口座開設ソリューションの記事
ARTICLE緊急!どうする?!改正犯収法対策【やまざき調べvol.10】
こんにちは!
入社一年目、金融お客様リレーション部のやまざきです。
ここ最近のやまざき調べは、あまり集計調査をせず、営業へのヒアリングでコンテンツを作成しがちでした。
「これじゃ手を抜いているみたいだから、そろそろ調べものするぞ!」
と意気込み、調査を終え、ほぼ記事も作り終わっていたのですが、K先輩から今回のやまざき調べのネタに熱い要望を受けたので、急遽内容を変更することにしました。
ということで今回は、改正内容のおさらいと、犯収法対応を担当しているお客さまから直接お伺いした対応方針等の話をぎゅぎゅっとまとめた記事にしました!
※以前、地銀の口座開設状況の記事で登場したG先輩も関西人ですが、K先輩は別の関西人です。
2020年(令和2年)4月1日の犯収法施行規則改正のおさらい
皆さんが対応を急いでいらっしゃるのは、2020年4月1日の犯収法施行規則の改正です。
今回の改正内容を含め、2018年に公表された犯収法施行規則改正の全体像や詳細については、「わかりやすくまとめてみた!!犯収法、これからどうなる?【やまざき調べvol.6】」で詳しく取り上げていますので、ここではサックリと2020年の改正内容をおさらいしたいと思います。
改正は大きく2種類あります。
1.本人限定受取郵便の受取時本人確認で提示できる本人確認書類が限定される
警察庁「平成30年改正犯罪収益移転防止法施行規則(平成30年11月30日公布)に関する資料」
本人限定受取郵便で取引関係書類を郵送する方法の場合、郵便局員等が受取時本人確認をしなければなりません。
この受取時本人確認の際にお客さまが郵便局員等に提示できる本人確認書類が写真付きのものに限定されます。(第6条第1項第1号ル)
2.非対面で本人確認書類の送付を受ける方法が厳格化&多様化する
金融庁「顧客から本人確認書類の送付を受け顧客宛に書留郵便物等により転送不要郵便等として送付する確認方法に関する改正」
「顧客から本人確認書類の送付を受け、顧客宛に書留郵便等により転送不要郵便等として送付する方法」の場合、これまでは提出する本人確認書類の種類限定はなく、1種類で済みました。
2020年4月以降は、顧客が送付できる本人確認書類のパターンが5種類に増えます。(第6条第1項第1号チ、リ)現状の業務フローと組み合わせやすいものはどれか、検討する必要がありそうです。
ところで、先ほどの図は、金融庁が発表した「顧客から本人確認書類の送付を受け顧客宛に書留郵便物等により転送不要郵便等として送付する確認方法に関する改正」というPDF資料です。
非常にシンプルにまとまっていてわかりやすいようで、どう対応すればいいのか若干わかりにくいですよね。(笑)
そこで、弊社の営業担当がお客さまからお伺いした対応方針をぎゅぎゅっとまとめました。これで安心して4月を迎えていただけると幸いです。
金融機関の対応方針の傾向
K先輩の話をもとに、金融機関の対応方法として多い4つの方法をスライドでまとめてみました。
1~4まで、システム改修コストが少ないものから並べています。
1.本人限定受取郵便+写真付き本人確認書類提出(第6条第1項第1号ル)
取引関係書類を渡す際、郵便局員等が問題なく本人確認をしたかどうか、郵便局等からエビデンスを取得する方法です。
金融機関側で必要な対応方法に変更がないため、すでに導入している場合はシステム改修をほとんど行わずに済むメリットがあります。
しかし、お客さまは本人限定郵便を受け取るためには、通知書が届いた後、配達手続き行うか、郵便局等に出向く必要があり、負担が大きいデメリットがあります。
2.本人確認書類の写し2種類の送付+転送不要郵便(第6条第1項第1号リ)
本人確認書類の写しの送付方法は画像のアップロードでも可能とのことなので、お客さまが本人確認書類を非対面で提出する方法の中では、比較的システム改修コストが安い方法です。
また、WEBアプリとして開発できるため、スマホ、PC両方からの口座開設申し込みを受け付けやすいメリットがあります。
本人確認書類の写しが2種類必要で、2種類なければ片方は補完書類を提出します。
しかし、提出可能な本人確認書類を2種類用意する必要があるため、お客さまの負担が大きいというデメリットがあります。
3.本人確認書類の厚み等がわかる画像送信+転送不要郵便(第6条第1項第1号チ)
こちらも比較的システム改修コストが安い方法です。
また、お客さまはオンラインで本人確認書類を1種類だけ提出し、転送不要郵便が届くのを待つだけなので、お客さまの負担は1~4の中で最小限ではないでしょうか。
一方で、本人確認書類の厚みを撮影した画像の不備が増え、業務負担が増える可能性があるかもしれません。
4.本人確認書類の画像+本人の容貌の画像送信(eKYC)(6条1項1号ホ)
一般的に「eKYC」と呼ばれる、昨年の11月30日に新たに導入されたオンライン完結の本人確認方法の一つです。
郵送の手間を省き、金融機関の口座開設業務を削減できるうえ、手続きを迅速化できるため、金融機関にとってもお客さまにとっても利便性が高いというメリットがあります。
さらに、すでにこの方法を導入している場合、来年の4月に向けた追加開発は不要です。
しかし、自撮りに抵抗があるお客さまがいる点や、画像解析を行うため、システムの改修や運用のコストが高いというデメリットがあります。
また、現時点ではPCのカメラを使ったeKYCのシステムを提供しているサービスを聞いたことがありませんので、実質的にスマホを持っていない方は利用できない方法でもあります。
まとめ
K先輩に、4つの方法の中でどれがおススメか聞いたところ、先輩によると、本人確認件数がそこまで多くない場合は、
2.本人確認書類の写し2種類の送付+転送不要郵便(第6条第1項第1号リ)、
3.本人確認書類の厚み等がわかる画像送信+転送不要郵便(第6条第1項第1号チ)
が多くなりそうとのことです。
1.本人限定受取郵便+写真付き本人確認書類提出(第6条第1項第1号ル)ができれば、システム改修費を押さえることができるため理想的ですが、お客さまが本人限定郵便を受け取る際の負担が大きいのがネックです。
4.本人確認書類の画像+本人の容貌の画像送信(eKYC)(6条1項1号ホ)はコストが高いため、口座開設だけではなく、ローン受付時等、本人確認の機会を増やしてから導入すれば、費用対効果が高まるかもしれません。
最後にお決まりの営業ですみません(笑)
弊社のSPIRAL口座開設ソリューションでも、
1.本人限定受取郵便+写真付き本人確認書類提出(第6条第1項第1号ル)
2.本人確認書類の写し2種類の送付+転送不要郵便(第6条第1項第1号リ)
3.本人確認書類の厚み等がわかる画像送信+転送不要郵便(第6条第1項第1号チ)
の方法に標準機能で対応予定です。
4.本人確認書類の画像+本人の容貌の画像送信(eKYC)(6条1項1号ホ)については、オプション連携で対応予定です。
対応方法ごとの費用感等、ご興味がございましたらお気軽にご連絡ください!
※本記事の内容の信頼性、正確性、真実性、妥当性、適法性及び第三者の権利を侵害してないこと等について、当社は一切保証いたしません。また、本記事の利用によって発生したいかなる損害その他トラブルにおいても、当社に一切の責任はないものとさせていただきます。
金融庁「オンラインで完結する自然人の本人特定事項の確認方法の追加」(平成30年11月30日)
金融庁「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令」の公表について(平成30年11月30日)
警察庁「平成30年改正犯罪収益移転防止法施行規則(平成30年11月30日公布)に関する資料」
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