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ARTICLEDrupal(ドルーパル)の特徴|メリットやモジュール開発も詳しく解説
世界中で使われているCMSのDrupalですが、どのような点が優れているのでしょう?ここでは、世界で支持される理由を知るため、Drupalを使用するメリット・強みであるモジュール開発などを解説していきます。
目次
Drupalとは?
Webサイトなどを作るときに使われるCMSで、ユーザーから評価が高い「Drupal」があります。
Drupalが選ばれるのには、どのような理由があるのでしょうか?
Drupalについて仕組みなどを解説していきます。
世界中で使用されているCMS
2001年に誕生したDrupalは、NASAや金融機関のNASDAQでも採用されています。ほかにも政府機関、多くのグローバル企業がDrupalを利用しています。
ビートルズの公式サイト・オックスフォード大学などアーティストや大学の公式サイトでもDrupalは活用されています。
高度なWebサイトを作れる
Drupalは、拡張性や柔軟性が優れていることから、作業効率を上げるためのWebフレームワークとしても活躍します。
WordPressなどに比べて少し専門知識が必要となりますが、その分汎用性が高い、高度なWebサイトが作成可能です。
Drupalの標準機能には、サイト構築のためのほとんどの機能が揃っています。URLやコメントの管理をするコンテンツ機能や会員や役割・権限を管理するユーザー機能など欠かせない機能です。
コア機能は、メニューなどのサイト構築機能やログの管理などを行うレポート機能、モジュールやデザインなどの環境設定に関する機能も含みます。
デザイン性が高い
Drupalでは、さまざまな機能が用意されているだけでなく、サイトのデザインにもこだわれます。
細かい部分のデザインまでカスタマイズでき、CMSを使って構築したサイトではあまりない個性的なデザインが実装可能です。
デザインは、コンテンツの内容に影響を及ぼさずに変更可能なうえ、管理画面上で画面に表示するブロックの管理もできます。
合わせて読みたい記事「Drupalとは?特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説」
Drupalを活用するメリット
Drupalの機能には、どのようなものがあるのでしょうか?特徴的な機能と利用するメリットを解説していきます。
細かい設定が可能
Drupalの最大の特徴は設定ができる内容の細かさが挙げられます。
管理メニューが豊富で権限の設定や管理が詳細にできるうえ、そのほとんどが管理画面上で可能です。
ユーザーに与える権限も管理画面で一覧表示が可能なため管理がしやすくなります。
ユーザー機能では、ログインするユーザー別にアカウントの登録ができてユーザー名・メールアドレスの設定も可能です。
多言語に対応している
Drupalが世界で使われる理由は、複数の言語に対応していることもあるでしょう。
英語・日本語のほかに中国語は繁体字と簡体字にも対応していますし、Webサイト上のコンテンツを複数の言語で表示可能です。
対応している言語は100カ国近くあり、ブラウザの設定やURL、セッション(通信)に応じて優先する言語を検出できます。
言語によってテキストの向きが異なりますが、右から左の方向の言語もサポートしています。
セキュリティ面で信頼できる
Drupalは、セキュリティに関しても徹底した管理がされて施策済みです。
Webサイトのセキュリティ対策に、SSL・ユーザー管理、アクセスに関する権限管理やルール設定などを標準機能としています。
Drupalには、コミュニティにセキュリティ専門のチームが存在しており、セキュリティに関する問題の報告を受けるとすぐに対処しています。
Drupalの開発に欠かせないスキル
Drupalを開発する上で欠かせないスキルは、次の5つです。
- PHP
- html、css、JavaScript
- Drupalフックシステム
- Symfony
- Twig
それぞれ以下に簡単に見ていきましょう
PHP
Drupalは、PHPがベースの言語なので、必ず持っておきたいスキルです。
html、css、JavaScript
テーマを作成する際は、html、css、JavaScriptが必要なので、こちらも必須のスキルとなります。
フック
Drupalには、既存の処理に対して、任意の処理を割り込ませることができる「フック」という独自の仕組みがあります。
Drupalで開発を行う方は必ず持っておきたいスキルです。
Symfony
Symfonyは、バックエンドのフレームワークです。
このフレームワークの仕組みを理解していると、より複雑な機能を開発したい時に活用できます。
Twig
Twigは、おもにPHPで使用されるテンプレートエンジンです。
Twigが使えれば、PHPを直接書き込むよりも短くコーディングできるため、可読性の高い記述が可能です。
Drupal開発の基本的な流れ
Drupalの開発は、以下3つのSTEPで行われます。
- カスタマイズ設計
- カスタマイズ開発
- 導入
少し詳しく見ていきましょう。
カスタマイズ設計
簡易的なデモ画面を作成し、ヒアリングを行います。
お客様の要件をもとに、サイト設計やDrupalのモジュール構成などのカスタマイズ内容を決定します。
カスタマイズ開発
小単位で実装とテストを繰り返して開発を進める「アジャイル開発」で、複数回に分けてカスタマイズ開発を行います。
都度お客様に開発内容を確認してもらいながら、デザイン適用や各種テストを実施します。
導入
開発が完了したら、お客様のチェックとサイトに必要なコンテンツの登録です。
実際の導入に向けて問題が無いかをチェックします。
Drupalのモジュールについて
Drupalが世界で支持されている要因には、モジュールによる拡張機能も関係してきます。どのようにモジュールを活用しているのか解説していきます。
Drupalのモジュールには3種類ある
そもそもモジュールとは、システムを構成する要素となるもののことを言います。
わかりやすく例えるなら、自動車の生産など、各パーツ(モジュール)を生産し、最終的に組み合わせて一台の自動車が完成するといったイメージがわかりやすいかもしれません。
そしてDrupalのモジュールには3種類あります。以下に各モジュールの紹介をしていきます。
コアモジュール
「コアモジュール」とは、Drupalの本体に最初から備わっているモジュールのことです。
コアモジュールはDrupalのプロジェクトディレクトリをダウンロードすることで、自動的にインストールされます。
コントリビュートモジュール
コントリビュートモジュールとは、第三者によって開発されたモジュールになります。
Drupal.orgのモジュールページにおいて、数多くのコントリビュートモジュールが公開されており、これらをダウンロードして利用することができます。
コントリビュートモジュールのメリットは、実装したい機能がある場合、公開されているコントリビュートモジュールにその機能があれば、自分で一から開発しなくてもダウンロードしてすぐに実装できるところです。
カスタムモジュール
カスタムモジュールとは、自分で一から開発したモジュールになります。
Drupalを使ってWebサイトを構築する際、基本的にはコアモジュールとコントリビュートモジュールを駆使して構築します。既存の公開されているコントリビュートモジュールでは実装したい機能がない場合は、自分で一から開発することで、必要な機能を実装することができることがメリットです。
しかし、カスタムモジュールの開発にはそれなりのプログラミングの知識が必要になり、それがないとシンプルな機能の導入にも、多大な時間がかかる可能性があるというデメリットもあります。
コア機能との連携
Drupalでは、標準で搭載された機能でカバーが難しいものに関してモジュールで実装しています。
モジュールとは、プログラムを構成するための基本ブロックのことです。機能単位で交換ができ、システムの中枢部分などへのインターフェース(接合部)に対する仕様が定義されています。
Drupalは、モジュールを使ってそれぞれの機能の設定を別々のシステムが横断的に利用できるように機能を拡張しているのです。
用途に合わせてモジュールをパッケージ化
Drupalでは、インストールすることで容易に機能が追加できる拡張モジュールを3万本以上提供しています。
公式サイトに公開されている用途別のモジュールは、無料で利用することができます。
いくつかのモジュールをパッケージ化して、さまざまな業種や業界に向けて提供しています。
たとえば、ECサイト向けやコミュニティサイト向け、公共機関のサイト向けなどに最適なモジュールのパッケージがあります。
作業時間と費用の削減が可能
Drupalでは、モジュールによってかんたんに拡張機能が追加できる部分が評価されています。
使用しているサイトに必要となる機能を個別に作成するには、費用も作業時間もかかるからです。
CMSを使ってサイトを構築する人には、プログラミングなどに詳しくない人もいるため、個人での機能の追加は容易ではないでしょう。
パッケージ化されているモジュールを使用すれば、問題があった場合にサポートも受けられるのでサイト運営の負担が減らせます。
モジュールを開発する会社もある
Drupalは、公式サイトで提供されるモジュールの公開されているオープンソースを使い、モジュールを開発も可能です。
実際に開発されたモジュールも含めて解説していきます。
オリジナルのモジュールが作れる
Drupalでは必要な機能や望む機能を1から作るのではなく、存在する拡張モジュールを組み合わせて作っていきます。
しかし、既存であるモジュールを組み合わせた場合でも必要とする機能が足りないときには、コードを使用して開発可能です。
コードを利用して、よりユーザーに合ったモジュールの開発ができるのがDrupalのほかのCMSにない特徴です。
保守とメンテナンスを考慮
Drupalで利用するモジュールを開発する場合には注意すべき点があります。
コア機能や現在使っているモジュールへ影響を与えないことです。
特にコア機能に影響を与えてしまうと、定期的にリリースされるバージョンアップを実行した場合に支障をきたす恐れがあります。
またDrupalのコーディング規約があるので、そこに従った開発をする必要があります。
この2つを注意して開発することで保守やメンテナンスが容易になり、コストも抑えられます。
実際に開発されたモジュール
Drupalで利用可能なモジュールを開発している会社で、下記のようなモジュールが開発しています。
・Webサイトの枠組みとなるワークフローの拡張
(ステータス更新のお知らせ機能をカスタマイズ可能)
・エディタの拡張
(オリジナルのテンプレート作成やカスタムボタン作成など)
・通常では検索対象外のファイル内も検索対象とする機能
上記のように、どのような機能が欲しいかを明確にすることでマッチした機能が開発可能となります。
Drupalが世界で使われる理由
使いやすさもあり、デザインなどオリジナリティーのあるサイトが構築できるDrupalですが、ほかに支持される理由はあるのでしょうか?
Drupalが世界で評価を得ている要因について、さらに解説していきます。
多くのコンテンツを一元化できる
Drupalのよい点は、自分のサイトにあるデータを効率的に再利用可能な点です。
1つのコンテンツの表示方法やデータ形式を複数の選択肢から選んで公開できます。
同じコンテンツでも別の角度でカテゴリを分けて、ユーザー・組織と関連づけて管理できるのです。
解説したDrupalの機能を利用すれば、組織などで管理する多くのコンテンツを効果的に一元化して管理できます。
承認ワークフロー機能を標準で実装している
Drupalのコア機能には承認ワークフローが標準で組み込まれているのです。
コア機能に加えて拡張モジュールを使うと所属部署別の縦割りでそれぞれの権限設定を実装できます。
この機能を活用すればコンテンツを分散管理できます。企業などの組織の中で、分散してコンテンツの管理権限を設定可能であれば、プロジェクトによって承認フローを変えることが可能です。
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まとめ
Drupalには、多くの機能とユーザーのセンスを活かしたデザインを可能にする機能が備わっています。
反面、ほかのCMSより多少の専門知識を求められる部分もあるため注意が必要です。
Drupalは、日本でも活用実績が増加しており、複数の事例を参考にして導入のシミュレーションができます。
Drupalを導入するなら、Drupalの機能をしっかり活かせるよう理解しておきましょう。