能を随時追加可能。
ライセンス料は月に2,500円(1年で25,000円)とリーズナブルなので、できるだけ低価格でWebサイトの構築をしたい人に最適です。
テクニカルサポート料金は月額料金に含まれます。
MovableType クラウド版
MovableType クラウド版はクラウドにインストールした最新バージョンのMovableTypeを、クラウド上で使えるマネージド・サービスです。
MovableType クラウド版もインストール作業やサーバーの準備が必要ありません。またプラグインの追加が可能です。
ライセンス料は月額5,000円からとなっていて、テクニカルサポート料金は月額料金に含まれます。
MovableType ソフトウェア版
MovableType ソフトウェア版は、これまで紹介してきた「MovableType.net」「MovableTypeクラウド版」と比較して、対応しているプラグイン数やソリューションが豊富です。
MovableType ソフトウェア版はインストール作業やサーバーの準備が必要ですが、より高度で高機能なWebサイトの構築に最適です。
ライセンス料は、MovableTypeが初年度のみ90,000円で初年度以降は30,000円です。MovableType Advancedは初年度のみ1,200,000円で、初年度以降は240,000円となっています。
Movable Typeの特徴について
Webサイトを構築するCMS(コンテンツ管理システム)にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や機能性が異なります。
ここではMovableTypeがどのようなCMSなのか、その特徴について詳しく解説していきます。
出力結果を考慮し構造化されたコンテンツデータを作成可能
MovableTypeは分かりやすい投稿画面で簡単にコンテンツを作成でき、誰がコンテンツを作成したとしても出力結果を考慮し構造化されたコンテンツデーターを作成できます。
またユーザーが並び順を変更できないように制限するなどの機能制限を、標準機能として実装できるようになっています。
独自のテンプレートタグがある
MovableTypeにはテンプレート内で使えるMovableType独自のMTタグがあります。MTタグはHTMLに似ていますがHTMLよりも効率的にデータ管理・更新・応用ができ、プログラミングの知識がなくても扱えるのが魅力的です。
HTML・CSS・avaScriptのどのコードも管理でき、デザイナーが理想とするデザインの実装が可能となっています。
ブロックエディタを搭載し直感的な操作が可能
WebサイトをCMSを使って運用する上で最も多く使われる機能が「編集画面のエディタ」でしょう。
MovableTypeでは初心者の人でも簡単にWebページの編集ができるように8種類のブロックを組み合わせて使う「ブロックエディタ」を採用しています。
ブロックエディタはマウスでドラッグやドロップ操作を使い直感的な操作が可能なため、初めてWebページ作成をする人も手軽にページ作成・編集ができます。
日本企業運営による信頼感がある
Movable Typeは、日本のシックス・アパート社が開発と提供をしているCMSで、日本企業運営による信頼感があります。
WordPressやDrupalなどのオープンソースソフトウェアに比べると、世界的にはマイナーなCMSに該当しますが、日本では使われている場面も少なくありません。
WordPressなどでは、どこに問い合わせたらいいか分からないことも多々ありますが、Movable Typeであれば、問い合わせ先が明確で安心できるというメリットがあります。
サイトのアクセス負荷に強い
MovableTypeは、サイトのアクセス負荷に強いです。
アクセス負荷に強い理由は、静的HTMLという誰がどうアクセスしても内容が変わらないページを生成してくれるためです。WordPressの場合、ユーザーのアクセスがあったときDBから必要な情報が引っ張られ、HTMLを閲覧者ごとに動的に作っています。
サイトへのアクセスが増加した際、WordPressの場合は毎回データベースを参照するため、サイトへ負荷がかかりやすくなることがイメージできるかと思います。
Movable Typeであれば、データベースを参照する必要がないため、アクセスが増加してもページの表示速度が落ちることはありません。
Movable Typeのメリット
Webサイトを構築するためのCMSはMovableTypeだけではありません。
数あるCMSの中からなぜMovableTypeが選ばれるのでしょうか。ここではMovableTypeを使ってWebサイト構築するメリットについて詳しく解説していきます。
動的ページと静的ページの両方が作れる
Webページには、いつアクセスしても同じ画面が表示される「静的ページ」と毎回表示内容が変わる「動的ページ」の2種類があります。
CMSによっては静的ページしか作れないもの、動的ページしか作れないものもあります。
MovableTypeでは静的ページと動的ページの両方を作成できます。
そのためMovableTypeを使えば、理想とするWebページを作れるでしょう。
プラグインの信頼性が高い
プラグインとは拡張機能のことです。
MovableTypeにはWebサイトの機能性を高めてくれるプラグインがいくつか提供されています。
MovableTypeのプラグインは、開発元であるシックス・アパート社のパートナーが提供・情報共有しているので、信頼性が高く安心して利用できるのが特徴的です。
とはいえMovableTypeは専用のテンプレートタグでさまざまな表現ができるため、プラグインの追加はそこまで必要ないでしょう。
全国約300社のパートナーが広がっている
MovableTypeの開発会社であるシックス・アパート社にはパートナー「ProNet(シックス・アパート プロフェッショナル・ネットワーク)」が存在します。
パートナーはなんと全国に約300社も広がっています。
パートナーはWebサイトの構築や問題解決の知識や経験が豊富で、ユーザーのWebサイト運用を徹底的にサポートしてくれます。
公式サポートを受けれる
MovableTypeはオフィシャルサポートが充実しています。
MovableTypeのライセンス料を支払うことで、1年間シックス・アパート株式会社のサポートを受けられます。
メンテナンスを更新することで、オフィシャルサポート期間を1年単位で延長し続けることも可能です。
標準サポートはメールでのサポートのみで、電話によるサポートは受けられません。
Movable Typeのデメリット
これまでMovableTypeの特徴やメリットについて解説してきましたが、MovableTypeにはもちろんデメリットもあります。
CMSを選ぶ際には、デメリットもしっかりと理解しておくことが大切です。
ここではMovableTypeのデメリットについて詳しく解説していきます。
商用利用の場合はライセンス料金がかかる
MovableTypeには「個人無償ライセンス」があります。これは個人名義でMovableTypeをダウンロードし、個人が所有するサーバーで個人的なブログや日記を運用するためのライセンスです。
個人無償ライセンスではライセンス料は無料です。
しかし個人事業・法人・団体がMovableTypeを利用する場合は、ライセンス料がかかります。
導入に専門的な知識が必要
Movable Typeは、導入までにプログラムの専門的な知識が必要になります。
そのため、初心者には少しハードルが高い作業となるでしょう。
導入に割くリソースがない場合は、業者へ依頼することになるかと思いますが、依頼費も高額なことが多いので注意が必要です。
スマホサイトには別で費用が必要
Movable Typeは、スマホ向けサイトを作成する場合、別途費用が必要となります。
標準ではスマホ表示に対応しておらず、特別な有料プラグインを使用しなければなりません。近年、Webサイトのスマホ対応は必須で、SEOにも影響を与えると言われています。そのため、Movable Typeを使用する場合は、ライセンス費用とは別に追加の費用が掛かることを覚えておきましょう。
プラグインの数が少ない
より機能的なWebサイトを構築するためには、拡張機能「プラグイン」を必要に応じて追加することが重要です。
MovableTypeでは複数のプラグインを提供していますが、有名なCMS「WordPress」と比べるとプラグインの数が少なく、プラグインの入手は有料となっています。
MovableTypeであれば標準機能でもWebサイトの構築はできますが、より細かい機能を追加しようと思ったときにプラグインの少なさに困ることがあるかもしれません。
Movable Typeのセキュリティ対策
安全なWebサイトを構築・運用し、ユーザーに安全にサイトを閲覧してもらうためには、CMSのセキュリティ面も非常に重要なポイントです。
ここではMovableTypeのセキュリティ面について詳しく解説していきます。
テンプレートタグだけでWebサイトを安全に構築できる
MovableTypeではPHPやSQLなどのプログラムを記述しなくても、HTMLと独自のMTタグのみで安全にWebサイトを構築可能です。
MovableTypeはプログラムとテンプレートが完全に分けられているので、意図せずデータが破壊することや、セキュリティ問題が発生しないように設計されています。
CMSと公開サイトのパスを分離でき外部からの攻撃を防ぐ
CMSによっては、管理画面のURLが決められた位置になるシステムが多いため、悪意ある攻撃者から不正ログインなどのセキュリティ攻撃を受けやすくなっています。
それと比べてMovableTypeでは、管理画面のURLを全く別のパスや深い階層に設置できます。
そのためMovableTypeは外部からのセキュリティ攻撃を受けにくいCMSだといえます。
不正ログイン対策としてアカウントロック機能がある
CMSを使うためにはユーザーIDとパスワードを入力して管理画面にログインします。
しかし悪意ある攻撃者がユーザーIDとパスワードを手あたり次第入力し不正ログインに成功してしまうと、さまざまなセキュリティ被害に遭ってしまいます。
そこでMovableTypeでは「認証ロックアウト機能」を搭載しています。ログインの際に一定数以上ユーザー名とパスワードを入力するとアカウントロックされ、不正ログインを防いでくれます。
スパム判定機能を搭載している
MovableTypeには「スパム判定機能」が搭載されています。
スパム判定機能とは、Webサイトを訪れたユーザーが投稿したコメントやトラックバックに対し、スパムかどうか判定してくれる機能です。
スパム判定機能にはスパムを削除する項目もあり、スパムであると判断されたコメントを日数指定して自動削除ができます。
合わせて読みたい記事「Movable Typeは安全なの?セキュリティ対策について解説」
Movable Typeの標準機能
MovableTypeにはWebサイトを構築するために最低限必要な機能を標準装備しています。
そのためMovableTypeではプラグインを数多く追加しなくても、Webサイトを構築できるようになっています。
ここでは「MovableTypeソフトウェア版」と「MovableType.net」の標準機能についてそれぞれ見ていきましょう。
MovableType ソフトウェア版の標準機能
MovableType ソフトウェア版の標準機能には以下のようなものが挙げられます。
・リッチテキストエディタ
・アイテム管理
・リスティングフレームワーク
・定型文
・スマートフォン用投稿アプリ(iOS版のみ)
・コミュニティ機能
・ エントリータグ
・シークレットタグ
・Webページ
・カテゴリ
・フォルダ
上記の標準機能は一部であり、実際にはこれ以外に18つの標準機能が搭載されています。
MovableType.netの標準機能
MovableType.netの標準機能には以下のようなものが挙げられます。
・リッチテキストエディタ
・アイテム管理
・リスティングフレームワーク
・コピーして新規作成
・記事・Webページ差し替え予約機能
・共有プレビュー機能
・メール投稿機能
・スマートフォン用投稿アプリ
上記の標準機能は一部であり、実際にはこれ以外に24つの標準機能が搭載されています。
Movable Typeの承認ワークフロー機能はプラグインで追加可能
承認ワークフローとはCMSを使ってWebページの編集を行う際に、編集者が権限を持つ管理者に申請をして承認をもらい、管理画面にアクセスするまでの流れのことをいいます。
MovableTypeの承認ワークフロー機能はプラグインで追加できます。
ここではMovableTypeで承認ワークフロー機能を追加できる3つのプラグインについて紹介します。
Workflowプラグイン
Workflowプラグインは、MovableTypeに記事承認ワークフロー機能を追加するプラグインです。
承認機能が付いた記事を作成する権限を持った編集者が作った記事に対し、承認者が編集画面やプレビュー画面から「承認」もしくは「否認」できます。
Workflowプラグインは、MovableTypeのアカウントを持っておらずログイン権限のないユーザーがプレビューを表示することもできます。
またWorkflowプラグインは多段階の承認ワークフローにも対応していて、MovableTypeクラウド版でも追加可能です。
CheckRelease for MovableType
CheckRelease for MovableType は、記事の公開申請や承認をできるようにするワークフロー機能を追加します。
CheckRelease for MovableTypeを追加すると、記事を投稿するライターは記事を作った後に公開を承認する管理者へ公開申請を行い、管理者が記事を確認した後に公開するかどうかの承認処理を行えるようになります。
CheckRelease for MovableTypeを追加することで、運用するWebサイトに相応しくない記事が公開されるのを防げるようになります。
MovableType Premium
MovableType Premium は、MovableTypeの開発元であるシックス・アパート社と、事業向けのCMS構築とソリューション開発に関する経験と知識が豊富なスカイアーク社が共同で開発したプラグインです。
MovableType Premiumを追加することで、スカイアーク社独自の承認ワークフロー機能を追加できます。
ワークフロー機能以外にも、ステージング機能・安全なプレビュー表示機能の追加や、運用に役立つコンテンツデータの階層表示やコンテンツの差し替え予約なども可能となります。
Movable Typeの導入手順
MovableTypeを使ってWebサイトを構築したいのであれば、まずはMovableTypeを導入する必要があります。
MovableTypeを導入するためにはいくつか手順を踏まなければなりません。
ここではMovableTypeを導入するための手順について解説していきます。
インストールの事前準備を行う
MovableTypeを導入する前に、まずはMovableTypeをインストールするための事前準備を行いましょう。
MovableTypeではほとんどの機能を「Perl スクリプト」として実行するため、Perlの実行環境の確認を行います。
Webサーバー上でPerl スクリプトを実行するためには、Perlの実行環境へのパスを正しく指定する必要があります。Perlの実行環境へのパスを正しく指定するためには、Webサーバーに「telnet」か「ssh」でログインしコマンド「$ whereis perl」を実行します。
次にMovableTypeのインストール先を決定し、文字エンコーディングを「UTF-8」に設定します。
データベースを準備する
次にデータベース管理システム「MySQL」の設定を行います。
MySQLにログインして、データベースを作成しましょう。たとえばデータベースの名前を「abc」と設定する場合は、以下のようになります。
$ mysql -u root -p XXXXXX
mysql> CREATE DATABASE abc DEFAULT CHARACTER SET utf8 DEFAULT COLLATE utf8_general_ci;
データベースが作成できたら、MySQLにログインしてユーザーの作成を行います。たとえばユーザー名を「aaaa」・パスワードを「bbbb」に設定した場合、以下のようになります。
$ mysql -u root -p XXXXXX
mysql> CREATE USER aaaa@localhost identified by ‘bbbb’;
mysql> grant all on mt.* to aaaa@localhost identified by ‘bbbb’;
mysql> FLUSH PRIVILEGES;
MovableTypeを設置する
次にMovableTypeを設置します。MovableTypeを設置する流れは以下の通りです。
1.Perl 環境のインストール
2.データベース環境の準備
3.ディレクトリの作成
4.ファイルの展開
5.IIS マネージャーでアプリケーションプールの追加
6.IIS マネージャーでサイトの追加
7.IIS マネージャーでアプリケーションの追加
8.IIS マネージャーで仮想ディレクトリの作成
9.64 ビット環境での設定
10.アクセス権限の設定
11.CGI スクリプトの実行の設定
12.MIME の種類の設定
MovableTypeをインストールした後は、アクセス権限の修正を行いましょう。
mt-config.cgiを作成する
MovableTypeを実行するための設定は、ほとんどがシステムの初期値として設定されます。データベースに関係する設定など、利用環境に合わせた設定だけを環境設定ファイル「mt-config.cgi」に登録するようになっています。
mt-config.cgiを作成するためには、下記の設定が必須です。
・mt-config.cgi ファイルの作成
・CGIPath の設定
・StaticWebPath の設定
・StaticFilePath の設定
・データベースの設定
MovableTypeをインストールする
最後にMovableTypeをインストールします。
WebブラウザからMovableTypeを設置したURLにアクセスしてください。
環境設定ファイルをインストールウィザードを利用して作ったのであれば、インストールウィザードから続けてMovableTypeをインストールできます。
MovableTypeの利用料金
前述してきたようにサービス型のCMSである「MovableType.net」、クラウド型サービスの「MovableTypeクラウド版」、インストールを行う「MovableTypeソフトウェア版」があります。
ここではそれぞれの料金形態について詳しく解説します。
※記載する金額は、2024年5月時点の情報となります
MovableType.netの利用料金
MovableType.netには、以下のようなプランが存在します。
サーバーの費用も含まれているプランで、プランごとの違いはサーバーの機能や性能です。
高スペックなものほどできることは増えますが、それなりに高額にもなるため自身の状況に合わせた選択を行うことが重要です。
プラン名 | ライト | スタン ダード | プロ | アドバンス50 | アドバンス100 | アドバンス250 |
月額利用料(税込) | 2,750円 | 4,950円 | 8,250円 | 16,500円 | 33,000円 | 82,500円 |
年間利用料(税込) | 27,500円(月あたり2,292円) | 49,500円(月あたり4,125円) | 82,500円(月あたり6,875円) | 165,000円(月あたり13,750円) | 330,000円(月あたり27,500円) | 825,000円(月あたり68,750円) |
ブログ数・ユーザー数 | 5 | 10 | 25 | 50 | 100 | 250 |
容量 | 5GB | 10GB | 25GB | 50GB | 100GB | 250GB |
常時無料SSL化 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 |
登録できる会員数 | なし | 100人 | 500人 | 1,000人 | 1,000人 | 1,000人 |
自社が運営するサイトが成長中であったり、今後の事業やサービスの展開が予測できないという場合もあるのではないでしょうか。
MovableType.net は契約プランのアップグレードやダウングレードに特定の条件はありません。
有効期限が残っている場合は、新プランの価格を考慮した日数がプラン変更後の利用期間へ追加されます。
そのため、まずは現状に適しているプランを契約してみて、利用しながら適したプランへ変更してみても良いでしょう。
ここではそれぞれのプランと、適している目的と向いているサイトの特徴を解説します。
ライト
MovableTypeでは最もリーズナブルなプランです。
ブログ数は5個と少なく利用できるコンテンツの量が限られるとともに、利用できるユーザー数も少ないです。
用途は比較的限られますが 小規模な地域のサイトや、個人用のブログでの利用に向いているといえます。
スタンダード
中規模な運用の場合は、このプランがおすすめです。
具体的な利用例として、中小企業の企業サイトや地域のニュースサイト、教育機関のウェブサイトなどがあります。
これらのサイトは通常、定期的な更新が必要であり、複数の担当者がコンテンツを管理する必要があります。
そのため、このプランの特徴であるユーザー数を5人以上登録できる点は大きなメリットといえるでしょう。
プロ
ライトプランやスタンダードプランよりも、規模の大きなニュースサイトやeコマースサイトに向いています。
また、ユーザー規模数が多いことからも大学や企業のサイトにも適しています。
アドバンス50・100・250
アドバンス50・100・250はそれぞれ容量が異なるという以外に機能面では違いがありません。
アドバンス50は中規模のオウンドメディアや、大学の学部単位のような規模のサイトに適しています。
容量も一般的なサイトの規模には十分で、多くのコンテンツとユーザーを効率的に運用することができます。
「アドバンス100」はアドバンス50プランの容量が増えたものです。
容量を消費しやすい大手企業の複数の部門を束ねているサイトや、大規模な記事の出稿を行っているサイトに向いています。
容量が足りないことが予想される場合には「アドバンス250」へのアップデートが適しているでしょう。
ただし、こうしたサイトを運用する組織では、プラン変更を行う際に手続きが必要であり、あまりアップデート、アップグレードを頻繁に行うことは難しいかもしれません。
サイトの作成時点で、すでにこの初期の容量を超えることが予想されるなど、明らかに足りていないことがわかっている場合は、事前に多めの容量を選択すると良いでしょう。
MovableTypeクラウド版の利用料金
Movable Typeのクラウド版プランは、主にサイトの規模や目的に基づき選択しましょう。
以下は代表的なプランです。
プラン | CPU | メモリ | ディスク | 転送量 | 価格(MT 8/7) | 価格(プレミアム) |
S1i | 1CPU (0.8GHz) | 1GB | 10GB | 1TB | ¥5,500/月(税込) | ¥8,800/月(税込) |
S4i | 1CPU (2.4GHz) | 4GB | 10GB | 2TB | ¥20,900/月(税込) | ¥33,440/月(税込) |
M4500i | 2CPU (2.6GHz) | 4GB | 500GB | 2TB | ¥93,500/月(税込) | ¥149,600/月(税込) |
具体的には必要なCPU、メモリ、ディスク容量、サイトの訪問者数、同時アクセス数、使用するプラグインの種類から選択を行いましょう。
例えば、高トラフィックのサイトや複数のアプリケーションを運用する場合は、より高性能なプランが適しています。
また、選べるサーバーの種類にはNginx版とApache版があり、既存のシステムからの移行を考える際にもこれらの違いを考慮する必要があります。
MovableTypeソフトウェア版
MovableTypeソフトウェア版の基本料金は99,000円(税込)で利用が可能です。
ただし、記事の公開やファイル管理に用いる有料のプラグインがそれぞれ別に存在するなど、実際には追加で別途の費用が発生することもあります。
また、一方で大学などの教育機関用の割引プランも存在します。
そこで、ここではこうした追加プラグインや割引の内容について解説します。
プラグインの料金
代表的なプラグインとして「CheckRelease for Movable Type 」が挙げられます。
これは、記事の公開に至るまでの申請や承認といった処理に用いるプラグインで、公正の済んでいない記事の公開を防ぐことでブランディングやコンプライアンスの徹底に繋がります。
このプラグインの利用料金は以下の通りです。
項目 | 価格(税込) |
ライセンス価格(初年度メンテナンス含む) | ¥143,000 |
年間メンテナンス | ¥33,000 |
また、「Uploader for Movable Type」はサイトで管理しているディレクトリやファイルを別の環境でも共有するために同期する機能です。
そのままサイトに公開されてしまうことを防ぎ、テスト環境での試行ができます。
そのため、コンプライアンスの管理に徹底している組織に適しています。
項目 | 価格(税込) |
ライセンス価格(初年度メンテナンス含む) | ¥220,000 |
年間メンテナンス | ¥44,000 |
アカデミックディスカウントの料金
アカデミックディスカウントとは、学校などの教育機関や組織向けの割引プランです。
機能はそのままに、アカデミック向けの料金で使用することが可能です。
対象となる機関、組織は具体的には「幼稚園」「小学校」「中学校」「高等学校」「中等教育学校」「特別支援学校」「大学」「高等専門学校」です。
また、これらの機関や組織を管轄している都道府県、教育委員会も対象です。
以下の料金プランが設定されています。
製品名 | 価格(税込) |
Movable Type | ¥79,200 |
Movable Type 年間メンテナンス | ¥26,400 |
Movable Type ワークフローパック | ¥158,400 |
Movable Type ステージングパック | ¥220,000 |
CheckRelease for Movable Type | ¥114,400 |
CheckRelease for Movable Type 年間メンテナンス | ¥26,400 |
Uploader for Movable Type | ¥176,000 |
Uploader for Movable Type 年間メンテナンス | ¥35,200 |
Movable Type Premium | ¥660,000 |
Movable Type Premium 年間メンテナンス | ¥193,600 |
Movable Type Advanced | ¥1,056,000 |
Movable Type Advanced 年間メンテナンス | ¥211,200 |
Movable Type Premium (Advanced Edition) | ¥1,320,000 |
Movable Type Premium (Advanced Edition) 年間メンテナンス | ¥387,200 |
会員制サイトにおけるMovable Typeの導入事例を紹介
MovableTypeはさまざまな企業や団体の会員制サイトの構築に採用されています。
ここではMovableTypeを採用している会員制サイト「アイ・オー・データ機器」「ルックJTB」「ヒューマンアカデミー株式会社」の導入事例について、それぞれ詳しく解説していきます。
アイ・オー・データ機器
株式会社アイ・オー・データ機器はパソコン周辺機器メーカーです。株式会社アイ・オー・データ機器ではMovableType EnterpriseがベースになったCMS「ソラノワ」を使い、取引先に向けた製品情報提供サイトを構築しています。
株式会社アイ・オー・データ機器のWebサイト管理者は一人ですが、直感的に操作ができるMovableTypeを使っているので、一人でもさまざまな管理がスムーズに行えます。
Webサイトをオープンしてからわずか約3カ月で会員数が500人を突破。より多くの人に見てもらえるよう、今後はさらに機能を追加していく予定だそうです。
参照元はこちら
ルックJTB
ルックJTBは、JTBグループが提供する海外旅行ブランドです。
ルックJTBのWebサイトでは、海外旅行ツアーの予約や空席照会を行え、海外旅行に行きたい人達から高い支持を得ています。
ルックJTBのWebサイトには、2007年からMovableTypeを使った「ルックJTBのブログ」がスタートしました。
現在2つのブログがあり、ブログが販売促進ツールとして顧客獲得に直結しているそうです。
参照元はこちら
ヒューマンアカデミー株式会社
ヒューマンアカデミー株式会社は、全日制専門教育スクール・教育事業・介護事業など、さまざまなジャンルの事業を行う企業です。
ヒューマンアカデミー株式会社は「総合学園ヒューマンアカデミー」のWebサイトを、MovableTypeをベースとしたCMS「MTCMS」を使ってリニューアルし、運営体制を見直しました。
MovableTypeを使うことでWebサイト運用者の負担を減らし、接続速度と安定性の問題解決も実現。
情報公開のスピードも向上し、イベント情報に関する反響率は13%アップしたそうです。
参照元はこちら
Movable TypeとWordPressの違い
Webサイトを構築するためのCMSにはMovableType以外にも、WordPress・Joomla・Drupalなどさまざまな種類があります。
CMSの中でも最も利用者が多いのが「WordPress」です。WordPressは2021年7月時点で、日本国内におけるCMSシェアは83.6%となっています。
ここではMovableTypeとWordPressの違いについて詳しく解説していきます。
WordPressはオープンソースのCMSである
MovableTypeとWordPressの違いとして、オープンソースのCMSかどうかがあります。
オープンソースとはソースコードが公開されたソフトウェアのことです。ソースコードが公開されているので、誰でもソフトウェアの構造を閲覧や構築できるのが特徴です。
MovableTypeはオープンソースではありませんが、WordPressはオープンソースのCMSです。
WordPressはオープンソースであり、さらに多数の利用者がいることから脆弱性が多いとされています。
MovableTypeはWordPressよりも利用者が少なくオープンソースではないので、WordPressよりは脆弱性が少ないといわれています。
そのためセキュリティ性の高さを重視する人にはMovableTypeがおすすめです。
ライセンス料が無料か有料か
MovableTypeとWordPressの違いにはライセンス料があります。
WordPressはライセンス無料で使えるCMSとして人気です。ライセンス料がかからないため、できるだけお金をかけずにWebサイトを構築したいと考える人に最適です。
一方でMovableTypeは、個人での利用にはライセンス料がかかりませんが、個人事業・企業・団体が使う際にはライセンス料がかかってしまいます。
コストを抑えたい人はWordPressを選びましょう。
適するWebサイトが異なる
画像数やアクセス数が多いWebサイトをWordPressで構築すると、Webサーバーに負担がかかり表示に時間がかかってしまいます。基本的にWordPressを使う際には、1つのWordPressで1つのサイトを構築します。
WordPressはブログサイトや自社のWebサイト構築におすすめです。
一方でMovableTypeは1つのMovableTypeで複数のWebサイト構築が可能で、コンテンツ数の多い大規模なWebサイトの構築に最適です。
作成できるサイトタイプ(静的・動的)
WordPressとMovable Typeは、作成できるサイトタイプが少し異なります。
WordPressは動的なサイトしか作成できない一方、Movable Typeは静的・動的どちらのサイトも作成可能です。
静的サイトとは、誰がどうアクセスしても内容が変わらないページを生成してくれるサイトのことで、HTMLファイルで構成されています。
一方動的サイトは、ユーザーのアクセスがあったときDBから必要な情報が引っ張られ、HTMLを閲覧者ごとに作るため、人によって内容も異なってきます。
プラグインの数が異なる
プラグインの数に関しては、WordPressが圧倒的に多いです。
WordPressはオープンソースで、世界中の利用者がカスタマイズや開発のできる環境にあることが理由です。しかし、プラグインの脆弱性が発見されることもしばしばあり、むやみに利用することはリスクが伴います。
Movable Typeの場合は有料のプラグインが多く、そもそもの数が多くありません。ただし、ほとんどのプラグインがシックス・アパート社によって検証されているので、セキュリティ上の問題が生じにくいといった特徴があります。
圧倒的な柔軟性とセキュリティで思い通りの会員向けサイト・サービスを構築するなら
当社のご提供する 「会員管理・会員サイト構築ソリューション」は、会員向けのサイトやサービスに必要な要素をワンストップで提供するシステムです。
会員データ管理からマイページ作成・ログインなどの基本機能から、メール配信やアンケート作成、問い合わせ、フォーム作成、決済連携まで、会員管理・運営に必要な機能が充実。また、金融機関・官公庁でも採用されている高いセキュリティで会員の大切なデータを管理します。WordPressやMovableTypeを始めとした各種CMSや基幹システム等とのAPI連携も可能です。
ファンクラブやユーザーサポートサイト、学会・協会サイト、申請受付サイト、キャンペーン受付サイト、イベント受付管理、入居者サイトなど様々な業界・用途・シーンで延べ11,000以上のご利用実績がございます。
サービスの詳細については「会員管理・会員サイト構築ソリューション」のページをご覧いただくか、サービス導入をご検討中の方はこちらからぜひお問い合わせください。
MovableTypeを使って安全性の高い大規模サイトを構築してみよう!
MovableTypeはライセンス料が有料のCMSですが、セキュリティ性が高く安心安全なWebサイトを構築できることで人気があります。
サポート体制が整っているため、購入後に困ったことがあってもしっかり問題解決できるようになっています。
MovableTypeとSPIRAL®を併用することで、Webサイト運営者もWebサイトを訪問するユーザーも安心できるサイト環境を実現できるでしょう。