名刺管理の記事
ARTICLE名刺管理で営業効率アップ! 名刺管理の機能と特徴を紹介
名刺管理をシステム化することで、業務効率を向上させることが可能です。名刺は営業マンにとって欠かせないビジネスツールですが、どんどん増えていくので管理が複雑になってしまいがちです。名刺情報を顧客リストとして活用することで、ナーチャリングにつながります。
名刺管理の安全性について
多くの方が名刺情報をExcelや名刺管理システムを使用してデータ化しています。昨今、個人情報の取扱いについては厳しくなっています。名刺とは言え、適切な管理が必要になってくるでしょう。
専用の名刺管理アプリや名刺管理システムを利用していたとしても、名刺情報の管理については注意が必要です。例えば、アプリによってスマホの中に保存されている連絡先情報を名刺情報として反映させるものがあるからです。
名刺管理アプリの中には、
- SNSの要素が強く、繋がりのない人がレコメンドされるもの
- スマホに保存されている個人情報を自動で反映するもの
などがあります。
内容を確認せずにダウンロードしてしまうと、意図せぬ相手と繋がってしまうということがあります。特に、名刺管理アプリのダウンロード後に、連絡先へのアクセス権限を求めてくるものは注意が必要です。自分の用途にあった名刺アプリを選ぶようにしましょう。
名刺は個人情報になる
名刺は個人情報そのものです。たとえ、会社名、所属部署、氏名、メールアドレスなどプライベートな情報ではないとしても、名刺に記載されている情報で本人を特定することができきるからです。
そのため名刺を紛失するということは、個人情報を流出したということと同様です。だからこそ、名刺を適切な方法で管理するということがとても重要です。もし、名刺をデータ化して不要になった場合は、必ずシュレッターで処分するようにしましょう。
名刺は個人情報にあたるという解釈については「3-2 社員が名刺入れを紛失しました。取引先社員等の名刺も入っていましたが、自宅等の連絡先ではありません。事故報告は必要ですか。」を参照ください。
名刺の紛失は個人情報漏えいになるか?
個人情報保護法が適用されるのは、名刺情報のデータです。エクセルなどにも記録せず、ただただ名刺を紙で所持しているだけならば、紙の名刺を紛失しても個人情報保護法にはふれません。
しかし、もしExcelで管理をしていたり、名刺情報をpdfや名刺管理システムその他データベースで保管している場合には個人情報保護法の適用範囲となるので注意が必要です。
参考)Q1-37 メールソフトのアドレス帳や一定の規則で整理された名刺について、従業者本人しか使用できない状態であれば、企業の個人情報データベース等には該当しないと考えてよいですか。(個人情報保護委員会 FAQより)
https://www.ppc.go.jp/all_faq_index/faq1-q1-37/
データの流出に要注意
利便性から紙ではなく名刺をデータで管理することが一般的になっています。個人情報保護法で該当するのはデータです。データ化された名刺情報はセキュリティが高い環境で保管することが望ましいでしょう。もし悪意がなかったとしても、個人情報を漏えいさせてしまったときには、個人情報保護法違反になってしまいます。セキュリティ対策がしっかりされている外部のサービスを利用することでリスクを回避するのも一つの方法です。
名刺管理システムの基礎知識
名刺管理には、従来の紙管理やエクセルでの他に、専用のアプリケーションで管理する方法があります。まずは『名刺管理システムの基礎知識』を押さえておきましょう。
名刺管理システムとは
名刺管理の方法は、アナログ管理とデジタル管理の2種類があります。アナログ管理は、名刺をクリアファイルやボックスなどに保管する従来の管理方法のことです。
名刺のデータはエクセルに入力し管理しているケースもあります。デジタル管理は、名刺に記載されている情報をデータ化しDBに保管・共有する管理方法のことです。
アナログ管理について
従来のように紙管理をすることです。アナログ管理のメリットは直感的に管理ができること。例えば、名刺の色や形状などで覚えているといった点です。
アナログ管理のデメリットは4つ。
- 名刺の整理や検索時間がかかる
- 保管する場所をとる
- 名刺の紛失
- 外出先で確認することができない
紙のまま保管すると名刺がどんどんかさばります。いざ連絡を取ろうとしたときに該当する名刺を探しだすことに時間がとられてしまいます。
デジタル管理について
名刺情報をデータで管理することをデジタル管理といいます。データの保管方法は、Excelや名刺管理システムなどを利用します。デジタル管理のメリットは3つあります。
- 保管する場所をとらない
- 名刺の整理や検索が簡単
- 場所を問わず名刺情報を確認できる
名刺管理のメリットとは
名刺管理のメリットは4つ。
- 名刺管理にかかる手間を削減できる
- 社員同士の情報共有が簡単になる
- 場所を選ばすにスマートフォンやタブレットで確認できる
- 検索しやすい
アナログ管理では外出先で名刺情報を確認することができませんが、名刺管理システムを利用すると外出先でも情報を閲覧することができるので業務効率がアップします。検索しやすくなるので、すぐに探せることもメリットの1つです。
名刺管理のデメリットとは
名刺管理のデメリットは3つ。
- 名刺の取込みのコストがかかる
- 名刺情報が正確に読み取れないケースがある
- 導入済みのシステム(SFA/CRM 等)の情報と重複する可能性がでる
名刺情報のデータ化にコストがかかります。名刺アプリは、OCRでデジタル化されることが多いのですが、1枚30円、月間100枚 30,000円(アプリによる)という形で費用が発生します。
また、名刺はスキャナを使って取り込みますが正確に読み取れないケースがあります。1つは、名刺の形状が規格外だったり、紙以外の材質が特殊なものだと読み取ることができません。また、文字の l と I など、OCRを使っても誤字脱字が発生するケースがあります。
名刺管理システムの目的
名刺管理システムを利用する主な目的は3つ。
- 名刺をわかりやすく整理したい
- 社内の名刺を一元管理して人脈を把握したい
- リードナーチャリングをしたい
個人利用の場合は、名刺を整理したいというのが目的になります。法人利用の場合は、それに加えて、
- 社内の名刺を一元管理して人脈を把握したい
- リードナーチャリングをしたい
ということが主な目的になります。名刺は見込み顧客リストになります。社内で名刺を一元管理することで、取りこぼしなく接触をとることができるようになります。
名刺管理システムの機能
名刺管理システムでどのようなことができるかを紹介します。
基本機能
名刺管理システムの基本機能は3つあります。
- 名刺情報のデータ化
- 名刺情報の閲覧・検索
- 名刺取込み機能
それぞれについて解説します。
名刺情報のデータ化
名刺情報を取り組む方法は2種類あります。1つめはスキャナで取り込む方法、2つめはスマホやタブレットで取り込む方法です。取込み方法は名刺管理システムによって違いますが、多くの場合はOCR機能(光学文字認識機能)を使ってデータ化をします。
しかし、名刺のフォントによっては” l(エル)”と”I(アイ)” などといった文字の判別が難しい場合もあるため、さらに人の目を介して名刺情報の確認をし正確性を担保しているサービスもあります。
名刺情報の閲覧・検索
会社名や氏名といったキーワードで簡単に検索できることが名刺管理システムのポイントです。自動であいうえお順に整理され、自分の好みでカテゴライズもできるので整理をする手間がありません。また、アプリで名刺情報を管理できるので、閲覧場所を問わずどこでもすぐに名刺情報の確認ができます。
名寄せ機能
重複確認が入るので、同じ人物の名刺が二重登録されることなく管理できます。役職が変わることがありますが、常に最新の情報に更新されていきます。名寄せの方法は名刺管理システムによってそれぞれ違います。
CSV / Excel 出力機能
CSV形式やExcel形式で名刺情報を一括出力ができる機能です。この機能は法人向けの名刺管理アプリにあります。
SFA / CRM など各種システムとの連携
名刺アプリケーションによっては、既存の営業管理システム(SFA)や顧客管理システム(CRM)などと連携ができるものがあります。
Outlookの連携について
Outlookと名刺管理アプリを連携すると、Microsoftのサービスと連携して利用できるようになります。例えば、名刺情報に記載のメールアドレスをPeopleで管理することができます。またMicrosoftのアカウントを双方が保有していれば、ワードやエクセルデータなどのファイルをその場で作成して共有することが可能です。
SFA(営業支援システム)の連携について
SFA(営業支援システム)と名刺管理アプリを連携すると、SFAに取り込んだ名刺情報を登録されるようになります。アプローチや商談の記録などを登録できるほか、一斉メールを送ることができるようになるので、ナーチャリングが可能になります。
名刺の読込方法
名刺の読込方法は3通りあります。
- スキャナーで取り込む
- スマホでスキャンする
- 手で入力する
1~2枚程度なら都度スマホでスキャンすることが一番簡単です。しかし、セミナーや展示会に出席し大量の名刺交換をしたときや、まとめてスキャンしたいというという場合には、スキャナーの利用がおすすめです。各名刺管理システム専用のスキャナーが、公共スペースやコワーキングスペースに設置されているケースがあります。
法人向けと個人向け名刺管理の違い
名刺管理アプリには、法人向けアプリと個人向けアプリの2種類があります。法人向けと個人向けの違いは利用目的です。それぞれについて確認しましょう。
法人利用向けの名刺管理アプリの特徴
法人利用の名刺管理アプリのポイントは、『社内共有』です。名刺情報を蓄積することで名刺情報が会社の資産になります。例えば、名刺は交換した営業マン個人が所有しているため、従業員の入れ替わりがあるとそのまま顧客情報もなくなってしまうということになります。
しかし、営業マン1人1人が交換した名刺を企業で所有すれば、従業員が退職しても顧客に対し継続的に営業アプローチをすることが可能になります。また社内間で名刺情報を共有しているので、もし接触したい企業の名刺を持っている営業マンがいれば紹介してもらうということも可能になります。
法人利用向けの名刺管理アプリの機能としては、名刺情報の共有・一斉メール配信・接触記録といった企業ならではの機能が対象です。
個人利用向けの名刺管理アプリの特徴
個人利用の名刺管理のポイントは、管理がしやすい点にあります。データ化してしまえば場所を問わずどこでも名刺情報を確認できます。
無料で利用可能な名刺管理アプリ一覧
無料で利用できるアプリは多数あります。スマホでもPCでも管理ができる、名刺管理アプリを紹介します。
CamCard(IntsigInformationCorporation)
16カ国語対応しているアメリカ発の名刺管理アプリです。数か国で利用されているので、海外企業とのやり取りが多い方におススメの名刺管理アプリです。個人利用の場合は無料で利用できます。法人利用の場合は、ID単位で月額利用料金が必要になります。訪問記録や商談メモを残すことができるため、SFA(営業支援システム)のような使い方も可能です。
Eight(Sansan株式会社)
名刺アプリでシェアNO.1のアプリがEightです。パソコンでの利用が可能です。フリーアドレスでは登録ができない点に注意が必要です。名刺の持ち主が肩書を変更したり、転職して情報を更新すると、自動的に名刺情報が更新されていきます。法人向け利用の場合は、有料名刺管理アプリ「sansan」があります。
myBridge(LINE株式会社)
SNS的な要素がなく、つながらない名刺管理アプリです。シンプルに名刺だけを管理したいという方におススメです。名刺の取込み制度が高く、操作も簡単なところがポイントです。
また、電話がかかってきたときにスマートフォンに名刺情報を表示させることや、データをExcelに出力したり、他システムとの連携ができるなど柔軟です。他サービスからのデータ移行も簡単で、名刺を0円でまとめてスキャンしてもらえるサービスがあります。(2019年2月末時点)パソコンでの利用が可能です。
myBridgeの特徴は1つのアプリで個人名刺帳と共有名刺帳を別々に管理することができます。とても分かりやすいUIとなっています。
evernote(Evernote Corporation)
evernoteで名刺管理が可能です。evernote Scannable という書類をデータ化するアプリを使って名刺をスキャンします。ボタン操作で簡単にevernoteに名刺情報を共有することができます。タグ付けができるので、検索などの操作性も簡単です。
evernote で情報を一元管理できるので、evernoteユーザーにとっては利便性が高い機能です。
Wantedly People(ウォンテッドリー株式会社)
AI(人工知能)が複数の名刺をリアルタイムで解析し即時データ化が可能な名刺管理アプリです。ビジネス系SNS Wntedly に紐づくアプリです。ビジネスの情報収集や人脈作りなどをしていきたい方におススメです。
また、個人で利用する名刺管理アプリですが、同じくアプリを所有している人同士で名刺を見せ合うことも可能です。
パソコンにインストール型の名刺管理ソフト
名刺管理アプリとは違って、パソコンにインストールをしてから利用する名刺管理ソフトです。名刺管理アプリとは違って、ソフトを買いきりで購入するのでコストを抑えることが可能です。
名刺管理ソフトの中には、Android、iPhone用のスマホアプリが用意されているものもあるので利用方法に応じたものを選ぶとよいでしょう。ただし、パソコンのOSが更新されると購入した名刺管理ソフトが利用できなくなることもあるため注意が必要です。
名刺読取革命(パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社)
名刺の読込は、スキャナ・携帯電話・デジタルカメラの3種類方法があります。英語名刺や縦書き名刺、QRコードも対応しています。社内LANを使って複数のパソコン間で名刺情報のデータ共有も可能です。
主な機能は4つ。
- 名刺データの簡単整理・簡単検索
- 名刺データのネットワーク共有
- 他ソフトとのインポート・エクスポート
- 開発者向けに名刺認識エンジンを提供
※製品版の製造販売は終了しています。ダウンロード版・ライセンス版は引き続き購入が可能です。
https://www.panasonic.com/jp/company/pstc/products/cardocr.html
本格読取™ おまかせ名刺管理 3(ソースネクスト株式会社)
ボタン操作1つで、EVERNOTEにデータを取り込むことが可能になるため、外出先でも自分のスマートフォンで名刺情報の確認をすることが可能です。
主な特徴は4つ。
- パナソニック社製 高精度OCRエンジンで、かさばる名刺をデータ化
- evernoteへのデータアップロード機能を搭載
- ScanSnapからのデータ取り込みに対応
- かすれ文字/斜体文字も読み取れる
https://www.sourcenext.com/product/pc/use/pc_use_000942/
名刺万能3(名刺OCRソフト)(プラネックスカーズ株式会社)
主な特徴は4つ。
- 21ヶ国22言語に対応する高度な感じ機能を搭載
- ボタンひとつで名刺データをファイリング
- 名刺データをメーラーのアドレス帳に登録
- QRコードでスマートフォンに簡単に名刺情報を登録
http://www.tri-star.co.jp/products/utility/meishi3/
やさしく名刺ファイリング PRO v.15.0(メディアドライブ株式会社)
主な特徴は4つ。
- CSV/Excel出力、各種アプリケーションとの連携
- 外出先でもスマートフォンで名刺を検索
- ネットワークによる名刺データ共有
- 4ヶ国語(日・英・中・韓)の名刺に対応
https://mediadrive.jp/products/ymfp/
まとめ
名刺管理システムの特徴はそれぞれ違います。自分の使い方に最適なアプリを選ぶとよいでしょう。アナログ管理からデジタル管理に変更するだけで、名刺の整理にかかっていた時間がカットできるほか、漏れることなく顧客のナーチャリングを行うことができます。目的や利用用途によって最適な名刺管理システムをみつけましょう。